京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

モーツァルト

2005-05-23 18:16:11 | 季節のことば
三年前に植木市で買ったピンクの薔薇。小さな鉢植えだけど、
淡いローズ色とも、上品なピンク色とも形容しがたい微妙な色合いが可愛らしい。
何よりも「モーツァルト」というその名に心惹かれて思わず買ってしまった。
秋にルビーのような実をつけた。手入れもしないのに去年再び花を着けた。
それからは一寸気にしているが、忙しいを口実に水をやるだけ。なのに今年も
ちゃんと蕾が膨らんで来たと思ったら、二輪、三輪と開き始めた。
花はさすがに小さくなったが、色は変わらず乙女色。
今年は花が咲き終わったらお礼の肥料をあげよう。これからしばらくの間
優しい気持ちにしてくれるから。

葵祭

2005-05-17 18:36:53 | 京都
今年も葵祭の頃となった。昨年、一昨年と続けて葵祭見物にでかけ、
今年は一休み。京都の三大祭のなかでは、葵祭が一番優雅で、京都らしいと
思う。葵は雲ヶ畑のあたりから採取してくるとか、葵を揃えるだけでも大変な作業だ。
烏帽子につけたり、胸に飾ったり、決まりはないのだろうか。
神聖な神のよりしろとしたり、植物の生命力にあやかる髪挿し(かざし)の風習は
万葉の時代からある風習。おすべらかしの女性の髪に挿すのはむずかしいと思っていたが、
今年、葵祭の資料写真を見ていたら、後髪の結び目に葵の葉を挿している人を見つけた。
今、男性が胸のポケットに薔薇の花を一輪差し込んだりするように、千年昔のひとたちも
髪に挿したり、腰紐につけていたり自分流を楽しんでいたにちがいない。
万葉集に大伴旅人のこんな歌がある。
忘れ草我が紐に付く香具山の故(ふ)りにし里を忘れむがため
故郷を忘れないようにカンゾウの花を腰紐に付けたという歌である。
おまじないのように草などを体のあちこちに付けていたんですね。

窓若葉

2005-05-09 22:29:56 | 季節のことば
芽吹き始めたと思ったら、あっという間に街中が若葉に包まれた。
ガラス窓は緑のライトを浴びてきらきらしている。
窓いっぱいの木々の若葉は額縁に入った絵のようだ。
「窓若葉(まどわかば)」という季語があることを知った。見渡す限りの緑の世界も
いいけれど、窓で切り取った緑をインテリアにするのはまた優雅な気分。
去年の秋、友人から「床紅葉(ゆかもみじ)」ということばを教えてもらった。
磨かれた廊下や、床に赤い紅葉が写ること。繊細なほんのわずかな美しさに
目を留める日本人の美意識はすばらしい。
季節の一瞬の移ろいを切り取った優しいことばを持つ日本語はなんてステキなんだろう。
季節もことばも味わって楽しみたいと思う。