ユダヤ、ロスチャイルド、フリーメーソン、イルミナティに関する本を読んでいると、サバタイ派・フランキストという言葉がよく出てきます。
何か怪しさ満点の陰謀論のように聞こえますが、実在した人物の、サバタイ・ツヴィ(トルコ出身)とヤコブ・フランク(ポーランド出身)という実在した人物の名前からきています。
この手の本を読んでも、知らないと分けわからないので、簡単に説明しておきます。どちらもユダヤの歴史の中で重要人物です。
サバタイ・ツヴィ
サバタイ・ツヴィ(1626-1676)はトルコ出身のユダヤ人で、自分の事を「メシア(救世主)だ」と言っていた怪しげな男です。 激しい躁うつ病で、初めは誰からも相手にされなかったのですが、後にユダヤの歴史に重要な位置を占める人物となります。
ナタンという有名なカバラ学者と出会い、このナタンがサバタイを「メシアだ」と宣言しました。 これまた怪しさ満点です。
信用あるナタンの宣言により、人々はサバタイをメシアとして受け入れます。 しかし、その後、サバタイの影響力に危機感を持ったスルタン(皇帝)が、サバタイに「イスラム教に改宗するか、死か」という選択を迫ります。
するとサバタイは、あっさりとイスラム教に改宗してしまい、人々はがっかりしました。
がっかりした人々に対してナタンは、「サバタイは、イスラム教内部に入り込み、内部から敵を崩壊させる戦略なのだ」と説明します。
この「イスラム教やキリスト教内部に、彼らの味方のふりして入り込み内部から腐らせ、無力化させて最終的には崩壊に至らせる」という戦法は、当時イスラム教やキリスト教に屈辱的に改宗させられたマラーノ(隠れユダヤ教徒)たちに希望と言訳を与えてくれました。
その後、サバタイ・ツヴィを支持するサバタイ派は、マラーノを中心に多くの熱狂的信者を獲得し、ユダヤ人の間に大ムーブメントを起こしました。
ヤコブ・フランク
ヤコブ・フランク(1726ー1791)は当時ポーランド領、現在のウクライナのポジーリャ地方に生まれたポーランド系ユダヤ人です。 父親はサバタイ派でした。
17世紀末の東ポーランド(現ウクライナ)、特にポジーリャ(現ウクライナの西中央部)とガリツイア(ウクライナ南西部と18世紀からはポーランド最南部を含む地域)にはドンメと呼ばれるサバタイ派のユダヤ人秘密結社が多く存在していました。
実はウクライナやポーランドにはユダヤ人が多くいて、ナチス・ドイツに迫害されたアウシュビッツ収容所はドイツにあると思い込んでいる日本人を見かけますがポーランドにあります。
少し、歴史を詳しく話しておきます。
引用(http://www1.s-cat.ne.jp/0123/Jew_ronkou/Jew_hakugai/rosia_yudayajin.html)
黒海の北側一帯では紀元前8、7世紀にギリシャ人の植民都市が建設され、次いでスキタイやサルマートなどの騎馬民族国家が興亡し、紀元後2世紀には東ゴート族が侵入し、紀元後4世紀後半にはフン族が東から西へ通過していくなど、諸民族が入り乱れ、興亡を繰り返していた 。 5世紀前後に東スラブ族が黒海北岸地域に住み着いた。 6世紀頃、ヴォルガ川の下流域を中心に「ハザール王国」(カザール王国)が勃興し、北方森林地帯のスラブ諸族を支配した。 ハザール王国は9世紀初頭に世界史上類を見ない「改宗ユダヤ教国家」となり、国民の大部分がユダヤ教徒になった。 9世紀後半にはキエフを中心に現在のロシアのルーツとされる「キエフ大公国」が成立した。 その担い手は東スラブ人であり、彼らは自分たちをルーシ(ルス人)と呼んでいた。「ロシア」の名はこれに由来している。 キエフ大公国はハザール王国の衰退に乗じて、この地域の覇権を握り、西のカルパチア山脈から東のヴォルガ川、南の黒海から北の白海にかけて勢力を誇った。 なお、12世紀に作成されたキエフ大公国の『原初年代記』によれば、西暦986年にハザール王国のユダヤ教徒がキエフ大公国のウラジミール公(在位 980年~1015年)にユダヤ教への改宗を進言したとある。 しかし、ウラジミール公は西暦988年に先進的な文明国であった東ローマ帝国(ビザンチン帝国)からキリスト教を取り入れ、この地にキリスト教文化を広めた。 ハザール王国のユダヤ教徒は以後、ロシア人にユダヤ教への改宗を勧めた者としてキリスト教会側から敵意をもって見られるようになり、11世紀に入ると、ハザール王国はキエフ大公国と東ローマ帝国の連合軍に攻撃され、大きなダメージを受けた。 12世紀、キエフ大公国は内紛と周辺の遊牧民との争いによって力を弱め、13世紀になると、バトゥ・ハン率いるモンゴル軍によって滅ぼされ、代わって「キプチャク・ハン国」が成立した。 しかし、14世紀後半、モスクワ大公国が成立し、それに伴い、キプチャク・ハン国は消滅した。 そして、ウクライナ(キエフを中心として東西1000kmに及ぶ地域)は、13世紀後半から急速に領土を東と南へ拡張したリトアニア大公国の支配下に入り、西暦1569年にポーランド王国がリトアニア大公国を併合した為、ウクライナ北部・中部はポーランド王国の支配下に入った。 ウクライナ南部(黒海の北側沿岸地帯)はオスマン帝国の支配下にあった。 そして、この頃からウクライナ中央部に「コサック」と呼ばれる自治共同体が現れた。 しかし、コサックの自治共同体はポーランド王国やモスクワ大公国やオスマン帝国に挟まれ、余り長くは続かなかった。 ウクライナ東部(ドニエプル川の東側)は17世紀の中頃にロシア帝国領となった。 ウクライナ西部(ドニエプル川の西側)は依然としてポーランド王国領のままであった。 1772年の第一次ポーランド分割により、ガリチア地方(現ポーランド南部から現ウクライナ西部にかけての地域)はオーストリア帝国領となり、第二次・第三次ポーランド分割により、ポーランド王国の東側6割がロシア帝国領となり、ポーランド王国領であったウクライナ西部はロシア帝国領となった。
早い話が、東ローマ帝国のキリスト教勢力とオスマン帝国のイスラム教勢力に挟まれ、どちらにも属したくないハザール王国は国を挙げてユダヤ教国家となったので、ウクライナやポーランドあたりにはユダヤ人が多いのです。
話をヤコブ・フランクに戻します。 これまた怪しい男で、サバタイ同様「自称メシア」でユダヤ教の救世主思想を、
「この世の悪や不幸を人為的に頂点にまで満たして、この世を破壊しつくしメシアを到来させる」という危険思想な思想に転換させた人物で、戦闘的救世主と呼ばれています。
ヤコブ・フランクとその信者であるフランキストたちは,正当派ユダヤ教から破門されましたが、フランキストたちは「改革派ユダヤ教(カバリスト・ユダヤ)」と名称を変え、ユダヤ教の中で一大勢力となっています。
そして、このフランキストがサバタイ派と結びつき、キリスト教徒・イスラム教徒・仏教徒たちの中に紛れ込み、危険な思想を実現しようとしているのです。
さらに注目すべきことは、世界の金融を支配するロスチャイルドが、タルムードを信奉していて、しかもサバタイ派・フランキストに属しています。
サバタイ派・フランキシストは、多くの宗教に見られるように、原理主義の過激派のようなものであり、けっしてユダヤ人全体から支持されているわけではありません。
(関連情報)
・サバタイ派・フランキストとは何か
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/83dc7a8b2d527a7eb8b1ee3b0e5c4ebf
・ハザール王国
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0174267f87508fe1933ac4dc3fe5e0cf
・ユダヤ教の聖典とタルムード
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f475a6216f55bce31732d2c378158bf6
・明治以降、日本語訳の旧約聖書に書かれなかった一節https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/02df639b5ab25372db80ce9dca89b4af
・ロスチャイルド財閥-92 団結の絆 タルムード ~プロトコールは本物~
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b279a199d9c6444cd8667256b93ebba2
・ロスチャイルド財閥ー91 プロトコール 「シオン長老の議定書」
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/4fb7833b087ab8882497419caa331c74
・ロスチャイルド財閥ー85 ヴェネチアの黒い貴族: 人類史絶対勝者のルーツ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ee17d9c2af99e8fb646a1c44d6e8e129
・【世界権力シリーズ】 ベネチアの黒い貴族 デル・バンコ一族
https://www.youtube.com/watch?v=KI38_9MqJvo
・ロスチャイルド財閥-170 ゴールドマン・サックス(ロスチャイルド系) vs モルガン・スタンレー(ロックフェラー系)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/943febf0a3cf5585d1a3a0dae4ac09ca
・ユダヤ教(実は軍事同盟)とグローバリズム、そして軍需産業https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/703f7d4234db701908bfd7cbaa536e30
・ノアの呪いと黒人差別
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5717d0661572032c599ef59efd580a2e
・イスラム教もユダヤ教も教義は、自分たちが世界征服するワンワールド化が目標
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/c3d70d0413c2f79c9e782733e2ddc704
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