ロゴス古書

 年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず 

紛らわしい「羅須地人協会付近略図」=賢治聞書

2015年04月14日 | 地図

 『新校本宮澤賢治全集第十六巻(下)補遺・資料年譜篇』337頁に、菊池正『賢治聞書』からとして「羅須地人協会付近略図」が採りあげられている。「昭和四七年十月一日付き」と括弧内に記されているが、その後に「昭和二年当時の年齢」云々とあり、この「略図」が当時の「別荘付近略図」に間違えられやすい。

 菊池正の「賢治聞書」は以下のようなガリ版刷りであるが、詳細は大内秀明編著 「賢治とモリスの環境芸術」(有)時潮社2007年に出ているので興味がおありの方はそちらを見て戴きたい。

               

 賢治が桜で「羅須地人協会」とした昭和初期当時は以前にも紹介した。伊藤克己は父熊蔵と一緒に生活をしていたので、「賢治聞書」や「新校本」記載されている様なこれらの家はまだ無かった。またこの聞書には「先生が仂いていた畑というのは、一町歩近くもあったと思います」や「近所の人たちでさえ耕作することを好まなかったようです。」などと有るが我が家ではその近所に畑があった。伊藤与蔵が間違えたのか菊池が聞き違えたのかは分からないが、どうも聞き書きとしても誰かが書いたものにしても、よほど注意・その内容を心して読まないとゝ最近特に思う。