先週、梅雨の晴れ間に長野県は駒ヶ根市まで遠征を致して参りましたので、今回はそのご報告です。
昨年11月に観光で一度訪れた地では、ありましたが磐座をご神体として祀る神社が駒ヶ根市の中央を流れる天竜川沿いにあった事を後で知り満を持して再訪となった次第です。
場所は、中央道駒ヶ根ICから北東に5キロ 天竜川を渡った山間の麓集落に鎮座しています。
天竜川 下流方面を望む
神社の崖下に天竜川が流れます。正面は中央アルプス
ここ筥石社の特徴は、本殿が無く拝殿背後の筥石をご神体としている原始信仰が残る神社であるところです。また、神社では、珍しい西向きのお社です。
祭祀:建御名方大神・白山比咩大神・宇迦之御魂大神
創建は古く文明元年(1469)と、由緒は伝えています。
背後にあるご神体の筥石(箱石)
右側面から望む筥石
境内には、謂れのある巨石が多数存在しています。それぞれに、名称が付けられていてその中でもシンボル的なものが筥石の上部にある陰陽石です。
境内左手から回り込むように登っていくと筥石の頂部に出られます。
陰陽石 見ての通り言わずもがなですが、奥の女石を“奥ノ神”と称し白山姫神(菊理姫)を祀っています。
男石は、守護神として愛称“ウタマロ”と言うそうです。男石を撫でると大願成就、子宝、開運に恵まれ女石は奥ノ神「触らぬ神に祟りなし。拝むだけするように。」と、伝えています。
角度を変えての撮影
筥石の頂部 高さ10メートル以上はあったでしょうか。足がすくみこれ以上先に進めませんでした。
筥石 左側面より
謂れでは、鎌倉時代に“箱石”と既に記録されていて領地の境界石として目ざされていたそうです。地域住民たちにとって有名で大切な石だったようです。
境内の斜面には、露岩群が 多く存在しており太鼓石、せがれ石などそれぞれに名称が付けられているとの事ですが、見た目からは判断できませんでした。
恐らく“かんむり岩”
六甲にある八咫の鏡岩を思わせる巨石 太鼓岩?
境内の一番高い場所にあった巨石
境内にあった石塔や石碑群 右のお社は、天神社です。
気になった「甲子」と書かれた碑 調べてみたら以下の事が分かりました。
「甲子」とは甲子の日の夜に子の刻まで起きていて、五穀豊穣などを子(ネズミ)を使者とする大黒天に祈る行事とのこと。
どうやら、山梨県を中心とした路傍に丸石を祀る道祖神と、庚申碑に似た甲子碑が合体したような民間信仰のようです。(☞参考サイト)
どうやら、山梨県を中心とした路傍に丸石を祀る道祖神と、庚申碑に似た甲子碑が合体したような民間信仰のようです。(☞参考サイト)
ここの情報を得ようとWEB検索してもこれと言った情報がなかなかヒットしませんでした。レア度高めの一社かと思われます。
なお、拝殿前にここの縁起が書かれた資料が用意されていました。忘れずに頂いて参りましょう。
【マップ】
近くに行っていたため、本日、この神社を訪ねる事ができました。境内の雰囲気が良く気持ち良く参拝できました。岩にも登りました。
また参考にさせていただきます。
ちなみに神社の読み方は「はこいししゃ」でしょうか?
いつもありがとうございます。
記事が訪問のきっかけとなった様で何よりです。
はい。読み方は「はこいししゃ」です。
こちらは、マップを見ていて偶然発見致しました。「石」の字が使われていなかったら気づかなかったでしょう。
眼下に天竜川が流れ屏風のように立ちはだかる中央アルプス 風光明媚な立地に建つお社でした。
境内裏手に点在しているひとつ一つの石にもそれぞれの巨石にちなんだ名称を付けられている事から昔から地域住民たちからこの神社が厚く崇敬されていた事が分かります。
今後も宜しくお願い致します。