晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

大沢在昌 『新宿鮫VI 氷舞』

2012-11-29 | 日本人作家 あ
今現在シリーズ途中まで読んで、これから全巻制覇したいなあ、と
思っているのが、「ダレン・シャン」と、この「新宿鮫」。

冒頭、鮫島は、新宿署の同僚で鑑識の藪といっしょに芝居を観ています。
その芝居とは女優の一人芝居で、鮫島はのめりこみます。

それはさておき、今回の”事件”のはじまりは、鮫島が偽造クレジット
カードの故買屋の住むマンションを見張っていたときに、新宿のホテル
で外国人の死体が発見されたと通報が入ります。

現場にかけつけると、そこには鮫島の同期で公安部の香田が。捜査権は
所轄から公安部に乗っ取られます。

被害者の外国人男性は、元CIAの人間ということがわかり、さらにコカイン
の常習者。しかしこれだけで香田の所属する公安の外事一課が動くとは、
どうにも不自然です。

さて、カードの故買屋のところにいた男は渋谷の平出組というヤクザで、
平出組は比較的新しい組織で、コカインを扱っているとのこと。

そんなある日、前作「炎蛹」で海外に高飛びされてしまった仙田から
鮫島に会いたいと連絡があり、そこで驚きの情報が。新宿で殺された
外国人、ブライドは平出組とコカインビジネスをしていたというのです。

そこで鮫島は、前岡という男を見張ろうとしていた矢先、渋谷の平出組
事務所に公安総務課があらわれて、前岡を連れて行ってしまったのです。

これには、外事一課の香田も、もちろん鮫島もわけが分かりません。
どうやらブライドにまつわるこの事件は、どこかで誰かが”フタ”をしよう
としているのか・・・

クレジットカードの紛失で鮫島に連絡があった女性は、冒頭で観た芝居に
出ていた女優で、彼女から聞いた、逗子で起こった知人の殺人事件とは
一体・・・

そんな中、香田から鮫島に連絡が。さっそく会うと、香田は今回の事件の
公安部長や総務課長の方針に納得ができない様子で、鮫島の持っている情報
を聞きたがります。
そこで、この事件には公安OBの”ある男”が絡んでいる、と教えるのですが・・・

ところで、今作では、鮫島の恋人、晶のがすっかり”売れっ子”になり、なか
なか会えずにいます。しかも、鮫島は舞台で観た女優に惹かれはじめるのです。
本筋の事件の方も気になりますが、晶との今後も気になるところ。こういった
関係なさそうな話の絡ませ方が実に巧いですね。

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