バイデン氏はトランプ次期政権との「緊密調整を指示していた」と明かした=ロイター
【ワシントン=坂口幸裕】
バイデン米大統領は15日、パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意について「2024年5月に私が提案した合意の枠組みそのものだ」と誇示した。
トランプ次期政権との「緊密調整を指示していた」と明かした。
合意を受けてホワイトハウスで演説したバイデン氏は「とても良い午後だ。
ついに停戦を発表できる」と安堵した様子で切り出した。自ら主導した停戦案の公表から7カ月あまりがたち、20日の退任まで残り5日に迫るタイミングだった。
演説後に記者団からトランプ次期米大統領の返り咲きが合意実現に与えた影響を問われ「この合意が次の政権に実施される必要があるとわかっていた。
次期政権と緊密に調整し(新旧政権が)足並みをそろえて主張していると確認するよう担当チームに指示した」と表明した。
バイデン氏が示した停戦案は
①ガザの人口密集地からのイスラエル軍撤退を含む6週間の停戦
②すべての人質解放とイスラエル軍の全面撤退
③ガザの復興計画への移行――の行程を想定してきた。
15日の演説では第1段階の6週間で「完全な停戦でイスラエル軍がガザのすべての居住地域から撤退し、ハマスが拘束している女性や高齢者、負傷者といった多数の人質を解放する」と説明した。
人質には米国人も含み、見返りとしてイスラエルが拘束するパレスチナの囚人を引き渡すと明かした。
第2段階に移行するまでに「戦争の恒久的な終結に必要な準備へ交渉する」と述べた。
6週間以上かかる場合、交渉が続く限り停戦を継続すると確認したと明言した。第2段階では男性兵士を含む残る人質全員が解放され、イスラエル軍のガザ撤退で恒久停戦につなげると主張した。
第3段階では殺害された人質の遺体を家族に返還し、壊滅的な打撃を受けたガザの再建計画を始動させると表明した。
バイデン氏は「合意に至る道のりが決して容易でなかった」と回顧。「イスラエルが米国の支援を受けてハマスに圧力をかけ、ここに到達できた」と話した。
長引く戦闘で「かつてハマスを保護し、支えていたテロ組織が弱体化した。イランはここ数十年で最も弱くなっている」との認識を示した。
「パレスチナの人々は地獄を経験した。あまりに多くの罪のない人が命を落とし、地域社会が破壊された。この合意でガザを再建できる」と唱えた。
トランプ次期政権
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