晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

髙田郁 『みをつくし料理帖 小夜しぐれ』

2020-03-11 | 日本人作家 た
この作品はシリーズの5巻目で、当ブログで4巻を読んだのを調べたら2年前。さらに3巻を読んだのがその前年といいますから、読む気があるんだかないんだか。ですがとうとう意を決して(そこまで大げさではないですが)シリーズ全10巻の5~10巻をまとめ買いしました。

ざっとあらすじ。
幼いころに洪水で両親を亡くし、大坂で有名な料亭の女将に助けられて、やがて当時は珍しい女性料理人になった澪(みお)。それからのち、料亭の江戸支店に行った女将と亭主、澪は店が無くなっていて、江戸支店を任せていた女将の息子は行方不明、亭主は江戸で急死、女将は心労で倒れ、澪は江戸で職探しをしていると、「つる家」という料理屋の主と出会い、雇ってくれることに。
ですが、大坂風の味付けは江戸の庶民の口には合わず、心が折れそうになりますが、つる家の種市、客で謎の浪人の小松原、医者の源斎、長屋の隣人などの手助けや励ましでやがて食通の間でもちょっとした噂に。

で、この本筋とは別に、澪が小さかったころの幼馴染みで野江ちゃんという女の子がいたのですが、洪水で離ればなれになります。ひょんなことから、吉原に行く機会があり、そこで花魁の(あさひ太夫)が、じつは野江ちゃんということが判明。

「つる家」では基本お酒は出さないのですが、毎月3のつく日は「三方よしの日」ということで、酒と酒に合う料理が出ます。三方よしの日、ある女が店にやってきて、「こんなのでこんな金取ってぼろい商売だ」と悪態をつきます。なんとその女は種市の元女房。ところがいつもの温和な主が「許せねえ」「殺してやる」というではありませんか。女を追い出し、種市は亡くなった娘(おつる)について語り出し・・・という「迷い蟹 浅蜊の御神酒蒸し」。

吉原の大見世「翁屋」の主が、花見の料理を澪に作ってもらおうとします。たんに高級食材を並べた贅沢な弁当だったら翁屋の常客は驚きはしません。そこで澪が考えたのは・・・という「夢宵桜 菜の花尽くし」。

日本橋の大店「伊勢屋」の娘(美緒)に縁談が。なんと相手は伊勢屋の中番頭。ですが美緒は医者の源斎に片想い。結婚相手を自由に選べるわけもなく、美緒は澪に相談に・・・という「小夜しぐれ 寿ぎ膳」。

水無月(6月)に江戸城では「嘉祥(かじょう)」というイベントがあるのですが、その内容は、みんなでお菓子を食べるというもの。ですが準備する量が1万個以上といいますから、菓子選びも重責。そして今年の嘉祥の担当になったのは御膳奉行の小野寺数馬。甘いものが好きではない数馬は義弟を連れて菓子の食べ歩きをしますが、いまいちピンときません。そこで数馬、前になにげなく澪にどんな菓子が好きか尋ねると「煎り豆」といったのを思い出し・・・という「嘉祥 ひとくち宝珠」。

ところで、つる家に立ち寄る(謎の浪人、小松原)とは御膳奉行で旗本の小野寺数馬。澪はまだ小松原の正体を知りません。数馬の母と妹は澪を知ってて澪を「とってもいい娘、数馬にお似合いの相手」というのですが、相手は旗本、普通なら料理人と結婚なんかできないのですが・・・ふたりの恋の行方も気になるところ。

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