ラフマニノフという作曲家は、その人気とは裏腹に、音楽学の世界において、長年詳しい研究がされてきませんでした。
私が論文を書いた当時は、日本語による参考文献はほぼ皆無といってもよい状態で、ロシア音楽研究の第一人者である音楽学者、一柳富美子(ひとつやなぎふみこ)先生の並々ならぬお力添えをいただき、ロシアの文献を集めることから始まりました。
一柳先生は武蔵野音楽大学では音楽学を教えていらっしゃらなかったので、今は亡き河村譲二先生のご理解、応援のもと、学外で個人指導という形で一柳富美子先生に論文のご指導をいただきました。
先日のブログで書いた内容についても、私が一柳先生の下で勉強させていただく中で研究したものであって、私の論文を読む以外には日本語ではどこにも出回っていないオリジナルのものです。
ラフマニノフの資料については、現在でも日本語で出回っている多くの資料に間違いがあります。
予想外の多くの反響をいただき、とても驚いてしまったのですが、この記事を読んでくださった皆様に感謝するとともに、ぜひこの機会に、ラフマニノフの音楽について新しい研究内容が広く知られるようになることを願っています。
今年の6月下旬に、一柳富美子先生の著作により、本国ロシアでのラフマニノフ最新研究なども盛り込んだ新刊『ラフマニノフ』が東洋書店より出版されます。
ぜひご一読ください。
参考文献:
『ムソルグスキー―「展覧会の絵」の真実』
一柳富美子著 東洋書店
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4885957273.html
また3月26日のロシア音楽研究会にて、「前奏曲Op.3-2(鐘)」の演奏と一柳先生による解説を聞くことができます。
こちらも合わせてご紹介させていただきます。
『第5回 ロシア音楽研究会 開催のお知らせ ~ラフマニノフの世界~』
第1部 ミニコンサート
ピアノ:入江一雄 (いりえかずお)
日本音楽コンクール2008年度ピアノ部門第1位、東京芸術大学ピアノ科修士1年
メゾ・ソプラノ:渡邉智美 (わたなべさとみ) 東京芸術大学声楽科修士2年
第2部 研究発表
その1:「ラフマニノフの初期作品について」
神竹喜重子 (かみたけきえこ) 一橋大学大学院言語社会研究科博士課程3年
その2:「21世紀のラフマニノフ~最新の評伝研究報告を中心に~」
一柳富美子 (ひとつやなぎふみこ) 音楽学者
日時:2010年3月26日(金)19:00~21:30 (開場18:30)
場所:大泉学園ゆめりあホール (外部リンク)
東京都練馬区東大泉1-29-1 TEL 03-5947-2351
●交通案内
【西武池袋線】 「大泉学園」駅北口より徒歩1分 ゆめりあ1の6階
定員:全席自由150名(事前申込優先)
参加費:会場費及び配布資料コピー代実費(1000円前後)
予約申込締切:3月24日(水)
予約お申込み・お問い合わせ:russian.music.study2008@gmail.com