↑ピエールドゥロンサールとブランピエールドゥロンサール
先日、何かのテレビ番組でチャーリー・シーンのダメ男っぷりが紹介されていました。
喧嘩の勢いで女性に発砲した・・・というくだりが耳に入り、おや?とテレビを見る気になったのですが、脳裏をよぎったのは、19世紀フランスの偉大な詩人ヴェルレーヌとランボーのお二人。
どちらもホントの天才というお二人ですが、そのとんでもなくすごい私生活ぶりには、なかなかに考えさせられるのであります。
天才詩人同士の恋・・・・というと聞こえはいいですが、実際には10代の美少年ランボーと妻子持ちのヴェルレーヌ(30歳近く)のカップル。
現代日本でしたら、この時点で犯罪ですね、はい(*_*)
まるで天使のようなお顔のランボー君ですが、その素行といったら思いっきり非行少年であります。
(とてもブログには書けない、あんな、こんなが満載!!)
ヴェルレーヌは彼の才能に恋をしたと語っているそうですが、はたしていかに・・・・・。
ヴェルレーヌは当時「オランウータン」とあだ名がつくくらいのブ男だったそうで(私はそこまでとは思いませんが)、まさに美少年と野獣といったカップルだったのですが、二人揃えば「いちゃいちゃラブラブ」と「取っ組み合いのケンカ」を繰り返すようなバイオレンスカップルで、意外にも喧嘩の時にはランボー君がS役だったそうです。
そうはいっても、ヴェルレーヌはヴェルレーヌで、ひとたび家に帰ると、妻(美人)と喧嘩して自分の赤ちゃんを壁に叩きつけるようなそんなとんでもないDV夫だったりします。
後悔から熱心なキリスト教信者になるような純粋な一面もあって、なんといいますか、天才がゆえに、感性が繊細すぎて、われわれ一般人の常識の枠には当てはまらないのですな。
その心の感度は想像できないですけど、きっといろいろ大変だと思います。
本人も周囲も。
喧嘩の勢いでランボーに発砲し、怪我をさせてしまったヴェルレーヌは牢屋に入るのですが(晩年にも母親の首を絞め、人生で二度も牢獄に入れられている懲りない彼)、その時に書いた詩もそれは美しくて、作品と日常のギャップには驚くばかりなのでありました。
さすがに「牢獄」と題名がついていても、‘彼氏に発砲して入った牢獄から見た外の風景’を読んだとは思わないです(汗)
ランボー君はちょっと手の届かない領域といいますか、なかなか共感しにくい天才タイプであるのに対して、ヴェルレーヌにはなんとなく理解できるところがあります。
自分と相反するものを求めたり、憧れたり、渇望したり・・・・・。
私の勝手な想像ですが、人間は自覚がなくても、行動の裏にそういった無意識の感情がくっついているのではないでしょうか。
もしかすると、人間は少しくらい劣等感があったほうがいいのかもしれません。
劣等感というと負の感情のような気がしますけど、それのおかげで成長や生産ができるのであれば、決して負のものではありませんから。