Risa’s 音楽雑記

ピアニスト 山形リサのブログです。
音楽の話を中心に、日常の出来事などを気ままに綴っています。

アンダンテ~稲の旋律~@函館

2010-03-31 22:40:38 | Weblog
「アンダンテ~稲の旋律~」の函館での上映が決定しました♪
6月5、6日の二日間、七飯町文化センターでの上映となります。
北海道の農業の発祥の地である七飯町にて、北海道で最初の上映が行われることとなりました。
まだ詳細はわかっていませんが、代表の方のお話によりますと、引きこもりの方も社会参加を目的として運営に参加し、聴覚に障害のある方も映画の中の「音」を楽しめるように、ボディサインのための追加のスクリーンが用意されていて、たくさんの方に映画を楽しんでいただけるように準備が進んでいるようです。私も当日、会場に行かせていただく予定です。
ぜひ多くの方にお集まりいただけますように…。

大倉山にて

2010-03-22 20:48:30 | Weblog
本日はメゾソプラノ歌手、竹内知子さんと大倉山にて演奏をご一緒させていただきました。
8月の末に竹内さんのソロコンサートがあり、そちらはAllフランス物でのプログラムとなっております。竹内さんはフランス語をご専門としていて、ソロコンサートの際には、詩の朗読などを織り交ぜながら、フランス作品に誰でも親しめるような解説をして下さいます。
詳細は私のホームページをご覧下さいね。
さて、今日は、演奏中に腕がもげたらどうしようかな…なんて思うくらいに肩の付け根が焼け付くようだったのですが、人前に出た途端に痛みが全く無くなり、いつも通りの様相でした。家に帰ってからまた痛くなるのでしょうけど、人体って本当に不思議です(゜.゜)

効率と非効率

2010-03-21 16:59:42 | Weblog
先週、少し忙しくしていたら、ピアノの練習時間がOverとなって腰を痛めた。

ぎっくり腰やヘルニアと違って、同じ姿勢を取り続けていたために背中の筋肉が硬直、炎症を起こしているだけなのだが、腕は上がらず、足もひきずるようになってしまったので、自己対処を諦め、しぶしぶ病院へ。

しばらくピアノを弾かなければすぐに治るのだが、そういうわけにもいかないので、しばらくの間、筋肉をやわらかくする薬と、炎症止め、痛み止めなどの薬を飲みながら、練習をすることになる。
その間、こまめに病院に通って電気治療なんかもするわけだが、なんと非効率なことか・・・。

現代社会で生活する身としては、日夜‘効率’を求めて試行錯誤しているのだが、基本的には音楽に‘効率’を期待してはいけない。

そもそも音楽に限らず、芸術というものは‘効率’‘非効率’といった価値基準とは無縁の世界に存在する。

それらは満たされた状態、もしくは苦悩の極限から生まれるのが常であり、‘苦悩’したいだけ苦悩できる環境にあるかどうかも重要なポイントである。

かくいう私も、過去に‘効率’を求めて、分刻みでスケジュール化した過酷な生活(睡眠時間は3時間ほどの設定)を送っていた時期がある。

「頑張る」事が一番立派であると教育されてきた世代の人間なので、最初の一年はそれはそれは充実感があったものだ。

しかし、そういう生活も2年目に入ると、思わぬ事故、怪我、病気などで、思うようにまわらなくなってくる。

心も体もすっかり廃れてしまってから、

「おや?」

と気がついたが、「時すでに遅し」で、時間をかけて壊してしまった健康を取り戻すまでに、その倍の時間がかかってしまった。

‘効率の良い人生’を考えると、ずいぶん無駄な時間だったに違いないが、当の本人的にはそうでもない。

私のように経験から学習するタイプの人間にとっては、経験が自分のスタイルを築く大事な要素となっている。

映画「アンダンテ~稲の旋律~」の原作である旭爪あかねさんの小説「稲の旋律」の中で、

「効率だけがすべてじゃない」

という言葉が頻繁に出てくるのだが、私はこの意見に大いに賛成である。

非効率から生まれるものの中にも、社会に必要とされるものが確かにある。

非効率であることは決して悪事ではない。

時々、日本経済、日本社会において、自分の存在価値はあるのか…と真剣に考える事があるが、社会というのは多種多様に構成されているわけで、そういった意味では私も十分に社会の一員と言えるのだろう。
スマートではないかもしれないが、回り道の生き方もそれなりに面白い。

本番の波

2010-03-15 16:17:03 | Weblog
日々の練習では、体調や集中力、仕事、生活の予定などにより何かしらの波があるものです。

ですが「本番」となると、何週間も、何ヶ月も生活の全てを調整して、その日に向け努力を続けて本番に臨みます。

毎回、本番の日を波の頂点に合わせたいと誰もが願っているはずですが、そうやってでも本番には波ができる・・・のが不思議なところ。

昨日は声楽家・平良栄一先生のレッスンに伴奏でお邪魔してきました。

毎回、いろいろ教えていただく事が多いのですが、世界的に有名なテノール歌手である先生も「本番の波」について当然のようにお話をされていました。

声楽の方はご自身の体が‘楽器’となるわけですが、目に見えない体内の筋肉を鍛えるという特殊な訓練を積んだアスリートでもあります。

ほんのちょっとしたことで、

「今日の声帯の振動は遅い」

とか、

「粘膜が乾いている」

とか、自身の目に見えない体内の変化を感じ、これまた目に見えない筋肉を、上下左右に引っ張ったり、緩めたり・・・という事をして、その日の最高のパフォーマンスをされるのです。

同じ音楽家と言っても、専攻が違えば丸きり別世界なので、そういう本当に狭い特殊な訓練をされている様子を見ると、鳥肌が立つ思いになります。

どんなに上手な方でも、必ず不安定な部分というのがあるのですが、よく出てくる例が

「あの浅田真央さんでもトリプルアクセルで転ぶんだから・・・」

というもの。

昨日もこのセリフが出てきてたのですが、今年に入って何回目かな?というくらい、声楽家の方からよく聞きます(笑)

素敵だわ~と聴き惚れているような箇所の裏側では、

「のるか、そるか!」

という、ギリギリの駆け引きがあるんだそうです。

そこで‘安全’を狙っていくと、良い発声ではなかったり、違ったものになってしまうので、ジャストで成功した時の声を求めて「のるか、そるか!」で逃げてはいけないというお話がありました。

もちろん反ってしまった時には、声がひっくりかえってしまうので、大変な勝負ではありますが、その厳しい所を訓練、練習していくのだそうです。

ただそこにあるだけで素晴らしいものもありますが、人間が何かを表現しようとするときには、とうてい真似のできない裏側があり、だからこそ人は、そういうモノに対してこんなにも感動するのでしょうね。


研修員

2010-03-11 22:40:13 | Weblog
今日は卒業以来すっかりご無沙汰している母校のMH(モーツアルトホール)で演奏をしてきました。

2年前から研修員という制度ができたそうで、試験に合格すると、弦楽器や声楽(男声のみ)、ピアノ伴奏の演奏補助員という立場になるのだそうです。

今日はその試験の伴奏で学校へ行く事になったのですが、独特のいや~な緊張も懐かしく、さすがは音大のホールという音響の良さにも興奮で、年齢制限が無ければ私も参加してみたかったなぁ・・・と(笑)

学年は離れているのですが、同じくロシアつながりで仲よくしてもらっているヴァイオリニストさんとの演奏だったので、なかなか濃い仕上がりの演奏となり、それもすごく楽しかったです。

彼女とはトリオやカルテットでご一緒することが多く、デュオは初めてだったのでした。

好みが似ているので、ソナタをやったら面白いね・・・ということになり、今後の展開が楽しみです。

引越しが無事に済んでからの話ですが、素敵なトリオでの演奏会の話も進行中♪

皆様お楽しみに!

大連から

2010-03-10 19:07:45 | Weblog
とある国際コンクールの伴奏をすることになり、月曜日の夕方にファクスで楽譜が届きました。マニアックな選曲で、初めて弾く曲なのですが、水曜日の本番一本勝負とのことで、昨日は楽譜を買いに行くところから始まり、一日猛練習でした。私が担当するのは中国の大連からいらしたお二人。初めて日本にいらしたということで、当然、日本語は通じません。なんとな~くの日本語+中国語+英語+ジェスチャーで、意外に不自由することもなく楽しく過ごせちゃいました。
いつにない緊張(?)の本番でしたが、外国の音楽家のお友達ができてよかったです!
みんな音楽に一生懸命。同じです。
またどこかでご一緒できるといいな(*^_^*)

Dynabook QosmioV65

2010-03-06 23:15:27 | Weblog
新しいノートPCを買いました。

DynabookのQosmioV65です。

今のPCは液晶画面の左上辺3分の1しか使用できなくなっていたので、来週からは快適なPCライフになること間違いなし♪

論文の再開を決意したので、ディスクドライブも使用不可(過去に浸水したため)になっているPCではさすがに…ということで、即決してきました。

Windows7に音楽関係のソフトを対応させなければいけないそうで、準備にはちょっと時間がかかりそうです。

そういえばまだ地デジ対応のテレビも買っていません。

久しぶりに家電を見てみたら、我が家の電化製品はすっかり昭和の様相でした(汗)

ラフマニノフ

2010-03-01 23:21:45 | Weblog
ラフマニノフという作曲家は、その人気とは裏腹に、音楽学の世界において、長年詳しい研究がされてきませんでした。

私が論文を書いた当時は、日本語による参考文献はほぼ皆無といってもよい状態で、ロシア音楽研究の第一人者である音楽学者、一柳富美子(ひとつやなぎふみこ)先生の並々ならぬお力添えをいただき、ロシアの文献を集めることから始まりました。

一柳先生は武蔵野音楽大学では音楽学を教えていらっしゃらなかったので、今は亡き河村譲二先生のご理解、応援のもと、学外で個人指導という形で一柳富美子先生に論文のご指導をいただきました。

先日のブログで書いた内容についても、私が一柳先生の下で勉強させていただく中で研究したものであって、私の論文を読む以外には日本語ではどこにも出回っていないオリジナルのものです。

ラフマニノフの資料については、現在でも日本語で出回っている多くの資料に間違いがあります。

予想外の多くの反響をいただき、とても驚いてしまったのですが、この記事を読んでくださった皆様に感謝するとともに、ぜひこの機会に、ラフマニノフの音楽について新しい研究内容が広く知られるようになることを願っています。

今年の6月下旬に、一柳富美子先生の著作により、本国ロシアでのラフマニノフ最新研究なども盛り込んだ新刊『ラフマニノフ』が東洋書店より出版されます。

ぜひご一読ください。

参考文献:
『ムソルグスキー―「展覧会の絵」の真実』
 一柳富美子著 東洋書店
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4885957273.html

また3月26日のロシア音楽研究会にて、「前奏曲Op.3-2(鐘)」の演奏と一柳先生による解説を聞くことができます。

こちらも合わせてご紹介させていただきます。
 

『第5回 ロシア音楽研究会 開催のお知らせ ~ラフマニノフの世界~』


第1部 ミニコンサート
   ピアノ:入江一雄 (いりえかずお) 
     日本音楽コンクール2008年度ピアノ部門第1位、東京芸術大学ピアノ科修士1年
   メゾ・ソプラノ:渡邉智美 (わたなべさとみ) 東京芸術大学声楽科修士2年

第2部 研究発表
  その1:「ラフマニノフの初期作品について」
    神竹喜重子 (かみたけきえこ) 一橋大学大学院言語社会研究科博士課程3年

  その2:「21世紀のラフマニノフ~最新の評伝研究報告を中心に~」
    一柳富美子 (ひとつやなぎふみこ) 音楽学者


日時:2010年3月26日(金)19:00~21:30 (開場18:30)

場所:大泉学園ゆめりあホール (外部リンク)
 東京都練馬区東大泉1-29-1  TEL 03-5947-2351


●交通案内
【西武池袋線】 「大泉学園」駅北口より徒歩1分 ゆめりあ1の6階

定員:全席自由150名(事前申込優先)

参加費:会場費及び配布資料コピー代実費(1000円前後)

予約申込締切:3月24日(水)

予約お申込み・お問い合わせ:russian.music.study2008@gmail.com