ロシア首都モスクワ市内の爆発現場
(CNN)
ロシア連邦捜査委員会によると、ロシア軍の放射線・化学・生物学防護部隊を率いていたイーゴリ・キリロフ中将が17日、首都モスクワ市内で起きた爆発により死亡した。
現場は大統領府の南東約7キロに位置するアパートの前。電動キックボードに仕掛けられていた爆弾が、遠隔操作で爆発したという。
同委員会は、キリロフ氏の補佐官も死亡したと発表。「テロ行為」と非難し、現場で捜査と捜索活動が続いていると述べた。
キリロフ氏はウクライナに対する化学兵器の使用を指示したとされ、ウクライナ検察が容疑者不在のまま起訴していた。
ウクライナ保安局(SBU)によると、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、キリロフ氏が命じた催涙手榴弾(しゅりゅうだん)などの化学兵器による攻撃は4800件あまり報告されている。
イーゴリ・キリロフ中将=2023年2月、ロシア首都モスクワ
催涙ガスのような暴動鎮圧用の化学物質を戦場で使うことは、国際条約で禁止されている。
キリロフ氏は10月に英国からも、ウクライナに化学兵器を使った責任者として制裁を受けていた。英外務省は、同氏がロシア当局の代弁者として偽情報を拡散したとも非難していた。
事情に詳しい関係者はCNNに、SBUが仕掛けた暗殺だと語り、キリロフ氏のような戦争犯罪者はいたって正当な標的だと主張した。
SNS「テレグラム」に投稿された動画では、建物の玄関が破壊されて破片が散乱し、その前を救急隊員が歩いている。雪の上に2人の遺体が横たわっていた。
ロシア国営タス通信は爆弾の威力について、TNT火薬換算で約300キロ分と伝えた。
CNN記事2024.12.17より引用