小説を読むことは旅をすることだ、というのは自論なのですが、
「んな文字読んでアメリカとか行けるのかよ」と言われた日には
そうですよねすみません、とそこで話はおしまい。面倒みれん。
「旅」といっても地理的なことだけじゃなくて、たとえば知らない
分野、敢えて避けてきた苦手分野を知ることも「旅」といってもいい
のではないでしょうか。
そういった意味では、今回読んだ『完全なる首長竜の日』は、ちょい
苦手な分野の話。といっても、あとがきによれば本作はデビュー2作目
という、新人とは思えない文体のなめらかさで、苦手も克服できるって
もんです。
”私”こと漫画家の淳美は、長年連載してきた漫画「ルクソール」が、
このたび終了するということで、骨休みに旅行でも、と考えます。
淳美には弟がいて、数年前に自殺未遂で意識が戻らず、湘南の特殊な
病院に入院しています。その病院では、「SCインターフェース」という
意識不明の患者と脳意識レベルでコミュニケーションが取れる医療機器
を導入していて、淳美は、なぜ弟が自殺をしようとしたのか、その原因
を探ろうとしますが、分かりません。
ふたりの共通の記憶である、幼いころに出かけた奄美大島近くの”島”
での出来事がよみがえります。それは、磯にできた潮だまりに微量の
毒を入れて魚を獲る漁があって、ここに毒を撒いたという印の竹竿が
満ち潮で沖に流されていって、それを追いかけようと弟が海に入って
沖まで行ってしまい、助けようと姉の淳美もいっしょに流され、大人
たちに助けられた、というもの。
そして、弟がスケッチブックに描いた首長竜の絵。こちらの記憶は、
母方の祖父との思い出がよみがえってきます。
さて、淳美は漫画の連載が終了し、家でパーティーを開こうとする
のですが、そこで奇妙なことが起こります。これは夢なのか現実なのか。
淳美は、意を決して、小学生のころに行ったきりの”島”へと向かう
のですが・・・
なんでしょうか、SFともちょっと違う、ミステリともちょっと違う、
話の運び方というか展開が日本の小説を読んでるという感じではない
といいますか、読み終わったあとに不思議な気持ちになりました。
「んな文字読んでアメリカとか行けるのかよ」と言われた日には
そうですよねすみません、とそこで話はおしまい。面倒みれん。
「旅」といっても地理的なことだけじゃなくて、たとえば知らない
分野、敢えて避けてきた苦手分野を知ることも「旅」といってもいい
のではないでしょうか。
そういった意味では、今回読んだ『完全なる首長竜の日』は、ちょい
苦手な分野の話。といっても、あとがきによれば本作はデビュー2作目
という、新人とは思えない文体のなめらかさで、苦手も克服できるって
もんです。
”私”こと漫画家の淳美は、長年連載してきた漫画「ルクソール」が、
このたび終了するということで、骨休みに旅行でも、と考えます。
淳美には弟がいて、数年前に自殺未遂で意識が戻らず、湘南の特殊な
病院に入院しています。その病院では、「SCインターフェース」という
意識不明の患者と脳意識レベルでコミュニケーションが取れる医療機器
を導入していて、淳美は、なぜ弟が自殺をしようとしたのか、その原因
を探ろうとしますが、分かりません。
ふたりの共通の記憶である、幼いころに出かけた奄美大島近くの”島”
での出来事がよみがえります。それは、磯にできた潮だまりに微量の
毒を入れて魚を獲る漁があって、ここに毒を撒いたという印の竹竿が
満ち潮で沖に流されていって、それを追いかけようと弟が海に入って
沖まで行ってしまい、助けようと姉の淳美もいっしょに流され、大人
たちに助けられた、というもの。
そして、弟がスケッチブックに描いた首長竜の絵。こちらの記憶は、
母方の祖父との思い出がよみがえってきます。
さて、淳美は漫画の連載が終了し、家でパーティーを開こうとする
のですが、そこで奇妙なことが起こります。これは夢なのか現実なのか。
淳美は、意を決して、小学生のころに行ったきりの”島”へと向かう
のですが・・・
なんでしょうか、SFともちょっと違う、ミステリともちょっと違う、
話の運び方というか展開が日本の小説を読んでるという感じではない
といいますか、読み終わったあとに不思議な気持ちになりました。