日銀が12日、為替介入の準備のために市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェック」を対ユーロで実施したことが関係者の話で分かった。
具体的な為替取引の水準を照会することで、円買い為替介入に備える動きとされる。
円は11日には1ユーロ=175円台半ばと、1999年に単一通貨ユーロが成立してから最も円安・ユーロ高の水準を付けていた。
足元では対ドルだけでなく幅広い通貨に対して円安が進んでいた。対ユーロでも為替介入を辞さない姿勢を示すことで、ドル以外の通貨に対しても投機的な円売りを防ぐ狙いがあるとみられる。
財務省によると、データを公表している1991年以降で円買い介入を実施したのは対ドルに限られている。対ユーロで円買い介入に踏み切れば、ドル以外の通貨に対して初めてとなる。
11日のニューヨーク外国為替市場では円が幅広い通貨に対して急上昇した。
日本時間午後9時30分に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ると、幅広い通貨に対してドル安が進行。
その後も断続的に大規模な円買いが入り、円相場が急上昇した。
CPI発表直前の1ドル=161円台半ばから一時は157円40銭前後まで4円超も上昇しており、市場では政府・日銀が為替介入に動いたとの見方が浮上していた。
日銀は22年9月14日にも対ドルでレートチェックを実施した。その後、政府・日銀は約1週間後の同月22日に24年ぶりの円買い・ドル売り介入に踏み切った経緯がある。
当時は一時145円90銭台を付けていた円相場が円買い介入で急騰し、140円台前半まで円高が進んだ。