今年に入って最初の投稿です。もはや新年どころかもうすぐ節分。今は本をちゃんと読めませんが、来月からたくさん読めると思います。たぶん。
以上、予定は未定。
さて、安部龍太郎さん。まだ全作品の半分も読んでませんが、歴史小説のマニアも納得、初心者も読みやすい、つまり面白い。この作品は三ヶ月前に読んだ井上靖さんの『後白河院』その人。源頼朝が「日本一の大天狗」と公言していたというくらいの人物。日本の長い歴史の中で天皇制存続の危機が何回かあったと思いますが、そのうちのひとつですね。
天皇が幼いときに「摂政」に、大人になったら「関白」になってサポートする摂関政治というシステムを藤原家が作って、天皇は日本で一番偉いというかトップ、であることには違いないのですが、実際に日本という国を動かす政治の実権は貴族に握られてしまいます。しかし、後白河の六代前あたりから徐々に藤原家の権力が天皇側に移っていき、「院政」という政治形態に変わります。
しかし、貴族側も黙って弱体化するわけにもいかず、あの手この手で回復を目論みます。その他もろもろドロドロしたのがとうとう爆発してしまったのが、保元の乱と平治の乱。それまでロイヤルファミリーと貴族のガードマンだった武士が代理戦争をするようになって力をつけて最終的に武家政権になってそれから七〇〇年も実権を握られることになります。
とはいえ、天皇という存在は日本そのもの、現人神、というわけで、中国のように王朝が変わることはありません。まあ一説には織田信長は新王朝を作ろうとしたとかなんとか。
たしか、日本史で習った記憶ですと、保元の乱のときに肉親と戦った源義朝よりも平清盛のほうが待遇が良かったので怒った義朝が清盛にケンカ売って平治の乱で戦って源氏が負けて、って覚えてたんですが、まあそういう面もあったのでしょうが、これを天皇家、貴族側からの視点だと別の見方になってじつに興味深いです。
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