東京ディズニーシーで報道公開されたショー(8日、千葉県浦安市)
東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランド(OLC)は26日、2025年3月期の連結純利益が前期比微増の1205億円になる見通しだと発表した。
2期連続で過去最高となる。6月の東京ディズニーシーの新エリア開業やインバウンド(訪日外国人)の増加により客単価と入園者数が伸びる。24年3月期の年間配当は従来予想から2円増やし13円にする。
25年3月期の売上高は11%増の6847億円、営業利益は3%増の1700億円を見込む。主力のテーマパーク事業に加え、新ホテルを開業するホテル事業も増収となる。年間配当は14円と前期より1円増やす。
増収増益の要因は新エリアと訪日客の増加だ。「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ピーター・パン」の3作品をテーマにした新エリア「ファンタジースプリングス」の増収効果は通年で750億円を見込む。
開業当初は新エリアへの入場をアトラクションの優先入場券取得者や新ホテルの宿泊者などに制限する。
TDR全体の年間入園者数は前期比5%増の2900万人を予想する。前期の開業40周年イベントの反動減の影響が出るものの、TDR全体では新型コロナウイルス禍前の19年3月期比89%の水準に達する。
客単価も上昇する。OLCは前期より826円高い1万7470円と見込んでいる。19年3月期の約1.5倍となる。
新エリアでは4つのアトラクションのうち3つが有料の優先入場券「ディズニー・プレミアアクセス」の対象となる。アトラクション・ショー収入が前期比818円増え9047円になる。
同日発表した24年3月期決算は売上高が前の期比28%増の6184億円、純利益が49%増の1202億円でともに過去最高だった。入園者数は新型コロナの5類移行に伴う人流回復や開業40周年のイベント効果で、25%増の2751万人だった。
訪日客の入園者数は349万人と、全体に占める割合は12.7%で、ともに過去最高だった。
25年3月期はぞれぞれ約400万人、約14%と予想する。霜田朝之執行役員は記者会見で「円安の進行に伴い商品の原材料高騰は注視しているが、インバウンドの増加でポジティブに影響している」と話した。
OLCの大株主である京成電鉄に対しては、英投資ファンドのパリサー・キャピタルが24日、OLC株の一部売却を求める株主提案を提出した。
三井不動産も4月に入りOLC株の保有比率を減らしている。霜田氏は「大株主の株式放出が株価などに影響を与えると想定される場合には、(対策として)最善の手法を検討していく」と話した。
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日経記事2024.04.26より引用