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ノーベル平和賞イラン・モハンマディ氏 女性の人権擁護

2023-10-06 22:19:46 | 科学技術・宇宙・量子・物理化学・生命・医学・生物学・脳科学・意識・人類史


ノーベル平和賞を受賞したイランの人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏=家族提供・ロイター

 

【ドバイ=福冨隼太郎】

ノルウェーのノーベル賞委員会は6日、2023年のノーベル平和賞をイランの人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏に授与すると発表した。女性への抑圧が強まる同国で、女性の人権擁護に努める活動を評価した。

イランでは22年9月に女性の頭髪を覆うスカーフ(ヒジャブ)を適切に着用していなかったという理由で当時22歳の女性が風紀を取り締まる警察に拘束され、その後死亡した。女性の自由を求める大規模な抗議活動の契機となる出来事から約1年での授賞となった。

レイスアンデルセン委員長は「モハンマディ氏は組織的な差別と抑圧に反対する女性のため、表現の自由と独立の権利のために闘っている」と評価した。

現在獄中にいるモハンマディ氏はノーベル平和賞の受賞決定を受けて「私は民主主義、自由、平等の実現に向けた努力を決してやめない。女性が解放されるまで、宗教的な政府による容赦ない差別、圧政、性差に基づく抑圧に対する闘いを続ける」と声明で訴えた。米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。

モハンマディ氏は1972年、イラン北西部ザンジャンに生まれた。学生時代、大学新聞に学生運動や女性の権利に関する記事を書いて2度逮捕された。以来、女性の権利や死刑制度など同国の人権状況について問題提起してきた。

ノーベル賞委員会によると同氏はイランの政権に過去5回の有罪判決を下され、計31年の禁錮刑などを言い渡されたという。

投獄後も書籍やメディアの取材、ソーシャルメディアなどで情報を発信している。22年には自身の服役経験や他の女性受刑者へのインタビューなどを元に書籍「白い拷問」を出版。刑務所内が非人道的な環境にあると警鐘を鳴らした。

イランでの受賞者は03年のシリン・エバディ氏以来20年ぶり。モハンマディ氏は弁護士のエバディ氏が率いる人権擁護を目指す非政府組織(NGO)の副代表を務める。

夫は同じく人権活動家のタギ・ラフマニ氏。フランスで2人の子どもと亡命生活を送るラフマニ氏はロイター通信の取材に対して「(受賞は)ナルゲスの人権のための闘いを後押しするだろう」と語った。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は23年5月、ジャーナリズムや表現の自由で活躍する人を表彰する賞に、モハンマディ氏ら3人のイラン人女性ジャーナリストを選んだ。

 

 

 

竹内舞子のアバター
竹内舞子経済産業研究所 コンサルティングフェロー、CCSIアジア太平洋 CEO


今後の展望

政府による人権侵害の多くは国内で起きて、報道もされにくく、声を上げた場合のリスクも高いので、海外からその実態を知るのは難しいです。しかし国際社会からの圧力は、こうした人権侵害に対抗する数少ない手段の一つです。 今回の受賞を通じて、イランだけでなく他の国の人権問題、特に女性など立場の弱い人たちを標的にした抑圧に対して国際社会からの関心や支援が広がることを願います。

 

 

 

日経記事 2023.10.06より引用

 

 


ノーベル文学賞のフォッセ 生の孤独刻む北欧演劇の旗手

2023-10-06 22:13:03 | 科学技術・宇宙・量子・物理化学・生命・医学・生物学・脳科学・意識・人類史


世田谷パブリックシアターで2004年に上演された太田省吾演出
「だれか、来る」(谷古宇 正彦撮影)=同シアター提供

 

ノーベル文学賞の受賞が決まったノルウェーの劇作家ヨン・フォッセは、同じ国の劇作家で近代演劇の巨人だったイプセンの再来とも評される。ことに欧州で高い評価を受けているが、日本の演劇界では上演がまれで知る人ぞ知る存在だ。そぎ落とされた言葉でさりげない生活に潜む謎めいた瞬間をきりとり、生の孤独を照らし出す作風は独創的。観客動員が難しい作品群だが、受賞を機に北欧演劇の旗手として日本でも再評価の機運が広がるだろう。

フォッセは1959年、ノルウェー西海岸の古都ハウゲスンに生まれた。ベルゲンで教師をつとめたのち作家となり、小説、詩、児童文学などに加え、90年代半ばから戯曲を書き始めた。96年にオスロで初演された「だれか、来る」は詩稿のような短いせりふのつらなりで構成され、言葉の手触りや沈黙の官能性だけで成り立つ。反復と最少表現を特徴とするミニマル・ミュージックを思わせる特異な戯曲は、近代のリアリズム演劇を確立したイプセンからははるかに遠い。が、演劇の新しい可能性をひらく衝撃性という点で、確かにイプセンの「再来」といえるだろう。

 


全米図書賞の発表会場に姿を見せたヨン・フォッセ氏(2022年11月、米ニューヨーク)
=ゲッティ共同

 

フォッセの翻訳上演は「だれか、来る」をはじめ「死のバリエーション」「名前」「眠れ、よい子よ」「ある夏の一日」などが2000年代に試みられた。なかでも大きな役を担ったのは、沈黙劇で世界的に評価された演出家、太田省吾だ。太田が04年に東京の世田谷パブリックシアターなどで演出した「だれか、来る」は難解な舞台だったが、沈黙劇の随伴者だった品川徹の淡々としたせりふで不思議な生の時間を感じさせた。登場人物は名のない「彼」「彼女」「男」の3人。「彼」と「彼女」が古家に沿って歩き、これからの暮らしを話す。「二人きり」「一緒」「だれも来ない」などと短い言葉を延々交わすうち「だれか来る」という言葉が混入しはじめ、ふたりは海の気配を感じる。するとその家を売った「男」が現れる。一見何気ない舞台は、けれど沈黙の質量を刻みこむような息詰まる世界だった。

太田は「劇的でない生活の時間を演劇にする」という難題に生涯をかけた演劇人であり、フォッセに同じ志を見いだしたようだ。京都造形芸術大(現京都芸術大)の教授時代、同大の舞台芸術研究センターが発行する機関誌「舞台芸術」の第5号で上演に併せた特集を組み「だれか、来る」(河合純枝訳)を掲出した。太田はフォッセと会った際、なぜ劇作なのかと尋ねている。「小説は雑音が多くなる。言葉の向こうにある世界を書きたかった」との答えだったと最少表現のゆえんを同誌で明かしている。

フォッセはまた、言葉は意味である前に「石や木や神々や人間と同じように」ただ「存在する」のだと述べたと伝えられる(同誌所収の横山義志の論考)。こうした言葉には、やはりノルウェーの風土性が感じられる。北方のフィヨルドで海と対峙する人間の孤絶、遠くからの来訪者がもたらす生活のさざ波、人間の卑小さを思い知らせる演劇の神話性はイプセンの「海の夫人」に通じるものでもある。西洋演劇を辺境から革新してきた北欧演劇の威光は今なお大きい。

ちなみに10年に新国立劇場でリーディング上演(宮田慶子演出)された「スザンナ」(04年)はイプセンの妻を3人の女優が演じる不思議な戯曲で、異なる年代、若い女、中年の女、老年の女がイプセンを待つ。このほど出た演劇雑誌「悲劇喜劇」の11月号が折しもイプセン特集で、ドラマトゥルク(劇場の文芸部的な役)の長島確がこの作に触れ「人物のありえない重複や共存がごく自然に起こる」という戯曲の特質をイプセンの「空間」に対しフォッセの「平面」と比較対照し、論じている。

イプセンとその再来とされるフォッセの間にあるものの奥深さ――それを考えることは演劇表現の根源の探究にほかならないだろう。

(編集委員 内田洋一)

 
 

日経記事 2023.10.06より入手

 

 


プラダが宇宙服をデザインへ NASAの月面探査計画

2023-10-06 20:07:24 | 高級ブランド(LVMH、エルメス、グッチ、他)、ファッション


          最初期の宇宙服を着用し、月面におりたったバズ・オルドリン氏(1969年)

 

アメリカ航空宇宙局(NASA)が2025年に計画している月への有人飛行計画で、伊ファッションブランド「プラダ」が宇宙服を手掛ける。協業する米民間宇宙開発企業「アクシオム・スペース」が4日、発表した。

アクシオムはプレスリリースで、プラダがこのプロジェクトで、宇宙服の素材や製造についての専門知識を提供すると説明した。

ある宇宙飛行士はBBCの取材に対し、プラダはデザイン経験が豊富なため、このチャレンジに適していると思うと語った。

そうした経験はミラノのファッションショーだけでなく、ヨットレース「アメリカズ・カップ」への参加を通しても培われてきた。

NASAの宇宙飛行計画に5回参加し、4回の宇宙遊泳を行ったジェフリー・ホフマン教授は、「プラダはさまざまな種類の複合素材についてかなりの経験を積んでおり、新しい宇宙服の外層について、実際の技術的な貢献ができるかもしれない」と語った。

一方で、宇宙飛行士が「ペイズリーなど、派手な柄の宇宙服」を着るのを見られるとは期待すべきではないと述べた。「本当に重要なのは良好な熱環境を維持することだ」。

「宇宙服はまさに小さな宇宙船だ。気圧と酸素を供給し、適切な温度に保ってくれる必要がある」

アクシオムは今年初め、NASAの月計画「アルテミス3号」で着用される予定の宇宙服を発表した。


この宇宙服の重さは55キロ。女性の宇宙飛行士にも着心地が良いものとなっているという。

プレスリリースの中でアクシオムとプラダは、「これまでにない月面探査」を可能にするような「革新的な技術とデザイン」を使うと説明した。



アルテミス3号は、1972年のアポロ17号以来の月面着陸計画。月面に降り立つ初の女性となる予定の、クリスティーナ・コック氏が参加する。


(英語記事 High fashion: Prada to design Nasa's new Moon suit

 

 

 

 

BBC NEWS   2023.10.06より引用

 

 


[FT]「トランプ再選」米中緩和も 日米関係には打撃か

2023-10-06 18:30:55 | 米大統領選2024

オバマ米大統領(当時)が、シリアのアサド政権による化学兵器の使用を「レッドライン(越えてはならない一線)」として警告したにもかかわらず、結局、その使用が確認されても実力行使を見送ってから10年が過ぎた。だが、その約束は次の大統領によって果たされた。

 


世界の各国政府は来年の米大統領選でトランプ前大統領が返り咲いた場合の外交政策を推し量ろうとしている=ロイター

 

トランプ前大統領が選出された時、彼が人道的な観点からシリア空軍基地を巡航ミサイルで攻撃するなど誰が想像した
だろうか――。

筆者がこんな問いかけをしたのは、もし第2次トランプ政権が誕生したら外交政策はどうなるだろうと世界の各国政府が推し量ろうとしているからだ。まだしも2048年4月16日午後3時12分のロンドンの気温を予測する方が簡単そうに思える。

前大統領は結局のところ利己的な人間だ。自分の都合で政策を振り回し、「世界などどうにでもなれ」と外交を軽視し米国を内向きにさせるかと思えば、「世界に我々の強さを思い知らせてやる」とやたら強気の外交姿勢をとるような人物だ。


ナショナリストは国益を見極めるのが下手

来年の大統領選で彼が返り咲いた場合に想定される予測については、どれも真に受け止めるべきではない。とはいえ、あり得そうな展開はいくつかある。

トランプ政権が再び誕生すれば、ロシアに対する制裁の規模縮小や緩和に動くだろう。ウクライナへの物資の輸送ペースは鈍る公算が大きい。これらは「米国第一」主義を実行しているとして正当化されるだろうが、実際のところ逆の効果を生むことになる。

1990年の第1次湾岸戦争以降、ウクライナ支援ほど米国の存在感を国際社会で高めたものはない。米国から武器の供給を受ければ、世界3位の軍事費を誇るロシアの侵攻を食い止め続けられると世界に知らしめたからだ。

米国と中国の双方に対し、どっちつかずの態度を取っている国が、米国にこれほどの圧倒的実力を見せつけられたらどう思うだろうか。ベトナムは9月、米国との外交関係を中国と同格の最上位に引き上げた。

 


ベトナム共産党の最高指導者チョン書記長(左から2人目)は9月10日、同国を訪問したバイデン
大統領と会談、これを受けベトナムは米国との外交関係を最上位に引き上げた=ロイター

 

厄介なことに、ナショナリストは誰よりも国益を見極めるのが下手だ。よってトランプ前大統領もその取り巻き議員らもウクライナを見捨てるだろう。他にも米国が締結してきた数々の国際条約を破棄するという脅しが以前にも増して増えそうだ。

韓国や日本との2国間協定にも致命的影響

つまり、安全保障面では北大西洋条約機構(NATO)に加えて、韓国や日本との2国間協定がその矛先となるだろう(いずれも紙幣と同様、信用の上に成り立っているため、正式に破棄せずとも米国の立場をあやふやにするだけで致命的な影響が生じる)。

経済面では当然、世界貿易機関(WTO)が攻撃対象となる。前大統領は2018年にWTOルールを覆すべくある立法を試みたが、実を結ばなかった。だが2度目の政権では、自身がかなりの高齢となり、憲法で3選が禁じられていることもあり、さらになりふり構わなくなる可能性は高い。

それ以外は、既定路線から逸脱するというより従来路線を踏襲する可能性が高い。保護主義にしても、イラン問題にしても、アフガニスタンからの撤退にしても、バイデン大統領は前政権からの方針をほとんど変えていないからだ。バイデン氏はサウジアラビアと当初は人権問題を理由に距離を置いていたが、最近は前大統領が得意とする駆け引き外交に転じている。

経済的な問題にしか関心がない

というわけで前大統領が再選された場合、トランプ流外交で世界が驚くような展開は1つしかない。ただ、その1つは最も重要な意味を持つ。

トランプ前大統領は米中関係の緊張の一部を解消できる立場にある。前大統領が米国の対中政策を一段と敵対的にしたことは間違いないが、その後、様々なことが起きて多くの人が忘れてしまったことがある。

中国に対する前大統領の不満は、あくまで経済的なものに限られていたという点だ。

世界での自国の役割を見据えた大戦略(アジアの海域を支配するのは誰か)や、政治哲学(民主政治は独裁政治より優れているか)を巡る中国との対立はポンペオ前国務長官やバイデン氏に加え、既存の政財界エリート層がもたらしたものだ。彼らの間でこの5年間に起きた世界観の変化は、それまでの50年よりかなり大きい。

したがって、トランプ前大統領が再選されて、中国との貿易面の関係で自らの主張がある程度受け入れられたと彼が思っても、中国の「封じ込め」に関心を持つなどと期待しない方がいい。

この点を鮮明にわからせてくれるのが台湾問題だ。バイデン氏は、台湾防衛に関する戦略をあいまいにしてきた歴代大統領に比べ、必要とあらば米国が台湾防衛に直接乗り出すという姿勢を明らかにしてきた。トランプ前大統領はいまだに台湾問題への態度を明らかにしていない(しかも中国の習近平=シー・ジンピン=国家主席を懐かしみ、目をうるませかねないほどの様子だ)。

米政府を今、突き動かしているのは台湾への懸念だけではない。米国が介入しなければ、覇権国としての米国に対するあらゆる同盟国からの信頼を失ってしまうと恐れているためだ。


多くは想定できるが、驚くべきは米中のデタント

とはいえ、もし前大統領が覇権国など愚かな考え方だと言い出したらどうだろうか。そして、アジアに駐留する米軍の経費までも出し惜しみし始めたらどうだろうか。

トランプ前大統領の関心がいかに狭いかといえば、半導体生産の「ビジネスを我々から奪った」というふうにしか台湾をみていない。哀れなほどに凡庸で、お金でしかものごとを考えられない男について、その支持者も敵対者も様々な幅広い発想を常に持っている人物だなどと思い込んでいる。

一部でささやかれている通り、トランプ前大統領の対中姿勢はコロナ禍を機に強硬に転じたかもしれない。また、彼は集中力がとにかく持続しないため、行政府内に存在する筋金入りの対中強硬派に対するコントロールを徹底させられない可能性もある。

ただ、世界は米中の対立はずっと続くと想定済みだ。第2次トランプ政権が誕生するとしたら、多くのことは予想できるが、驚くべき展開は米中のデタント(緊張緩和)をもたらすかもしれないという点だ。

By Janan Ganesh

(2023年9月26日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

 

 

日経記事 2023.10.06より引用

 

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(関連情報)

【事実】2016年、トランプ・ブームはマケドニアの小さな町ヴェレスの若者たちのデマから始まった。https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/02dc2fa491e85b3d17884ebf16907127

 

 

 

 


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