魔法が解けたそのあとで

結婚、出産、育児、介護、お仕事。来た球を打ち返す、毎日のつれづれをつづりました。

「月の夜 星の朝35」〜大人になったりおと遼太郎&麻衣ちゃん

2022-03-04 22:46:00 | 本・映画・テレビのこと

このブログ、今もアクセス数が多い記事があります。

なんと2012年の日記。

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「月の夜 星の朝 35」 - 魔法が解けたそのあとで

このコミックの題名を聞いて「懐かしい・・・」と思われる方はきっと同世代月刊「りぼん」に連載されていた漫画。映画化もされた作品だ。4歳の時に叔...

「月の夜 星の朝 35」 - 魔法が解けたそのあとで

 

「月の夜 星の朝」は子どもの頃大好きだった漫画。

私は主人公カップルより、りおの親友の麻衣ちゃんが好きでした

りおはすごく良い子で可愛くて優等生で、出てくる男の子がみんなりおを好きになっちゃう、という設定で。麻衣ちゃんが密かに好きな先輩・森村くんもりおが好きで

でもりおは、遼太郎のことがずっと忘れられなくて、彼のことを思い続けているのでした。

組み合わせるとクロスの形になるペンダント、憧れませんでしたか?

りぼんの裏表紙に通販で販売していたのを欲しいな〜と思っていたのも良い思い出・・・

本田恵子先生の絵も、カラーがとても綺麗で、女の子は可愛いし男の子はカッコいいし、大好きでした

そのりおと遼太郎が35歳になった時のお話がコレ↓

子どもが寝た後で、今回改めて読んでみました。

 

雑誌連載当時、追っていたのでなんとなくあらすじは憶えているんですが、まず22歳で結婚したりおと遼太郎、りおがイタリアから日本に5年ぶりに帰国する飛行機の中から始まるのですが、なんと遼太郎から届いたのは署名済みの離婚届だった・・・

というところからお話が始まるのは驚愕!

35歳の彼らは、離婚から始まるのですよ。

私の中で、りおはバスケも勉強も頑張る女の子で、特待生に選ばれるほど優秀だったのですが、アメリカでプロバスケット選手になった遼太郎と一緒に渡米し、彼を支えるために医学部も中退したみたいです

そこで28歳で流産をしてしまい、傷を癒すために始めたカメラで認められ、イタリアに渡っていたのです。

離れ離れの5年は、小さな頃からお互いしかいなかったふたりの心を離してしまう年月で。

怪我をして引退した遼太郎は、高校教師となり、バスケット部の顧問になっていた。

りおは帰国し、カメラの仕事に邁進する。

それぞれに新しい出会いや再会があり、その中で35歳になった仲間たちも、仕事やパートナーのことで悩み、傷つき、それでも歩いていく・・・という物語が6巻まで描かれています。

私の中で、これを読んで「りおってこんなに遼太郎だけの子だったっけ?」と思いましたが、りおが段々自分ひとりで立っていく姿に、応援する気持ちで読んでいました。

旧作で出てきていた女優の叔母さん、その夫の遼太郎の叔父さん、りおの両親は全く登場せず、逆に麻衣ちゃんのご両親が出てきていて、その辺の違和感が残りました

遼太郎の両親はお母さんは渡米し病死され、お父さんは伊吹のお母さんと再婚しているため、それに合わせてりおの両親は割愛されたのかな?

あと、本田恵子先生がおまけページで言及されていたのが遼太郎が教師になっていることにたいして違和感があった、ということ。

それは私も同じで、遼太郎という人は元々私、あまり好きじゃなかった笑って今回思いました。優しくないし、りおが自分を好き、ということは不動と思っている、りおが当然アメリカについてくると思っているし、愛想も良くないし、あまり魅力的な男性とは思えない

さらに友人の元妻と関係を持ってしまうとか、おーい!!!!としか

でも、怪我でリタイアし、埼玉の穏やかな街の中で教師をやっている、というのは腑に落ちましたスポーツ選手というのは引退が早く、第二の人生を歩む時間の方が長い。だからそれからの人生をどう歩むか。教師、というのはなんか良いな、と思いました。

本田恵子先生は、20代で初めての連載が「月の夜星の朝」で、30歳から35歳の間に3人のお子さんを出産されていたそうです。5年間はお仕事もセーブしていて、それから徐々に仕事復帰して、40歳で二輪免許を取得したそうです

仕事に邁進してきた20代、結婚出産した30代。本田恵子先生も、私たちと同じだったんですね。しかも、自動二輪免許取得なんてすごい

りおの友達もそれぞれ結婚して死別した人もいれば、歳上の人との関係を切れない人もいる。

そして私の好きな麻衣ちゃんは、森村先輩と付き合って別れてを繰り返して20年。

森村先輩といえば、北海道の大学に進学して獣医の道を希望していたのだけど、麻衣ちゃんが一人娘のため、獣医を諦め、東京の商社に勤務。

麻衣ちゃんの「お互い初めての人も別の人だった」という言葉が、おお、紆余曲折の20年・・・と思わせてくれました。

りおと遼太郎みたいに、初恋同士がずっと思い合っていて結婚する、というのは稀であって、周りの友達からは「りおと良太郎だけは永遠」と思われている節があって。

「そうはいかないのよ」というのが、この物語。ビターだな、と思います。

「初恋の相手と結婚したふたりは、末長く幸せに暮らしました」Ever Aftar、ではない。

麻衣ちゃんと森村先輩は、25歳の時に麻衣ちゃんのご両親に挨拶に行ったけれど、ご両親に許してもらえなくてそれから10年、激務を続けてきた森村先輩はようやくお許しをもらい、二人は結婚まで漕ぎ着けるのですが。

あることで揉めて、麻衣ちゃんはひとりで出産するのです。

お腹の赤ちゃんを守るために、ストーカーに付き纏われている森村でさえも「切る」と告げる麻衣ちゃん。

スゴツヨ。麻衣ちゃん、母は強し。ちゃんと納得するまで、一緒に生きていくことを許さない麻衣ちゃん

まあこれも太い実家と稼げる仕事があるからなんでしょうねえ〜と思うのはひねくれた中年だからなのでしょう

森村先輩って、旧作では麻衣ちゃんのこと、本当に好きなのかな?と思ってたけど、強くなった麻衣ちゃんに、本当に惚れたようですね

ここに出てくる男性、九頭竜先生とか若手バスケットプレイヤーとか、なんか惹かれる男性がいない・・「潰す」って言ったりプロポーズしてきたり、訳わからない笑 そんなことを言う人を愛せるわけないじゃん、と思ったり。女性は小鹿さんや聖子ちゃん、それぞれ共感できるんですけどね

まあなんやかやで大団円に至るのですが、まあいろいろあるのが35だよね・・・

 

麻衣ちゃん編がこの続編としてあるのですが、まだ未読です。

太いご両親に頼りながらお仕事と家事育児をする麻衣ちゃん。

バツイチ・イケメン上司が絡んできそうな続編。この上司が一番マシだったかな・・・

ハッピー・エンドのその先、読むのは怖いかもしれませんが、気になる方はご一読ください。

遼太郎が昭和49年生まれとは、思わなかったなあ。歳上だと思ってましたよ、ずっと

りおと遼太郎夫婦も出てくるみたいなので、楽しみにとっておきます


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