魔法が解けたそのあとで

結婚、出産、育児、介護、お仕事。来た球を打ち返す、毎日のつれづれをつづりました。

怒り

2007-10-06 15:41:36 | 結婚できるかな編
彼のご両親にご挨拶したあと、わたしは今まで感じたことのない幸せを感じていた。
本当に、幸せだった。
こんな日が、自分に来るなんて思っていなかった。
2時間前、わたしは世界一幸せだったのに。

彼の部屋にいくつか致命的な忘れ物をしてきたことに気づいた。

お化粧を落とすものがない。

それを買いにも行こうとも思った。

彼は寝ていた。

大体、男性は一度寝るとなかなか起きない。

少し肌寒かった。

大通りはタクシーしか走ってない。人影もほとんどない。

怒りが、心を占めていた。

なんでそんな風に振り回されなくてはいけないのか。

母の感情で、なんでここまで振り回されないといけないのか。

30過ぎの娘に対して、なんでそこまで執着するのか。

母にたいして、憎しみを抱いた。
いつまでもいつまでも、自分から生まれたからって、自分のものだと思っている、人格なんてないと思っている。いつまでも自分の思う通りにしようと思っている母。
わたしが一人でずっと働いて、自分のそばにいればいいと思っている母。
実際、わたしは仕事が大変で、体を壊しかけている現在でも「転職しないとね」と平気で言うのだ。退職、ではなく、転職。
ずっとわたしが働いていけばいいと思っている。心の底では。
母は生い立ちが複雑な人なので、心が物事をまっすぐに受け取ることができない人だ。
しかし子供たちにたいする愛情はとても深く、それは深すぎて異常なところもある。
彼女の、子供を取られる、と思ってしまう心の抵抗なのだ。
でも、もうそれに振り回されたくない。

彼にも腹が立った。
そんなことで「やめるか」なんて言うなら、最初から言わないでほしい。
こっちは仕事も不動産もこちらにしっかりあるのだ。
打ち込んできた仕事も辞めて、住まいも変えて、もう戻るまいと思ってたところに、また帰る決心をしたのだ。

もう振り回されるのは、いやだ。

わたしの人生はわたしのものだ。

誰のものでもないのだ。わたしがしたいようにするのだ。

怒りにまかせて歩いていたら、結婚式場の前に来た。
新しい結婚式場。
ここで結婚式をした彼の同期は、若いお嫁さんともう離婚の危機だそうだ。

結婚式を挙げた時は、離婚するなんて思いもしないんだろう。
結婚ってなんだろう。
結婚したいのかな、わたしは。
彼と、一緒にいたいのかな。

逆の道を行くと、わたしと彼が同じ職場だった会社がある。
見に行こうかな、最後にと思った。

でも。
それは最後にしよう、と思った。
決断するのはいつでも出来る。決めたら最後だ。その時にしよう。
そう感じた。


コンビニに寄って、ホテルへ戻った。


わたしは、わたしが、したいようにするのだ。



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はだん?

2007-10-06 15:19:40 | 結婚できるかな編
無事、彼のご家族との顔合わせをすませた私。

しかしその日の最終で東京に戻ることになっていたのだが、もうぐったり疲れて、また彼と一緒にいたくて、帰れなかった。

そのことを報告しようと母に連絡したところ。

めっちゃ怒られました

母はすっごいお天気やな人なのですが、この間彼が父に「最終で帰しますので」と言っていたことを指して「約束を破った」と激怒。

そして彼の携帯に電話して「約束を破ったんですから、最初からこうじゃ信用できない」となじった。

彼は平謝りである。

そして父にも謝った。父は「別にもう仕方ないから、ホテルをとったら連絡してください」と彼に言ってくれた。

ホテルを取る。

うちの両親、とくに母親が、結婚前に関係を持つことに対して、異常に反対しているのです。

父はしようがないなー、それについては見て見ぬふりっていう感じなのですが。
母が異常に反応する。

だから彼の部屋には泊まれないわけです。

そのあと、リツコに代わってくれ、と母が言ったわけです。
何を言われるか心配した彼が、ハンズフリーで聞いていた。

そこで母がいつもの調子でわたしを罵倒したわけです。

自分の言うことを聞かないからだ、連絡が遅い、お前はだらしないから(←そんなことないのですよ~)気をつけないといけない、などなど・・・。

うちの母は、その場で思ったことを全部口に出さないと気が済まない人で、自分の夫・子供に対して何を言ってもいいと思っている人なのですね。
子供の頃から母が怒りに支配されてひどいことを言うのが常、しかも言ったら忘れてしまう、ということが繰り返されていました。
だから、ある時からもう母の言うことは聞かないようになったんです。
いちいち子供の頃は傷ついていたなあ。
就職活動している時に「お前なんてどこにも就職できるわけない」とか言うんですよ…

わたしは、またか…と思って途中から聞いてなかったんですが。

彼はそれを聞いて、本当に、ショックを受けてしまったんですね…

「自分の子に、あんなこと言うの…」
「いつもあんなこと言われてるの?」
「信じられない…」

まあたしかにびっくりしたでしょう。だって彼のお母さんはとても優しそうな、お嬢さん育ちなかんじの方でしたから。

「いつもああだから、気にしないで」と言ってみたものの…いつもって…フォローになってないじゃん…

とりあえずホテルに電話して、予約をした。そしてチェックインしてから、家に電話した。

父は「もういいから」と言ったが、また母がわたしに対してひどいことを言う。
「妊娠したりしたら絶対許さない」とまで言われた。

何が悪いことなんだろう?
わたしにはいつも分からなかった。
以前付き合っていた彼と部屋にいたとき、母に踏み込まれたことがあった。
彼に掴みかかって母は泣き崩れた。
異常だった。
何がいけないんだろうか?わたしはもう30過ぎているのだ。

そのあと彼が来て、あまりのショックに茫然としていた。

わたしは「うちの母はああいう人なの。結婚前に関係を持つことを異常に嫌っていて、姉の時も大変だったの。それに思ったことを口にしないと気が済まない人なの。だからこれからもああいうことがあると思う。」

彼は「いつもあんな感じなのか…リツコ、可哀想だったな」と言ってくれた。
でも「俺はいいけど、うちの親にされたら困るな」と、言った。

ああそうだ。
あの優しそうなご両親に、わたしの親がそんな親だなんて知られたら…悲しい。
そんな親に育てられたのだと思われたら。
そう思ったら本当に悲しくなってしまった。

「これからもこういうことがあって、嫌な思いをするよ。
やめるなら今のうちだよ」

そう言った。

彼はずっと悩んでいた。

「もっと普通の親御さんで、喜んでくれて、うるさいことを言わないお嬢さんがたくさんいるよ。」
悲しかったけど、そう言った。実際、彼には上司のお嬢さんなどたくさんの縁談があるのを聞いていた。

「…やめるか」

と、彼が、言った。

わたしは信じられない気持だった。
他の人もいるよ、と自分で言ったけど、また、わたしはこの人に捨てられるのか。

そのあと、少し話していたが、眠くなった彼は眠りに落ちてしまった。

わたしは一人で起きていた。

そして部屋を出た。

頭にきた。
親にも、彼にも。
母に振り回されるのも、彼に振り回されるのも、もうたくさんだと思った。

一緒の部屋に、いたくなかった。

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