この通信速度が理由で、採用に二の足を踏む事業者もあるだろう。「商用だと2.5Gbpsは遅い。10Gbps以上は必要というのが業界の共通認識」(NECの伊東氏)。

つまり、ユーザー側の事業者は端末の互換性か、「高速のネットワークをすぐに組める」ことを重視するかで、選択を迫れられることになりそうだ。

 

もちろん、SpaceXの端末を使った場合、「Starlinkの仲間入りができるが、うがった見方をすればSpaceXの軍門に下る(コントロール下に入る)」(業界関係者)ことへの考慮も必要になる。

民間による光衛星通信中継サービスなどの実現を目指しているワープスペースは2023年4月、SDA規格に準拠したMynaricの端末「CONDOR Mk3」の採用を発表している。

 

同社の森氏は「今の段階で言えるのは、(スタートアップの方針として)もしSpaceXの端末に有用性があるならば採用する可能性もあるということ。

一般論としてどちらを採用するかは、事業者の用途と戦略などで決まってくる」と話す。SpaceXが放った衝撃の一矢は、多くの宇宙事業関係者を悩ませているのである。