シーメンスはデジタル産業事業を強化する=AP
【フランクフルト=林英樹】
機器・システム世界大手のドイツ・シーメンスは30日、米ソフトウエア大手のアルテア・エンジニアリングを100億ドル(約1兆5300億円)で買収すると発表した。
アルテアが強みを持つシミュレーション解析技術を取り込み、工場の自動化・効率化などデジタル産業事業を強化する狙いがある。
アルテアは1985年創業。自動車やエネルギー、半導体企業向けにEDA(電子設計自動化)技術やシミュレーション解析技術を一体管理するソフト、人工知能(AI)サービスなどを提供する。2023年12月期の売上高はその前の期比7%増の6億1000万ドルだった。
シーメンスとアルテアの買収契約によると、アルテアの株主は1株あたり113ドルを受け取ることになる。21日終値の株価水準に対しプレミアム(上乗せ幅)は19%に相当する。2025年中に買収を完了する。
シーメンスはエネルギーを手がけるシーメンス・エナジーの保有株を減らし、デジタル産業事業に注力する。
アルテアの買収で同事業の売上高を8%増やせると試算する。ローランド・ブッシュ社長は「リアルとデジタルを融合させる戦略的投資となる」とコメントした。