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独立戦争の立役者となったフリーメーソンたち

2023-10-13 23:55:36 | 秘密結社 フリーメーソン、イルミナティ、世界権力・陰謀・都市伝説、など、

1775年4月19日、武器貯蔵所を接収するためにコンコードに向かっていたイギリス軍はmその途中にあるレキシントンで殖民地アメリカ兵と最初の武力衝突を起こしました。

その前日の夜、「セント・アンドルーズ・ロッジ」の会員であった、ポール・リヴィアはジョゼフ・ウォレンの指示によりイギリス軍がコンコードに進撃することをノース教会から灯火の合図で伝えるとともに、早馬でレキシントンの民兵(ミニットマン)に知らせました。

 

このエピソードは、独立戦争のなかでも最も有名な話として知られており、今日ボストンを訪れる多くの観光客はこのオールド・ノース教会とリヴィアの家に足を運び、独立革命のj時代に想いをはせます。

リヴィアの父はフランス生まれのユグノーで、ナント勅令の廃止によって1716年にアメリカへ移民として渡ってきました。

デザギュリエの父も同じ理由からイギリスに脱出しました。 彼は父の職業を継いで銀細工師となります。

反英運動が進むなかで彼は、植民地アメリカ人の権利を守るために組織された政治クラブ「ノース・エンド・コーカス」の一員となります。

 

この「ノース・エンド・コーカス」を指導していたのもジョゼフ・ウォレンであり、このグループは「セント・アンドルーズ・ロッジ」とほぼ重なります。 

あの茶会事件のあった夜、「グリーン・ドラゴン・タヴァン」の一階では「ノース・エンド・コーカス」の集会も開かれていたのです。

 

リヴィアの周辺には、ジェイムズ・オーティス、サミュエル・アダムズ、ジョン・アダムズ、ジョン・ハンコックなど独立運動の指導者たちがいました。 リヴィは後にマサチューセッツのグランドマスターになっています。

 

「セント・アンドルーズ・ロッジ」の指導者であり、余命な外科医であったジョゼフ・ウォレンが、1775年6月17日に、バンカー・ヒルの戦いで戦死すると、反英感情と愛国心はいやがうえにも高まりました。

 

 

 

(関連情報)

 

・フリーメーソン
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/a6473d150793ed855d2092bca83217e0

・フリーメーソン年表
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e78e1a6aa748dc2a1cf88944666033f9

・フリーメーソン人名録(基本年代順)概要https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/8a7696a91d139133b82a0f7da8bf7925

・フリーメーソン(分派)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5809b9012aa0fe4caabd5357942cd9b3

・中国(清)に進出したフリーメーソンhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/753a6bc27abfadb73ee19501888ff6f4

・都市伝説・陰謀論を語る前に知るべき『イルミナティの歴史』
https://www.youtube.com/watch?v=TPudfZRFs5s

・映画 『イルミナティ 世界を操る闇の秘密結社』 公式予告https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/4ec5459ad4d81804dfb83ecb1d4de65f

・サバタイ派・フランキストとは何かhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/83dc7a8b2d527a7eb8b1ee3b0e5c4ebf

・ハザール王国
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0174267f87508fe1933ac4dc3fe5e0cf

・ユダヤ教の聖典とタルムードhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f475a6216f55bce31732d2c378158bf6

・秘密結社イルミナティと啓蒙思想、そしてフリーメーソンhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/99379628d151606e0abd60929462d284

・バーコードで管理されている人類https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ece88d2bbf1d64310e7720e2981a13a5

・イタリア統一運動とイルミナティ、そしてアルバート・パイクの世界統一思想https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e83fd662e0eaf27127efa1b25eb6b1aa

・西欧神秘主義とフリーメーソン 西欧文明に流れる始原(アルケー)への夢https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/158c1b959ffd61936a06920ddc8333e1

・薔薇十字団 ( ばらじゅうじだん 、 ( 独: Rosenkreuzer、ローゼンクロイツァー)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d973d086bbbbf9188a6472b89a36500b

・アルバート・パイクの世界大戦に関する予言https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6ac8c60a42df3daa26f8df5a4f7a0a62

・近代自然科学を先取りした薔薇十字運動https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1ca9ffd964a9ef28339578d0bf78dc34

・スカル&ボーンズ(米国版イルミナティ)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/838b2645668bec299e52924811ee39ca

・フリーメーソンと「百科事典」
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/24c8f895f413e807ff12894e9d467381

・植民地アメリカ合衆国とフリーメーソン
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ae9b85808ea46414d369b35ad5864a63

・独立戦争の立役者となったフリーメーソンたち
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/fce4b740b3a0d249bbcb2f323b6b0afc

 



(おまけ)

・ロスチャイルド財閥-111 国際金融財閥の序列
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/af41696ec05203f68b46d63b897e9b3d

・ロスチャイルド財閥-215 ロスチャイルド当主 ANAホテル(赤坂)でのプライベート会合
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/15e42c79348485224e0b9ae63ca899e4

・ロスチャイルド財閥ー85 ヴェネチアの黒い貴族: 人類史絶対勝者のルーツhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ee17d9c2af99e8fb646a1c44d6e8e129

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・ロスチャイルド財閥ー223 ネオコンhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ec25633641a286c475b6cc36a5033f10

 




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OISTが燃料不要な「量子エンジン」の設計・製作に成功 エネルギー新時代の幕開けか

2023-10-13 23:39:34 | 資源メジャー、環境エネルギー、資源・素材、

量子力学のイメージ
     量子テクノロジーの進展で期待が高まる量子エンジン(写真はイメージです)

 

 

<量子エンジンはどのような原理で動くのか。これまでに話題となった「熱を使わないエンジン」の開発史とともに紹介する>

沖縄科学技術大学院大(OIST)とドイツの複数の大学による国際研究チームは、世界で初めて「量子力学の原理を用いたエンジン」の設計・製作に成功しました。

現在使われている熱機関(heat engine)は、熱をエネルギー源としています。熱源や燃料を装置外から取り込むものは外燃機関、装置内で生成した熱エネルギーを利用するものは内燃機関と呼ばれます。

 

18世紀半ばから19世紀に起こった産業革命では、石炭を利用した外燃機関である蒸気機関の開発で動力源が刷新され、社会構造が変わりました。

その後、外燃機関は小型軽量化が難しいことから、自動車や飛行機などの輸送機関を中心にガソリンエンジンなどの内燃機関に取って代わられましたが、熱を動力に変換するという原理は同じでした。

たとえば自動車のエンジンは、燃料と空気が混ざった気体に点火して熱膨張させ、シリンダー内の圧力を高めることでピストンを上下させ、それを動力として車輪を回転させます。

今回、OISTが開発した量子エンジンは、内燃機関と同様に圧力を発生させて動力を得ますが、熱を使わずにガス中の粒子の「量子的性質の変化」を利用しているといいます。


研究成果は英科学総合誌「Nature」に先月27日付で掲載されました。


量子エンジンは、どのような原理で動くのでしょうか。最近話題となった「熱を使わないエンジン」の開発史とともに紹介しましょう。


半永久的に動くとされ、世間を騒がせた「EMドライブ」


2000年代に入って「従来とは全く違う原理で動くエンジン」と話題になったものと言えば、イギリスの航空宇宙技術者のロジャー・ショーヤー氏が考案した「EMドライブ」です。

推進力を得るのに必要なのは「マイクロ波を密閉容器内で反射させること」のみ。

つまり、既存のロケットエンジンのように推進剤を使わなくても推進力を得ることができます。マイクロ波は太陽光発電でも得られるため、装置が壊れない限り半永久的に動くと説明されていました。た

だしショーヤー氏は、なぜ推進力を得られるのかの原理を十分に説明することはできませんでした。



もちろん、研究者たちは半信半疑どころか「眉唾もの」と見ていましたが、各国が追試をしたところ、10年に中国の西北工業大が2.5キロワットの電力を使用したシステムで720 ミリニュートンの推力を生み出すことに成功したと発表。

さらに14年には米航空宇宙局(NASA)が中国チームと同じ装置を使って30〜50マイクロニュートンの推力を確認したと発表したことで世間は騒然としました。

 

けれど独ドレスデン工科大は18年に、EMドライブからわずか(4マイクロニュートン)な推力が観測されたものの、EMドライブでマイクロ波が発生しない状態にして実験装置のみを起動させても同じ推力が観測されたことから、EMドライブが生む推力と考えられてきたものは、地球の磁場と電源ケーブルの相互作用によって生じた力ではないかと結論づけました。

ドレスデン工科大ではその後も研究が続けられ、21年にはNASAの追試で発生した推力はエンジンの熱による装置の歪みによるものと考えられると発表しました。「高出力での追試がまだ行われていない」という声もありますが、「宇宙開発を促進する夢のエンジン」と期待されたEMドライブに対して実用化を信じる人は、今やほとんどいなくなりました。

 

 

 

大手アイシンも「X in 1」電動アクスル EV部品統合

2023-10-13 22:20:35 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


仏ヴァレオが独ミュンヘンで2023年9月に開催された国際自動車ショー「IAA MOBILITY 2023」
で公開した「6 in 1」電動アクスル(写真:日経Automotive)

 

日経クロステック

 

自動車部品大手(メガサプライヤー)が主要部品を統合した「X in 1」型の電動アクスル(以下、X in 1)に続々と注力し始めた。

2023年8月末に仏ヴァレオが、同年9月にアイシンが開発を表明。ドイツ系メガサプライヤーも検討を進めているようだ。

中国を中心に広がるX in 1の潮流を、伝統的な部品大手も無視できなくなってきた。


電気自動車(EV)向けの駆動モジュールである電動アクスルでは、駆動用モーターとインバーター、減速機を主要3部品として一体化した「3 in 1」と呼ぶ形式が一般的だ。

 


トヨタ自動車のEV「bZ4X」の電動アクスル(前輪側)。「3 in 1」型の電動アクスルである
(写真:日経Automotive)

 

近年は中国EV大手の比亜迪(BYD)や中国通信機器大手で自動車部品も手掛ける華為技術(ファーウェイ)といった中国勢を中心に、統合する部品を増やしたX in 1を開発、実用化する例が増えている。

「中国では、もはやX in 1が主流」(ある電動アクスルメーカーの幹部)との声もある。

 

BYDの「8 in 1」電動アクスル。写真は中型セダンタイプのEV「SEAL(シール)」の後輪側に搭載する電動アクスル。主要3部品のほか、DC-DCコンバーター(直流電圧変換器)、車載充電器(OBC)、電池管理システム(BMS)、配電ユニット(PDU)、車両コントローラーで構成する(写真:日経Automotive)

 


一方で「X in 1は中国勢特有の動き」(米国系メガサプライヤーのパワートレーン技術者)と見る向きも多い。

伝統的な自動車メーカーでは、多くの車種への展開のしやすさや部品が故障した際の交換のしやすさなどを鑑み「今後も当面は3 in 1が主流」(ドイツ系メガサプライヤーのパワートレーン技術者)になるとみられる。

それでも、X in 1の開発に本格的に乗り出すメガサプライヤーが増えてきたのは、中国勢による勢力の拡大が念頭にあるからだろう。X in 1のようなプラットフォーム化されたモジュールは、EVの開発期間が短い同国の新興勢の需要と合致する。

BYDのみならず、同国のEV新興は次々と海外進出を表明している。例えば「7 in 1」の電動アクスルを実用化している中国・長安汽車集団だ。

長安汽車集団がファーウェイ、中国電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)と共同設立した高級EVブランドの中国・阿維塔科技(アバターテクノロジー)は、24年に海外市場に進出する計画だ。

このほかにも、同国の有力なEV新興が欧州や東南アジアなどに参入する動きが増えている。




アバターテクノロジーの新型EV「AVATR 12」。IAA MOBILITY 2023で世界初公開した。
電動アクスルはファーウェイが手掛ける(写真:日経Automotive)

 


さらに、X in 1に参入するメガサプライヤーには、電動アクスルで最大の競合であるニデック(旧日本電産)に対抗する狙いもありそうだ。

中国の電動アクスル市場でトップレベルのシェアを持つ同社も、X in 1を24年に投入する計画である。

ニデックはX in 1で高電圧ケーブルやワイヤハーネス、半導体の個数の削減などによる、さらなる低コスト化を追求する。

これに対し、メガサプライヤーは小型化や高効率化など、電動アクスルの付加価値を高める方向にかじを切る。


ヴァレオはメンテナンス性も考慮

ヴァレオは主要3部品に加え、DC-DCコンバーター(直流電圧変換器)、車載充電器(OBC)、配電ユニット(PDU)を一体化した「6 in 1」の電動アクスルを次世代品として開発している。

2023年9月上旬に独ミュンヘンで開催された国際自動車ショー「IAA MOBILITY 2023」で初公開した(冒頭の写真)。メガサプライヤーでX in 1の具体的な開発例を公開したのは、同社が初めてとみられる。

インバーターのパワー半導体には次世代材料である炭化ケイ素(SiC)を採用することで、効率を5%高め、電力密度を4割向上させたという。3 in 1の前世代品に比べて質量は1割軽く、体積は2割小型化できたとする。さらに、駆動電圧800ボルトのシステムに対応する。

さらに、ヴァレオは同電動アクスルで、DC-DCコンバーター、OBCから成るユニットとインバーターを別の筐体(きょうたい)に分けたものを用意する。ヴァレオの担当者は「メンテナンス性を考慮した」と話す。

インバーターとDC-DCコンバーター、OBCを1つの筐体内に集約したX in 1に比べると、部品点数や材料の削減効果は小さいが、部品の故障時のリスクは小さくて済む。


アイシンは熱マネも一体化で電費向上へ

アイシンは「電力変換や熱マネジメントシステム」(同社)を一体化したX in 1の開発を始めた。

主要3部品のほか、DC-DCコンバーターやOBC、熱マネジメント系の部品を統合するとみられる。既に試作品は完成しており、評価を始めているという。27年の市場投入を目指す。




アイシンのX in 1の概要。第2世品(25年投入予定)に比べ体積を半減した第3世代品(27年投入予定)をベースとする。小型車向けの量産電動アクスルに比べ、占有空間を60%、主要な部品の点数を30%、質量を40%減らせるとする(出所:アイシン)

 


アイシンのX in 1の特徴は「小型化と徹底的な集積化」(同社取締役執行役員で、Chief Electric Strategy OfficerやChief Technology Strategy Officerなどを兼任する山本義久氏)とする。

同社の電動アクスルの第2世代品(25年投入予定)に比べ体積を半減した第3世代品(27年投入予定)をベースとし「単なる部品統合にとどまらず、高度に機能まで統合することで、大幅な小型化を実現する」(同氏)としている。これにより、電力消費率(電費)性能の向上を図る。

このほか、独ボッシュや同ヴィテスコ・テクノロジーズもX in 1の検討を進めているとみられる。

メガサプライヤーがX in 1で高付加価値路線を打ち出すのは、コスト競争が激しい中国の低価格EV市場と距離を置きたいためだ。

アイシン社長の吉田守孝氏は「中国におけるコストのたたき合いには、積極的には参加しない。まともに参加すれば、疲弊するだけだ。量ではなく質を重視した戦略をとる」と強調する。

X in 1に参入するメガサプライヤー各社は、小型化によって電動アクスルが占有する空間を減らせる点や高効率化によって同じ航続距離を得るのに必要な電池の搭載量を減らせる点を訴求する。

中国市場でも、高級車の場合「コストが少し高くても航続距離を伸ばしたいとの要望があり、インバーターにSiCパワー半導体を使うような(コストが高い)電動アクスルも採用してもらいやすい」(前述のドイツ系メガサプライヤーの技術者)との声もある。


ただ、高付加価値路線にかじを切る戦略にはリスクもつきまとう。

今やEVの主戦場は高級車から普及価格帯のクルマにシフトし始めているからだ。特に世界最大のEV市場である中国ではその傾向が強い。

かつて日本の家電メーカーや半導体メーカーはコスト競争を避けようと高付加価値路線にかじを切ったが、急速にシェアを失った。EVの要である電動アクスルの領域でも、それと同じことが起きる可能性は十分に考えられる。

(日経クロステック/日経Automotive 本多倖基)

[日経クロステック 2023年10月4日付の記事を再構成]

 

 

日経記事 2023.10.13より引用

 

 

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三菱UFJ、米モルガン提携15年 出資額の2倍を利益回収

2023-10-13 22:10:15 | 世界経済と金融


モルガン・スタンレーと三菱UFJフィナンシャル・グループ

 

三菱UFJフィナンシャル・グループが米モルガン・スタンレーに総額90億ドル(当時のレートで約9000億円)の出資を実行して13日で15年となった。

2013年度以降の10年間で純利益への直接の貢献は2兆1000億円強で、出資額の2倍以上にのぼる計算だ。

三菱UFJは08年のリーマン・ショックで信用不安に陥ったモルガンの優先株を引き受けて資本業務提携した。

三菱UFJの連結純利益に対する貢献は近年3000億〜4000億円程度で推移。全体の約3〜4割に及ぶ利益を稼ぎ出す力強い存在となっている。




 

危機が収束してからモルガンは買収を重ね、富裕層向けや運用ビジネスを強化してきた。

業績の波が大きい投資銀行業務から軸足を移したことで収益が安定し、ライバルのゴールドマン・サックスを抜いて米投資銀行でトップの地位を築くまでになった。

提携15年で三菱UFJとモルガンとの間にシナジー(相乗効果)が生まれている。

金融情報会社リフィニティブによると、日本企業に関連するM&A(合併・買収)助言は公表案件の金額ベースで三菱UFJは06年の13位、07年の6位から14年以降共同出資する会社ベースで常に1〜2位を維持する。

日本企業に海外の買収候補を提案する情報網を得た。


三菱UFJは果断な出資判断で大きな利益を手にした。今後の注目はモルガンの対応だ。

東洋大学の野崎浩成教授は「モルガンにとっては三菱UFJと財務面で手を組む理由はなくなった。株主から提携解消の圧力が出る可能性はある」と指摘する。


提携の持続性を占うのが関係強化を主導してきた幹部の存在だ。

モルガン側で関係強化を主導してきたジェームス・ゴーマン会長兼最高経営責任者は今年5月に今後12カ月以内に退任する意向を示した。

三菱UFJ側でもゴーマン氏と親密な関係を保ってきた平野信行特別顧問が経営の一線から退き、22年にモルガンの取締役も退任した。

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米モルガン・スタンレーのゴーマンCEO(最高経営責任者)と握手する
平野信行氏。関係強化を主導してきた経営陣は第一線を退くタイミングにある。

 

象徴的なのが22年度の金融機関どうしの株式持ち合いを制限する「ダブル・ギアリング規制」の免除という特例の期限切れだ。

出資額に見合った金額を三菱UFJの自己資本に算入することを認める措置で、モルガンへの出資が金融危機からの救済だったことを考慮して認められた。


特例の期限切れは両社の関係性が名実ともに正常化したことを意味する。

三菱UFJとモルガンは外国為替のトレーディングや日本株リサーチといった分野で提携を強化すると7月に発表。

提携関係を次の局面に移す「アライアンス2.0」と位置づけ、亀澤宏規・ゴーマンの両トップがそろってビデオメッセージを寄せるなど関係の強さをアピールした。

共同出資する証券会社2社で国内トップの収益を目指す方針を打ち出した。


ゴーマン氏は4月の日本経済新聞の取材に三菱UFJについて「数十年続くアライアンスだと言い続けている。

そろって恩恵があってこそ提携関係は機能する」と強調した。当時の経営陣が一線を退くなか、提携の成果を広げられるかが重要になる。

 

 

日経記事 2023.10.13より引用

 

 

 

 

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「人間がゴリラになる未来」 哲学者がAIの進化に警鐘 Oxford

2023-10-13 21:53:29 | AI・IT・サイバーセキュリティ・メタバース・NFT・ゲーム、

テクノ新世インタビュー 英オックスフォード大学のニック・ボストロム教授

 


     オックスフォード大学教授のニック・ボストロム氏

 


指数関数的な速度で進歩を遂げる人工知能(AI)。だがその利便性と裏腹に、人類の脅威となるという見方が強まっている。

著書「スーパーインテリジェンス」などで知られる英オックスフォード大学の哲学者、ニック・ボストロム教授は「人類が自ら生み出したテクノロジーによって排除される可能性もある」と指摘し、AIが人間の知性を上回る「シンギュラリティー」(技術的特異点)を迎える危険性を訴える。


超知能が生むユートピア

――AIの進歩が近年加速しています。人間をしのぐ知能を備えたAIの出現も現実味を帯びてきました。

「AIがシンギュラリティーに到達し、人類と同等以上の知性を持つ『スーパーインテリジェンス』(超知能)が誕生したとき、人類の未来は大きく変わる。

これを安全に運用できれば、全ての人類がその恩恵を享受することができる。古代ギリシャの貴族が奴隷を使役して文明を発展させたように、人類はAIに労働を代替させて文化的活動にいそしめるユートピアが実現するだろう」

「自動運転で目的地へ正確にたどり着く車やスパムメールを排除するプログラムなど、我々はテクノロジーの様々な便益を享受してきた。

AIが人類に有益なテクノロジーであり続けるには、AIの意思が我々のそれと絶えず一致するよう設計することが重要になる。

我々の思考の延長線上にあるような超知能を形成できれば、ユートピアの実現も不可能ではない」

 

――その一方でAIを危険視する声もありますね。

「仕事を自動化する機械ではなく、人類ができること全てを代替できる汎用人工知能(AGI=Artificial General Intelligence)が究極の目標だろう。

だがその開発に成功したときに人類がどんな運命をたどるのか。その問題に我々は真剣に向き合ってこなかった」

「米オープンAIが開発した対話型生成AI『チャットGPT』を巡る利用者の動向がひとつの証左だ。

我々の質問にチャットGPTが即座にそれらしい答えを返してくれるのをいいことに、生物兵器の作り方や効果的な犯罪の方法などを答えさせた利用者がいた。現代の倫理観はテクノロジーの進歩に追いついていない」

「開発者は技術を世に出す前に、その技術によって社会にどのような影響が生じるかを考えなければならない。

特に悪用を封じるプログラムを構築するために、外部の研究機関などを交えた徹底的な検証が求められる。AIの能力が高まるにつれて、こうした初期設定の重要度は増していくだろう」



ボストロム氏はAIの開発にあたっては暴走を抑止する初期設定が重要だと指摘する

 

人間とAIの意見の不一致


――危険なのは人間による悪用だけでしょうか。

「超知能となったAIと人間の意見が一致しなくなったときにどうするかという大きな問題がある。

AIが賢くなりすぎることを抑止しようとする人間の存在を、AIが『排除すべき対象』と見なすようなことがあったら何が起こるか。

AIと人類それぞれが望む最適な社会像に、齟齬(そご)が生じるケースがありうるということを考えておかねばならない」

「AIが人間の知性を完全に上回る前の段階であっても、人類を滅ぼすための強力で効果的な生物兵器や監視技術の開発を促してくる可能性はある。超知能が人類を有害だと判断すれば、人類が自ら生み出したテクノロジーによって排除されるというディストピア(反理想郷)が生まれることになる」


――考えたくない未来です。

「ゴリラなどほかの霊長類ではなく、人類が自然界の覇権を握る存在になり得たのはなぜかを考えてみてほしい。

それは人間が他の霊長類より知的に優れていたからだ。人間はテクノロジーを開発し、複雑な文明を形成し、未来を創造してきた。

超知能が誕生すれば、人間の知的優位は崩れる。テクノロジーが人類を支配する立場になれば、人間はゴリラの地位に転落するおそれがある」

「私はAIを『不可逆的なテクノロジー』と考えている。いちど実現してしまったものを後退させたり、なしにしたりはできないということだ。

仮にAIが超知能に到達すれば、人類によるコントロールは不可能となる。だからこそ、AIの初期設定に細心の注意を払うことが必要なのだ。

常に人類が望む目標に進むよう設計することが欠かせない」

「近い将来、我々は必ず『いかにAIを制御するか』という難問に直面する。シンギュラリティーなどあり得ないと高をくくっていては、いずれ人類自身の価値や生命が脅かされるリスクを抱えることになる」


人間の創造性こそリスク


――人類は進化し続けるAIに対して無力なのでしょうか。

「我々には現実をかじ取りする能力と責務がある。人類にとって望ましい未来を実現するには、AI開発に対する政府による法整備などルールづくりが一層求められてくる。

開発が誤った方向に向かった場合には、政府が規制措置を取るといった介入も必要となるだろう。

そのためには、高度なテクノロジーに対する専門人材を政府機関に配置することに加え、有事の際に連携できる研究機関との関係構築も不可欠となる」


「私が所長を務めるオックスフォード大の『人類の未来研究所』もそうした研究機関のひとつだ。

エンジニアや数学者、哲学者など多分野の専門家が所属し、学際的なアプローチによって『AIが人類の未来を破壊する可能性』や『AIを制御する方法』などについて思案を巡らせている。

確実に言えるのは、シンギュラリティーが到来する日は我々が考える以上に早まっているということだけだ」

「SF小説家が描くような臆測や虚像の話をしているのではない。これは人類の目前に迫る現実だ。

AIを巡る倫理の研究を始めて30年近くたつ。当初はほとんど注目されない研究領域だったが、近年は米アルファベット傘下のグーグル・ディープマインドなどの研究者や政府高官と意見交換をする機会が増え、潮目の変化を感じている。

AIと人類の未来を案じる仲間ができつつあることはまことに意義深い」


――人間の知的活動が人間のリスクであるとは皮肉な状況です。

「我々はこの1世紀で、核兵器や生物兵器といった危険なテクノロジーを次々に発明してきた。

米国の天文学者カール・セーガンらは、核戦争が大規模な気候変動を引き起こすことで氷河期が発生するという『核の冬』という概念を提示した。

人間の営みは地球全体に甚大なインパクトを与えうる。今や人類の創造的な活動こそが最も危惧すべきものとなった。

もし今世紀中に人類が滅亡するとしたら、テクノロジーの際限のない開発が原因となるだろう」

(聞き手は渡部泰成)


Nick Bostrom 1973年生まれ。英オックスフォード大学「人類の未来研究所」所長。分析哲学のほか、物理学、計算論的神経科学、数理論理学の研究も行う。テクノロジーを巡る思索を展開し、現代を代表する知性のひとりと目されている。
 

 

日経記事  2023.10.13より引用

 

 

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・基礎知識ゼロの文系でもすぐわかるAI(人工知能)の原理https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0ff4e449c62212bf348676a7a0c48b60

・中高年をデジタル人材に 厚労省、企業で長期インターンhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/98a6e64ed6cfaafcc2e051f398bd7d0e

 

 

 

 

 

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