ロスチャイルド家と日本のかかわりは合いは古く、明治時代からです。 近代化に出遅れた日本が急いで国際社会に出るためには、科学技術、金融、経済、哲学などで世界をリードするイギリスの支援が必要でした。
ロンドンンの金融街シティで飛ぶ鳥を落とす勢いのロスチャイルド家とかかわりを持つことになりました。
この背景には、当時の世界覇権は 大英帝国 vs ロシア帝国で、大英帝国のバックにいるのがロスチャイルド家でした。 清との阿片戦争でぼろ儲けし、実質植民地化した大英帝国の次のターゲットは日本。
一方のロシア帝国は、口ミア戦争で、トルコ、イギリス、フランスの連合軍に敗退し、シベリア鉄道を使って東アジアに侵略してきました。 満州・朝鮮を抑えたロシアの次のターゲットも日本です。
ここに、大英帝国とロシア帝国の利権が日本でぶつかります。 日本はペリー来航以来、尊王攘夷の考えがひろまり、イギリスと衝突しますが、下関戦争で大敗。
長州率いる尊王攘夷派は一転して親イギリス、そしてイギリスの傀儡となります。 狡猾なイギリスは頭は弱いが、武闘派の長州を利用し、大英帝国の代理人として、長州率いる明治政府とロシアを戦わせます。 即ち代理戦争です。
明治政府の初代総理大臣の伊藤博文はじめ、岸信介ら長州(山口県)の寒村、田布施町出身者たちです。
長州ファイブは、上海の租界から来たロスチャイルド傘下と言われるユダヤ商人ウィリアム・ケズヴィックがロンドン留学させました。
この時、女好きの下品な伊藤博文は、留学費用をすべてロンドンの風俗に使ってしまったのは有名で、記録に残されています。
伊藤博文は、首相になり正妻を持った後も約20~30人の愛人を持ち、明治天皇に呆れられ、諭されたことも記録に残っています。
そして、大英帝国とロスチャイルドに目を付けられ、金と女で篭絡されたのが長州勢率いる明治政府です。
すなわち、国内視点で見れば、明治維新とは大英帝国の傀儡を利用した、薩長土佐の下層民の下剋上革命であったといえます。
この事実が分かっていないと、歴史を正しく知ることが出来ません。 大英帝国・ロスチャイルドがバックの維新軍は、徳川幕府と戦い、明治維新は達成されたのです。
それでは、話を日露戦争に戻します。
日露戦争(1904~1905年=明治37~38年)では、戦争遂行のための日本の外債発行にロスチャイルド家が陰に陽に絡みました。
日露の戦いは宣戦布告のないままに小競り合いが続いていましたが、本格的な戦争になった場合の、日本の心配事は軍事費でした。
1億5000万円の外貨支払いが必要と見積もられるのに、国庫には5200万円分の正貨しかありませんでした。
円はまだまだ国際通貨としては認められておらず、戦時には受け取ってもらえないので、戦争遂行に支障が出ることは簡単に予想されます。
そのため、政府は日露の国交が断絶した1904年(明治37年)2月、戦時公債の発行で不足分1000万ぽんど(邦貨約1億円)をまかなおうと、高橋是清(日銀副総裁)を英米に派遣しました。
ニューヨークの金融業界はけんもほろろの態度だったので、高橋はすぐイギリスに渡り、ロスチャイルド父子銀行(NM Rothschild&sons)などと話し合いをもちます。
シティの金融業者も日本に同情を示しながらも起債にはなかなか応じようとはしませんでした。
それでも旅順口港での海戦の勝利と、敵太平洋艦隊司令官の戦死で日本が制海権を握ったとの見方が生まれたことから、一ケ月がかりで500万ポンドの調達のメドをつけることができました。
しかしあと半分の500万ポンドをどうするか。 困惑している高橋の下に。ニューヨークでクーン・ローブ商会を経営するユダヤ人資本家ジェイコブ・シフ(ロスチャイルド家と親戚)が、残り500万ポンドを用立てしようと言って現れました。
鉄道株の投機などで財を成したシフは、そのころアメリカ・ユダヤ人協会会長の地位にあり、ロシアで続くユダヤ人迫害に胸を痛めていました。
高橋がロンドンに着いた直後、シフは商用でドイツのフランクフルトにいて、ロンドンのロスチャイルド卿(ナサニエル)宛てに手紙(1904年4月5日付)を送っています。
そこでユダヤの同胞を弾圧するロシアの起債を拒否して、ロシア皇帝に打撃を与えようと呼びかけるとともに、日露戦争がツアー体制打倒のきっかけになることを期待するなどと書いて、気持ちを伝えました。
ロシアの戦費調達を妨害しようとするシフのアイデアは、ロシアに友好的なフランスの金融業者が8億フラン(約3億2000万円)の公債を引きうけたために実現しませんでした。
しかし、シフは帰国の途中に立ち寄ったシティで、時のイギリス国王エドワード7世の財政顧問アーネスト・カッセルから日本の戦費調達が難航していることを聞き、さっそく高橋と会って日本への協力を申し入れました。
高橋と会った時、シフは「ニコライ二世のロシアほどの残虐行為のできる体制は、人類のため、ロシア国民のため、いや全世界のために根本より変えられ・・・罰を受けねばなりません」とまで語ったと言います。
シフはロスチャイルド家と同じフランクフルトのユダヤ人街(ゲットー)の出身で、同家とは予てから懇意でした。 ロシアを含むヨーロッパ全域で金融業を展開するロスチャイルド家は、正面切って反ロシア的な行動をとることは出来ないけれども、
ロシアのユダヤ人弾圧には激しい怒りを燃やしており、シフの日本支援に同家の意向が強く働いていたことは間違いありません。
シフの日本の窮状を教えたというアーネスト・カッセルもまたユダヤ人金融業者でロスチャイルド家とは以心伝心でした。
日露戦争に先立つこと二年、ロスチャイルド卿は日英同盟が調印(1902年1月)された直後に、ロンドンを訪問した魔t方正義を私邸に招待し、イギリス銀行協会主催の晩餐会にも招いて歓待しています。
その頃はまだシティにおけるロスチャイルド家の力は絶大であり、有事の際、同家とその影響下にある金融機関が日本を支援することは、松方訪英のときから既に決まっていたことかもしれません。
こうして、1904年5月7日、日本の公債1000万ポンド(6分利付、償還7年、担保は関税)をイギリスとアメリカで500万ポンドずつ発行する調印式が行われました。
ロスチャイルド父子銀行は発行銀行にはなりませんでしたが、下請けに入りました。
日本政府はこの成功に狂喜して、長期化が予想される戦争遂行のために追加の起債を行い、1905年(明治38年)8月までに計4回にわたってポンド建て外債を発行しました。
調達総額は戦費のほぼ70%に相当する8200万ポンド(約8億2000万円)に達し、そのお金で武器弾薬、戦艦を購入して日本はロシアとの戦争を戦い抜きました。
これらの塚の起債でもシフが重要な役割を演じ、第三回、四回目の起債にはロンドンとパリのロスチャイルド家が発行団に名を連ねました。
この功績に報いるため、日本政府は1906年春、シフを日本に招待し、明治天皇が午餐会を催してわざわざシフを謁見しました。
来日したシフ夫妻を先頭に立って案内したのは、大役を果たして後に日銀総裁から蔵相にまでなる高橋是清でした。
もちろんシフは計算高い金融業者であって、ロシア憎しの一念だけから日本の戦時公債を引き受けたわけではありません。
当時の公債の金利は年2~3%を低迷しており、それに比べれば償還は短く(第一回分は3年据え置きで7年)、関税担保の利息6%の日本公債は商売上、うまみがありました。
それでもシフは貸し倒れを心配していたようで、仕事を委託したベアリング兄弟商会ノレベルストック卿に、その場合の事を相談しています。
不安げなシフにレベルストック卿が「その時はウォーシップ(戦艦)だ」と返答するとようやく納得したといわれています。
もし日本が203高地戦と、日本海海戦に負けていたら、ロシア軍どころかイギリスとアメリカの戦艦が、借金の取り立てに日本に来航しかねない危うさを秘めていたのです。
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