この作品は漱石の「三四郎」と「門」のあいだにきて
三部作として有名な作品ですが、それぞれに共通する
登場人物がいるわけではありません。
時代的に「三四郎」の“それから”ということらしく、
まああの三四郎も『それから』の主人公代助のような
モラトリアムになる素質は備えているわけでして、つま
り“それから”の話、ということなのでしょう。
三十歳で父と兄に経済援助をしてもらいながら日がな
遊びほうけている代助のもとに、親友の平岡から手紙
が届きます。
なんでも神戸で仕事を辞めて、ふたたび東京に戻って
くるとのこと。
この平岡の妻三千代は、代助の大学時代の友人の妹で、
代助もこころ惹かれていたものの、平岡も同じ想いと
いうのを知り、自分は身を引いたという過去が。
そんなこんなで平岡と三千代が東京に来ることになり、
代助はそんな甲斐性も無いくせに、彼らの住まいや新し
い仕事先などを探し回ってあげるのです。
三千代への想いが再燃してしまったのか、いやそれとも
たんに平岡に対する友情のしるしなのか、生活に窮する
夫婦に金を工面したりもします。
しかしそうそう世の中うまく代助の都合の良いようには
まわらず、彼に見合いの話が舞い込んできます。よく聞
けばそれは父と兄の事業のためのいわば政略結婚のよう
なものだったのです。
とにかくこの代助という男は、自己弁護、屁理屈のオン
パレードで、かといって本人が何かするというわけでも
なく、何もしてない人が何かやってる人の文句を言った
り否定したり、というのは何も現代社会に出てきた弊害
ではなく、100年前にもいたんだなあ、と。
三部作として有名な作品ですが、それぞれに共通する
登場人物がいるわけではありません。
時代的に「三四郎」の“それから”ということらしく、
まああの三四郎も『それから』の主人公代助のような
モラトリアムになる素質は備えているわけでして、つま
り“それから”の話、ということなのでしょう。
三十歳で父と兄に経済援助をしてもらいながら日がな
遊びほうけている代助のもとに、親友の平岡から手紙
が届きます。
なんでも神戸で仕事を辞めて、ふたたび東京に戻って
くるとのこと。
この平岡の妻三千代は、代助の大学時代の友人の妹で、
代助もこころ惹かれていたものの、平岡も同じ想いと
いうのを知り、自分は身を引いたという過去が。
そんなこんなで平岡と三千代が東京に来ることになり、
代助はそんな甲斐性も無いくせに、彼らの住まいや新し
い仕事先などを探し回ってあげるのです。
三千代への想いが再燃してしまったのか、いやそれとも
たんに平岡に対する友情のしるしなのか、生活に窮する
夫婦に金を工面したりもします。
しかしそうそう世の中うまく代助の都合の良いようには
まわらず、彼に見合いの話が舞い込んできます。よく聞
けばそれは父と兄の事業のためのいわば政略結婚のよう
なものだったのです。
とにかくこの代助という男は、自己弁護、屁理屈のオン
パレードで、かといって本人が何かするというわけでも
なく、何もしてない人が何かやってる人の文句を言った
り否定したり、というのは何も現代社会に出てきた弊害
ではなく、100年前にもいたんだなあ、と。