ナメイリ沢はネットなどでの評価は「ショボい」「水量少なく見栄えしない」など、あまり良くはありません。
僕自身何回か来ていますが、好印象は持っていませんでした。
水量が乏しくて、沢らしい瑞々しさに欠けているのです。
さらに言えば、埃っぽいイメージすら抱いていました。
それでも僕がナメイリ沢を大切に感じているのにはこんな理由があるからです。
さっちゃんが1998年2月に雪の愛鷹連峰で、脛骨骨折した3年9ヶ月後のことです。
2001年11月27日に大怪我から復活後の初めての沢登りがナメイリ沢だったんです。
今回同様、続いて棡葉窪も同じ日に遡行しています。
僕ひとりでは心配でしたから、当時の僕の沢パートナーだったK磯さんにも同行をお願いしました。
ですから、ナメイリ沢にはこの時の僕が味わった感動、さっちゃんの沢復帰への喜びの感情が伴って来るのです。
さっちゃんはザイルパートナーでしたし、それ以前も今でも僕の人生のパートナーです。
大怪我以降の、とりわけ復活の一場面一場面が印象深く僕の記憶の中で息づいているのです。
詳しくは『ザイルと焚火と焼酎と』を読んでください。
(さっちゃんのことは出て来ませんけれどね)
▲10:49。F3-11mトイ状です。SRさんがリードして、上で確保してくれています。フォロウで登っているのはO崎さん。
この日のナメイリ沢は平水よりも随分水量が多く、瑞々しく感じました。
陽光も時々射し込んで来て、ナメイリ沢の印象が覆って、美しく明るい沢とすら感じられました。