ボルソナロ前大統領はトランプ氏から就任式に招待された=ロイター
【サンパウロ=水口二季】
ブラジル最高裁判所は16日、トランプ次期米大統領の就任式に出席するためパスポートの返却を求めていたボルソナロ前大統領の要求を却下した。現職のルラ大統領は就任式に招待されていない。
ボルソナロ氏は8日、トランプ氏から就任式への招待状を受け取ったと明らかにしていた。同氏は「熱帯のトランプ」とも呼ばれ、現職時代にトランプ氏と良好な関係を築いた。
連邦警察は2024年、22年の大統領選挙の結果を覆そうとするクーデターに関与した疑いでボルソナロ氏を立件している。
国外逃亡の恐れがあるとして、24年2月に同氏のパスポートを没収した。30年まで公職に就くことも禁止されている。
ボルソナロ氏は容疑を否認しており、トランプ氏の就任式に出席するため改めてパスポートの返却を求めていた。
トランプ氏の就任式にはミシェリ・ボルソナロ夫人が参加するとした。
最高裁判事アレシャンドレ・モラエス氏は16日の決定文で、ボルソナロ氏の過去の発言などから、ブラジルでの刑事責任の可能性を回避するため政治亡命の恐れがあるとした。
中南米ではトランプ氏に近いアルゼンチンのミレイ大統領のほか、エルサルバドルのブケレ大統領やエクアドルのノボア大統領などが就任式への参加を予定している。
日経記事2025.1.17より引用