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【神社】的野正八幡宮(円野神社)の神代文字碑@宮崎県都城市山之口町富吉

2023-03-29 | 神社・仏閣
 以前、宮崎県の巨石探訪をした際に珍しい神代文字碑がある神社がある事を思い出し、それでなくても時間が押していたにも関わらず自分のたっての希望で訪れる事が出来た都城市山之口町富吉に鎮座する的野正八幡宮(円野神社)の紹介です。

的野正八幡神社(円野神社)
祭祀:息長帯姫命(神功皇后)・誉田別命(応神天皇)・玉依姫命(神武天皇の母) 
的野正八幡宮は、宮崎県都城市的野町にある神社で、正式名称を「的野神社(まとのじんじゃ)」といいます。この神社の創建時期は不明ですが、『延喜式神名帳』に「鹿児島国都於加礼神社」として記載されており、古くから信仰されていたことがわかります。
祭神は、応神天皇の御代に神功皇后が三韓征伐の際に、武運長久と軍の勝利を祈願し、八幡神を勧請したことに由来します。その後、正八幡大神を祀るようになりました。
的野正八幡宮は、かつては豊後国(現在の大分県)から伊勢神宮に参詣する道中の宿場町であった的野町に位置しており、参詣者の信仰の対象となっていました。また、日本武尊が南九州に巡幸された際に、的野で一夜を過ごされたという伝説もあり、歴史的な重要性があります。
現在は、神社の境内には本殿や幣殿、拝殿などの建物があり、毎年4月の例大祭では多くの参拝客が訪れます。(Answer by chatGPT)

ChatGP'Tでは、創建不明との事ですが創建は和銅元年(703)と紹介されている記事がありました。
訪れたのが夕方6時過ぎで境内は既に真っ暗であまり綺麗に写っている写真がありませんが、なかなか興味深い神代文字碑でした。

以下は、当日撮影したものですがフラッシュを焚くと光って判読しにくくイマイチな写真ばかりでしたが、その中でも判別できそうなものをピックアップしてみました。

それぞれの石碑の上には笠が付いてます。

刻まれている文字種はハングルに似かよっている「阿比留文字」と呼ばれる神代文字のひとつです。
阿比留文字(ヨコ組)
阿比留文字(タテ組)
【阿比留文字解説】
対馬 卜部-阿比留家に伝えられたことからアヒル文字と呼ばれる説(神字日文伝・平田篤胤)とト部家がアヒル文字を伝えて阿比留家となった説(竹内義宮氏)がある。
書体は、横組みと縦組みがあり、その構成はハングルと似通った文字種であるが模倣したものならアヒル文字の出現は、ハングルの制定1446年 李朝世宗時代以降となる。しかしそれ以前の創建と思われる古い神社に伝えられる神札や石碑などにアヒル文字が使われていることに疑問が残る。
(文字表・解説文は以前筆者が会のHP投稿用に作成したもの)



実際に何が書かれているかと言う話になりますが、たまたま所蔵していた(「日本超古代史の謎~神代文字が明かす日本創生の原像」佐治芳彦著 日本文芸社1990刊)によれば、以下の様に解読されています。
神代文字碑は、二基ありそれぞれ同じ文が書いてあります。
それぞれの文字に「阿比留文字」の読みを当てはめてみると

  • シア(ス)キチニチ → 師走吉日
  • (タ)テマツル → 奉る 
  • ネウチニシオヰチネム → ネウチに塩一年
  • (タ)テマツル → 奉る
  • (ネ)ウチニシオヰチネム → ネウチに塩一年
※ 石碑よりの書き出し文と、読み下し文は、前述佐治芳彦氏の著書p324より
※(青文字)部分は、誤記と思われる。
“ネウチ ”おそらく「ネ」(根)すなわち直系の「ウチ」氏の事と思われる。

【考証】
見た目では「石碑は古いもの」としかわからないので、碑の銘文から考証してみます。
前述の「日本超古代史の謎」によれば、阿比留文字で書かれている文書の意味は「師走吉日 奉る 根内に塩一年」と読み解くことが出来ることから、これは崇敬者が神社に奉納を行った時の文言であろう事は推測できます。
さらに同じ石碑には、「内藤利政」との祠官の名が記されています。
この名から「内藤」姓は、藤原氏が興って以降でないと発生しない(「内藤」は「内大臣の藤原氏」などの意味)ため、この石碑が奉納されたのは、少なくとも奈良期以降のものであることがわかります。
また「利政」という名は、平安末期以降の名である可能性が高くさらに、この石碑の横には、同様の形の(神代文字は記されていない)「享保」の年号が記された石碑もあることから、これらの石碑が創建当時(和銅元年(703))からあった可能性は低い。享保年間に、崇敬者が奉納設置した事は十分予想できます。
(撮影:2004.2)
※ 訪問日が2004年で、かなり時間が経過しています。現状と異なっている可能性もございます。ご了承ください。
【マップ】


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