晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

奥田英朗 『真夜中のマーチ』

2013-09-17 | 日本人作家 あ
先日、奥田英朗の「オリンピックの身代金」を読んで、ああやっぱりこの人の
書く本は面白いなあと再確認し、3日前に本屋に行って未読の作品を買ってき
ました。

で、一昨日に読み始めようと思ったのですが台風の雨風でゴーゴーうるさくて
まともに読めず。
昨夜は涼しかったので一気に読み終えました。

『真夜中のマーチ』はジャンル的にはクライムノベルということになりますが、
コメディ部分も満載で、ハラハラしたりニヤリとしたり、こういうの好きです。

高校時代からイベントやパーティーなどを主催して、大学生になっても勉強
そっちのけで金儲けと遊びに放け(大学は中退)、一等地にマンションを借りて
身につける服はブランド物のみ、ポルシェを乗り回す現在25歳、イベントプロ
デュース会社の社長をしている”自称”青年実業家の横山健司ことヨコケン。

「一流企業、国家公務員限定」の男性限定のお見合いパーティーで、ヨコケンは
いい”カモ”を見つけます。その男は、なんと三田グループの御曹司。
たしかに名刺には「三田物産 三田総一郎」とあります。

ヨコケンは三田総一郎に女をあてがい、それをネタにあとで大金を脅し取ろうと、
知り合いのヤクザ、國風会のフルテツに頼みに行きます。

後日、ヨコケンは三田に「この前のパーティーで(お持ち帰り)した女の子が
妊娠した」と嘘の電話をします。そして待ち合わせしたのですが、実は三田は
三田グループの御曹司でもなんでもなく、たまたま苗字が同じというだけだった
のです・・・

これにフルテツは激怒し、なんとヨコケンは愛車のポルシェを取り上げられて
しまいます。

数日後、フルテツはヨコケンに「青山の賃貸マンションを契約してこい」と命令。
ヨコケンは三田に不動産屋に行かせて契約させます。
それからしばらくすると、三田からヨコケンに電話が。三田の借りたマンションの
下の階から夜中にうるさいと苦情が入っているというのです。
あの部屋で何が行われてるというのか気になりヨコケンはマンションに行って、部屋
のドアの前で聞き耳を立ててみると、中からは、賭博の掛け声が・・・

フルテツに部屋の鍵を渡したとき、マスターキーと合鍵2つのうち、合鍵のひとつは
ヨコケンが持っていて、マンションから賭博に参加していたと思われる人たちが全員
帰ったあとに部屋に侵入してみることに。中には金庫が。

ところがその金庫は前に三田が一度開けていて、中には百万円しか入っていなかった
のです。絶対に現金はどこかにあるはずと探し出して、ついに大金の入ったバッグを
見つけます。が、そこに謎の女があらわれて、2人に催涙スプレーをかけます。

そういえばマンションのエントランスで女の人にすれ違ったのですが、なぜあの女が
2人に催涙スプレーをかけたのか。次の日になっても、フルテツから現金が奪われたと
いう連絡は来ません。すると謎の女は現金の横取りをしに来たわけではないのか・・・

ここから、話しはさらにでかくなり、なんと10億円もの大金が中国のマフィアまで絡んで
きての強奪戦になります。

感想を書いて気づいたのですが、けっこうなネタバレを出しましたが、それでも重要な部分は
かなり端折っています。それだけいろんな情報や出来事が詰め込まれているのですが、途中で
まったくつっかえずにすんなりと読めたのは、構成が上手いとあらためて感心。

コメント
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