さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

F沢さんの快進撃! Part1:4級+以上の3本のルートをオンサイトしました

2021-08-01 23:55:22 | 僕の自由時間
6月24日男岩南面の3段フェースルート4級+(5級-かも)を初リードしたF沢さん。
梅雨の長雨で1ヶ月間のブランクがあったものの、7月22日には男岩西面のクラックルート4級+オンサイト!
日和田の主要な4級+ルート2本をリードして、一人前のクライマーとしてのスタート台に立てたと思います。
今後は数多くの3級+~5級-のルートをリードし、経験を豊富に積むことですね。
様々な岩質、岩の形状、プロテクションの取り方、等々を経験してあらゆる状況に対応できるクライマーになっていかねばなりません。

僕に事情がありますから、しばらくは日和田や天覧山でしかトレーニング出来ませんが、そこでも色々な経験を積むことが出来ます。
その第一歩が29日の木曜日でした。
日和田には前記の2本の4級+ルートほどポピュラーではありませんが、その周辺グレードのルートが数本あります。
ポピュラーでないだけあって、癖の強い個性的なルートです。
先日はそんなルートにトライしてもらいました。


前の週に地元埼玉県の方たちから教えてもらいましたから、この日は巾着田の駐車場ではなく日和田山登山口そばの駐車場へ行きました。
料金も300円と安く、見晴らしの丘経由で登山道を歩きますから、時間的にも少し短縮されます。
ただ、車を降りてすぐに山道に入りますし、それでいきなりF沢さんのペースに合わせて歩くのは僕には少々きついですね。
最初はゆっくりと歩き始めて、徐々に体を慣らしていきたいと思います。

見晴らしの丘は女岩のほんの少し上にあります。
女岩の天辺がすぐに見えて来ます。
男岩は女岩よりもう少し下。
ここまで歩いて来て、山道は濡れて滑り易くなっていました。
岩場も心配になるほどの濡れ方でしたから、男岩に着くと、南面の様子を確認します。
まだ少し湿気っていますね。
西面はもっと湿気って、と言うよりも濡れています。

F沢さんはいつも通りやる気満々で、すぐにハーネスを装着し始めます。
僕はと言えば、途中のセブンイレブンで買ったナナチキを頬張りながら、希釈した冷たいアクエリアスを飲みます。
前の週の経験から、この日の水分補給は万全にしたいと思ったからです。
僕自身はもっとのんびりとしたいのですが、F沢さんからの圧に急き立てられて、僕も急ぎます。

最初に登るルートはいちばん乾き易い男岩南面から選ぶことにしました。
まだ下部は湿気っていますが、中間や上部は乾いているようです。


▲10:56。ルート名は特にありません。下部と中間部は適当に登ってもらいました。最後の終了点に抜ける直前だけを指定しているだけです。写真に赤い矢印がありますが、そこを直登するのです。少しハングしていて、ホールドも少し細かいのです。写真では矢印の左下にF沢さんがいますが、簡単に登ってしまいました。僕がフォロウした感覚でも4級+くらいにしか感じませんでしたね。ここのところ日和田の岩に慣れているせいもあると思います。とは言え、5級-ルートのオンサイトでした。


▲11:25。続いて2本目は男岩南面右端のカンテから右上のふたつの岩の間を抜けるルート。これもルート名はありません。どこを通るのかも決まってはいません。適当に僕が決めました。グレードは4級+。写真は下部のカンテを登っているF沢さん。カンテとは岩の角状になったところのことです。このカンテの左には3段フェースがあります。この日はカンテの右の日陰の部分がまだ濡れていて、嫌らしかったですね。右上に岩と岩の間の幅広のクラックが見えていますが、そこへ向かっています。


▲11:32。岩と岩の間の幅広クラック直下に到着しました。このルートを登る人はほとんど見かけません。僕もこれまで2度ほど登ったくらいですかね。面白いルートですけれど、マイナーなんです。


▲11:34。岩と岩の間を登るのですが、どうやって登ろうかとしばし考えこんじゃいます。いろんな登り方が出来そうですし、探せばクラックの奥の方にガバホールドがあったりします。こんな時、僕は様々な可能性を多く試してみるタイプなんですが、F沢さんは登り方を選択決断するのが早いタイプですね。どちらが良い悪いという問題ではなくて、これは純粋にタイプの違いですね。F沢さんにしてはしばらく考える時間を持って、それでも割と早めに登ってしまいました。この日はいちばん簡単と思える、幅広クラックを登りましたが、クラックの右の岩を登ったり左の岩を登ったりも、ルートとして成立しそうですね。


▲11:50。僕がフォロウし、岩場の上で会心の笑顔を見せるF沢さん。確保場所でのザイルワークも基本は出来てますが、まだ満点とは言えません。僕もそうでしたけれど、基本さえ踏み外していなければ、より良い方法は反省しながら徐々に改善されていけばいいのです。


▲12:00。男岩西面も湿気ってる程度になって来たようなので、少し易しいルートをリードしてもらうことにしました。4級くらいのはずです。出だしがほぼ垂直。でも、登り始めてすぐに、思いの外難しそうだと分かりました。湿気っていることの影響が大きく、本当に滑り易いんです。


▲12:05。僕も確保に力が入りました。2本目のプロテクションを取るまではグランドフォール(地面に激突)するか、空中で止まるか微妙な高さです。落下と同時にザイルを引きつつ止める必要がありそうです。僕自身も体を沈めなければならないかもしれません。この写真は緊張する場面を突破した後、安心できる場所に着いたので撮ったもの。


▲12:12。今登っているのは西面ですが、ルートはこの辺りから右の南面へ回り込んで登ります。と言うのも、このまま西面を登るのは難しいからです。おそらく、5.6~5.8あるのではないでしょうか?


▲12:14。ところが、F沢さんはこのまま西面を登ってみたいと言います。ボルトも見つかったようなので、「いいよ! でも難しいよ!」と声を掛けます。万が一落下しても、1~1.5mほどの落下で止められるでしょう。緊張する登攀でしたが、何とかギリギリ登り切りました。偉い!

続いて、僕のフォロウです。
手でホールドを持とうとし、足でスタンスに立ち込もうとして分かったことがあります。
思っていたよりずっと滑るゾ!
僕は一度ザイルにぶら下がり、結局はより易しい左側に逃げて登り始めました。
よくぞ、こんな滑り易いルートをリードしたもんだと感心しました。
乾いていれば4級くらいだと思いますが、濡れて滑り易いので5級近くありそうですね。
最上部も僕は易しい南面を登りました。


▲12:31。岩場の上で僕を確保してくれていたF沢さん。彼女も相当緊張したみたいで、顔の表情も心なしか少し強張って見えますね。


▲12:49。この写真は女岩の上です。最後に女岩西面左ルートにトップロープを張ることにしました。F沢さんにトップロープのセットをしてもらっています。昔、僕はこのルートをトップロープで登れていた記憶がありますから(その記憶もあやふやですが)、グレードは5.9くらいかと思っていましたが、家で調べてみたら5.10bなんですね。


▲13:00。ここら辺までは簡単に登ってしまうF沢さん。でも、ここから急に岩場の傾斜が前傾して来ます。ホールドはしっかりと大きいのですが、やたらとかぶった岩場なんです。


▲13:01。その結果、岩場から落下してしまいます。落下と言ってもトップロープですから、本当に落ちるわけではなく、ザイルにぶら下がることになります。ただ、前傾壁なので岩場からは2m近く離れてしまい、岩場に戻ることが困難になってしまいます。


▲13:17。僕も登ってみましたが、まったく歯が立ちません。昔登れていた時は今よりもずっと筋力と筋持久力があったのでしょうね。この写真はこの日唯一の僕のポートレートです。

この日はF沢さんが4時から用事が入っていると言うことで、いつもより早く終了しました。
2時前には駐車場に着いたのですが、5分ほど手前からが降り始め、すぐにかなり強く降って来ました。
F沢さんは走って駐車場に急ぎましたが、僕はこんなこともあろうかと、折り畳み傘持参。
岩場にはまだ数人の人たちがいましたけど、どうしたのでしょうね?
岩場がびしょ濡れでもう登れないと思います。

いつもより早い帰宅でしたから、ゆっくりとシャワーを浴びることが出来ました。

F沢さんは3本のルートをオンサイトしましたが、いい経験が積めたと思います。
これからもF沢さんにとって質の高い経験を積んで行ければと思います。
コメント
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