今日の夜、僕は布団の中で目が覚めました。
「もう、真夜中過ぎてるんだろうな・・・・」
そう思いました。
寝巻きには着替えてなくて、室内着のまま。
病院から2時過ぎに帰宅し、さっちゃんに飲み物とヨーグルト、そして朝飲むべき薬を飲んでもらい、食べてもらいました。
さっちゃんは疲れているでしょうから、布団で横になってもらうことにします。
その後、僕はパンだけ食べて、僕自身も疲れていたので、さっちゃんの横に潜り込みました。
何時くらいだったか、さっちゃんが起き出して、ダイニングに行ってしまいました。
僕も起きて、さっちゃんを念のためトイレに連れて行ったりしなければなどと思いましたが、体が動きませんでした。
そして、再び寝てしまいます。
一度、6時ころに目が覚め、起き上がってダイニングに行くと、さっちゃんが椅子に座っています。
夕食の準備もしなければと思いましたが、再度布団の中に戻ってしまいました。
さっちゃんが寝ている僕の横に来て、顔や体をなぜてくれます。
そして、しきりに「どおしたの?」と繰り返し僕に語りかけてきます。
僕は「ちょっと疲れただけだよ」と返事を返します。
そして、このブログの先頭の言葉です。
夜中過ぎに目が覚めたと僕は思いましたが、実際は9時半でした。
さっちゃんはあの後、僕の横に入って来て、すやすやと眠りこけています。
僕は帰りに買ったコロッケと昨日からの残り物のお味噌汁を温めて食べました。
PCチェックなどを済ませて、今11時過ぎ、ブログを書いています。
今日は脳神経内科の先生の診察がある日でした。
診察の前にはCT検査もありましたから、早く出かける必要があります。
僕たちは朝食も食べずに、家を7時45分に出ました。
CT検査を受ける患者さんが少なかったのか、待合室に行くと誰も居ません。
すぐにさっちゃんの番になりました。
検査が終了するまでさっちゃんがじっとしておれるか心配でしたが、一発クリア!
先生の診察も順調に終わり、その後の言語リハビリは予定より30分も早くスタートすることが出来ました。
ここまでさっちゃん自身も順調に過ごせていました。
ただ、言語リハビリの最後の10分あたりから、ほんの少しずつ不穏気味に。
「帰る」と言い始め、先生が機転をきかせて、同じ階の屋上のような場所までミニ散歩。
その時は僕と手を繋いでくれていました。
終了して、部屋から出ようとするころには、さっちゃんの不穏も進んで、僕と手を繋いでくれなくなりました。
リハビリ科の待合室の椅子に座ったまま、さっちゃんは動かなくなりました。
僕が手を取ろうとすると、拒絶します。
無理に手を掴んで立ち上がらせようとすると、大きな声を上げて抵抗します。
僕は諦めて、待つことにしました。
時間が経つとさっちゃんの気分も変わることに期待したんです。
数分なんだか10分なんだか、ちょっと待ってはさっちゃんの手を取ろうとしましたが、さっちゃんは拒絶のまま。
通りかかったSTのT田先生が力を貸してくださいました。
T田先生がさっちゃんと手を繋いで、階下の会計の場所まで連れて行ってくださったんです。
会計には大勢の方が並んでいましたから、とりあえずは待合室の椅子にさっちゃんを座らせます。
並んでいる人の数は減りそうにありませんでしたから、僕も並ぶことにしました。
ちょうどさっちゃんが座っている場所はよく見えていましたから、何かあればすぐに駆けつけることは出来ます。
すると案の定、さっちゃんが立ち上がってどこかへ行こうとし始めました。
僕は並んでいる列から離れ、さっちゃんの元へ行き、椅子に座らせようとします。
でも、さっちゃんは抵抗してちょっと暴れます。
その拍子に会計窓口に並ぶ列の場所と椅子とを隔てている赤いテープの仕切りを外してしまったんです。
僕は何とかさっちゃんを元の椅子に座らせ、その赤いテープを元の状態に戻しました。
さっちゃんがこんな状態ですから、しばらくは一緒に座っているしかありません。
少し時間が経って、僕の元へひとりの女性が来て、僕に声を掛けるんです。
先ほど並んでいた列で僕の前に並んでいた母娘連れのお母さん、会計窓口に出す書類ファイルを彼女に渡すよう言うんです。
「私が代わりに出してあげますよ」と。
本当に有り難いことです。
僕はその申し出に甘えさせていただくことにすぐ決定。
ゆっくりとしか進まないその列の先頭にその母娘が来た時に、さっとそこへ出て行って、書類の会計への提出を完了させることが出来ました。
さっちゃんと暮らしていると、このような僕たちとはまったく関わりのない人々の温かい人情に救われる経験をたくさん味わうことが出来ます。
これで、掲示板にさっちゃんの番号が表示され、機械で会計を済ますだけになりました。
でも、番号が表示されるまでに結構な時間がかかります。
さっちゃんは最初に座っていた場所を立ち上がって、ウロウロし始めました。
また先ほどの赤いテープに手を掛けようとするので、先手を取って防ぎます。
僕もさっちゃんのウロウロに付き合うことにしました。
まだ手を繋いではくれませんから、しばらくウロウロした後はそれとなく会計待合室の椅子に誘導して座ってもらいました。
椅子に座っていても、前に座っているご婦人のカバンを触ってみたり、マスクも顎まで下ろしたままです。
僕は近くの別の椅子に座って、視界の隅でさっちゃんの姿を捉えています。
何かあればすぐに出て行こうと。
さっちゃんはソーシャルディスタンスのための椅子のバッテンなどはまったく気に掛けません。
じりじりと座る位置をずらしていって、隣りに座っている人の近くへ移動したりします。
近づかれた方としては、気になりますから、空いている別の席へ移動してしまいます。
一人のご婦人がさっちゃんに優しく語りかけ始めました。
「そこは座ったらいけない場所ですよ」と。
僕は後ろを振り向いて、そのご婦人に説明します。
「認知症なので、説明しても分からないんですよ。それに今ちょっと機嫌が悪くて、僕のことを怒ってるんです」
「そうなんですか。それでさっきはご主人のことをぶってらしたんですね」と。
その後でご婦人が独り言で漏らした言葉が聞こえました。
「認知症なのか」
だいぶん時間が経って、掲示板にさっちゃんの番号が表示されました。
さっちゃんが座っている場所は会計の機械からはよく見える場所でしたから、さっちゃんの姿を見ながら急いで会計することが出来ました。
でもまだ、さっちゃんは僕と手を繋ごうとはしません。
「もう家に帰ろうね」と言って、手を取ろうとしても拒絶します。
僕は徹底的に待つことにしました。
今日はいつもの新聞の他にも雑誌を1冊持って来ていますから、時間つぶしはいくらでも出来ます。
時々さっちゃんの元へ行き、「帰ろうか」と言って手を取ろうとするのですが、まだ赦してくれません。
人も減って来て、さっちゃんの隣りに座ることも出来ていましたが、さっちゃんは僕とディスタンスを取っています。
すぐ横に僕が座ると、立ち上がってどこかへ行ってしまいそうです。
それでも、相当な時間が過ぎて、僕がさっちゃんの手を触っても逃げなくなりました。
僕はさっちゃんの横に立ち、さっちゃんの両手を掴みます。
「帰ろうね」と、さっちゃんを立ち上がらせることが出来ました。
立ち上がってはくれたものの、さっちゃんはすぐには歩こうとはしません。
「帰るよ」と優しく手を引きました。
さっちゃんは何とか歩き始めてくれました。
僕と手も繋いでくれました。
駅のホームにも電車の出る10数分前に着きましたから、100mほどのホームを2往復くらい歩きました。
じっと立ち止まって待っていると、さっちゃんが再び不穏になりそうな気がしたからです。
無事に電車に乗って帰宅できました。
普通なら乗れていたはずの電車より1時間半遅い電車でした。
「もう、真夜中過ぎてるんだろうな・・・・」
そう思いました。
寝巻きには着替えてなくて、室内着のまま。
病院から2時過ぎに帰宅し、さっちゃんに飲み物とヨーグルト、そして朝飲むべき薬を飲んでもらい、食べてもらいました。
さっちゃんは疲れているでしょうから、布団で横になってもらうことにします。
その後、僕はパンだけ食べて、僕自身も疲れていたので、さっちゃんの横に潜り込みました。
何時くらいだったか、さっちゃんが起き出して、ダイニングに行ってしまいました。
僕も起きて、さっちゃんを念のためトイレに連れて行ったりしなければなどと思いましたが、体が動きませんでした。
そして、再び寝てしまいます。
一度、6時ころに目が覚め、起き上がってダイニングに行くと、さっちゃんが椅子に座っています。
夕食の準備もしなければと思いましたが、再度布団の中に戻ってしまいました。
さっちゃんが寝ている僕の横に来て、顔や体をなぜてくれます。
そして、しきりに「どおしたの?」と繰り返し僕に語りかけてきます。
僕は「ちょっと疲れただけだよ」と返事を返します。
そして、このブログの先頭の言葉です。
夜中過ぎに目が覚めたと僕は思いましたが、実際は9時半でした。
さっちゃんはあの後、僕の横に入って来て、すやすやと眠りこけています。
僕は帰りに買ったコロッケと昨日からの残り物のお味噌汁を温めて食べました。
PCチェックなどを済ませて、今11時過ぎ、ブログを書いています。
今日は脳神経内科の先生の診察がある日でした。
診察の前にはCT検査もありましたから、早く出かける必要があります。
僕たちは朝食も食べずに、家を7時45分に出ました。
CT検査を受ける患者さんが少なかったのか、待合室に行くと誰も居ません。
すぐにさっちゃんの番になりました。
検査が終了するまでさっちゃんがじっとしておれるか心配でしたが、一発クリア!
先生の診察も順調に終わり、その後の言語リハビリは予定より30分も早くスタートすることが出来ました。
ここまでさっちゃん自身も順調に過ごせていました。
ただ、言語リハビリの最後の10分あたりから、ほんの少しずつ不穏気味に。
「帰る」と言い始め、先生が機転をきかせて、同じ階の屋上のような場所までミニ散歩。
その時は僕と手を繋いでくれていました。
終了して、部屋から出ようとするころには、さっちゃんの不穏も進んで、僕と手を繋いでくれなくなりました。
リハビリ科の待合室の椅子に座ったまま、さっちゃんは動かなくなりました。
僕が手を取ろうとすると、拒絶します。
無理に手を掴んで立ち上がらせようとすると、大きな声を上げて抵抗します。
僕は諦めて、待つことにしました。
時間が経つとさっちゃんの気分も変わることに期待したんです。
数分なんだか10分なんだか、ちょっと待ってはさっちゃんの手を取ろうとしましたが、さっちゃんは拒絶のまま。
通りかかったSTのT田先生が力を貸してくださいました。
T田先生がさっちゃんと手を繋いで、階下の会計の場所まで連れて行ってくださったんです。
会計には大勢の方が並んでいましたから、とりあえずは待合室の椅子にさっちゃんを座らせます。
並んでいる人の数は減りそうにありませんでしたから、僕も並ぶことにしました。
ちょうどさっちゃんが座っている場所はよく見えていましたから、何かあればすぐに駆けつけることは出来ます。
すると案の定、さっちゃんが立ち上がってどこかへ行こうとし始めました。
僕は並んでいる列から離れ、さっちゃんの元へ行き、椅子に座らせようとします。
でも、さっちゃんは抵抗してちょっと暴れます。
その拍子に会計窓口に並ぶ列の場所と椅子とを隔てている赤いテープの仕切りを外してしまったんです。
僕は何とかさっちゃんを元の椅子に座らせ、その赤いテープを元の状態に戻しました。
さっちゃんがこんな状態ですから、しばらくは一緒に座っているしかありません。
少し時間が経って、僕の元へひとりの女性が来て、僕に声を掛けるんです。
先ほど並んでいた列で僕の前に並んでいた母娘連れのお母さん、会計窓口に出す書類ファイルを彼女に渡すよう言うんです。
「私が代わりに出してあげますよ」と。
本当に有り難いことです。
僕はその申し出に甘えさせていただくことにすぐ決定。
ゆっくりとしか進まないその列の先頭にその母娘が来た時に、さっとそこへ出て行って、書類の会計への提出を完了させることが出来ました。
さっちゃんと暮らしていると、このような僕たちとはまったく関わりのない人々の温かい人情に救われる経験をたくさん味わうことが出来ます。
これで、掲示板にさっちゃんの番号が表示され、機械で会計を済ますだけになりました。
でも、番号が表示されるまでに結構な時間がかかります。
さっちゃんは最初に座っていた場所を立ち上がって、ウロウロし始めました。
また先ほどの赤いテープに手を掛けようとするので、先手を取って防ぎます。
僕もさっちゃんのウロウロに付き合うことにしました。
まだ手を繋いではくれませんから、しばらくウロウロした後はそれとなく会計待合室の椅子に誘導して座ってもらいました。
椅子に座っていても、前に座っているご婦人のカバンを触ってみたり、マスクも顎まで下ろしたままです。
僕は近くの別の椅子に座って、視界の隅でさっちゃんの姿を捉えています。
何かあればすぐに出て行こうと。
さっちゃんはソーシャルディスタンスのための椅子のバッテンなどはまったく気に掛けません。
じりじりと座る位置をずらしていって、隣りに座っている人の近くへ移動したりします。
近づかれた方としては、気になりますから、空いている別の席へ移動してしまいます。
一人のご婦人がさっちゃんに優しく語りかけ始めました。
「そこは座ったらいけない場所ですよ」と。
僕は後ろを振り向いて、そのご婦人に説明します。
「認知症なので、説明しても分からないんですよ。それに今ちょっと機嫌が悪くて、僕のことを怒ってるんです」
「そうなんですか。それでさっきはご主人のことをぶってらしたんですね」と。
その後でご婦人が独り言で漏らした言葉が聞こえました。
「認知症なのか」
だいぶん時間が経って、掲示板にさっちゃんの番号が表示されました。
さっちゃんが座っている場所は会計の機械からはよく見える場所でしたから、さっちゃんの姿を見ながら急いで会計することが出来ました。
でもまだ、さっちゃんは僕と手を繋ごうとはしません。
「もう家に帰ろうね」と言って、手を取ろうとしても拒絶します。
僕は徹底的に待つことにしました。
今日はいつもの新聞の他にも雑誌を1冊持って来ていますから、時間つぶしはいくらでも出来ます。
時々さっちゃんの元へ行き、「帰ろうか」と言って手を取ろうとするのですが、まだ赦してくれません。
人も減って来て、さっちゃんの隣りに座ることも出来ていましたが、さっちゃんは僕とディスタンスを取っています。
すぐ横に僕が座ると、立ち上がってどこかへ行ってしまいそうです。
それでも、相当な時間が過ぎて、僕がさっちゃんの手を触っても逃げなくなりました。
僕はさっちゃんの横に立ち、さっちゃんの両手を掴みます。
「帰ろうね」と、さっちゃんを立ち上がらせることが出来ました。
立ち上がってはくれたものの、さっちゃんはすぐには歩こうとはしません。
「帰るよ」と優しく手を引きました。
さっちゃんは何とか歩き始めてくれました。
僕と手も繋いでくれました。
駅のホームにも電車の出る10数分前に着きましたから、100mほどのホームを2往復くらい歩きました。
じっと立ち止まって待っていると、さっちゃんが再び不穏になりそうな気がしたからです。
無事に電車に乗って帰宅できました。
普通なら乗れていたはずの電車より1時間半遅い電車でした。