昭和文学全集 第十四巻 宮澤賢治全集 角川書店 昭和二十八年六月十日発行
この全集を私は勝手に小倉版と呼んでいる。宮澤賢治全集の中で、この頃までに出ていた全集に比較して信頼性を捉えていた本と思っている。
少しこの本の年譜に触れておきたい。
明治二十九年(1896) 一歳
八月二十七日(旧暦七月十九日)岩手縣稗貫郡花巻川口町大字里川口第十二地割(現在の花巻町豊沢町)宮澤政次郎(二十三歳)同いち(二十歳)の長男として母の実家同町鍛治町の宮澤善治宅に誕生。當時、家は古着及び質を業とす。四歳、真宗の経典「正信偈」「白骨の文章」を聴いて暗誦す。 {以下略}
「四次元」の読者以外は、この本で賢治の誕生日が八月一日から、八月二十七日に成ったのを初めて知った人がたいはんであった。このことに付いては他日に譲るとして、出生地に注目したい。明治二十九年の時点では、上記が正しいと思う。(他日資料リンクで提出)
追記 實践國文學 第七十二号。(平成19,10,15) 小倉豊文の宮沢賢治研究 栗原敦 をお勧めしたい