京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

忘れ草

2005-08-24 15:23:17 | 季節のことば
忘れ草とは藪萱草(やぶかんぞう)のこと。ユリ科の多年草で、真夏の野に、鮮やかなオレンジ色の花を付ける。何枚もの花びらがグッと反り返り、中心では顔を寄せ合ったように集まっている。全部が花びらではなく、一部はおしべだそうだ。確かに百合に似ているが、複雑な様相をしている。見ていると美しさに憂いを忘れるというので忘れ草といわれたのだそうだ。特に恋の苦しみを忘れるとして、はるか昔の人は肌身につけた。

忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古(ふ)りにし里を 忘れむがため  大伴旅人(たびと)

大宰府に長官として赴任した大伴旅人が、奈良の古里へのホームシックを忘れようとして紐に忘れ草をつけたというのである。
カンカンと照る夏の陽の下に咲く強烈な藪萱草だから、めそめそ、うじうじしていちゃいけないよ!、アクティブに考えなさい!といっていると思わせるのかもしれない。
信州をめぐっていたら、あちこちで忘れ草にであった。雑草のように思っていたが、元気をくれる強い花だと改めて感じた。

北の大地その2

2005-08-09 23:16:31 | 
          
「優しい時間」、久しぶりに毎週楽しみにしていたテレビドラマだった。
倉本聰さんも富良野も好きだから。
まるで富良野の住人のようにドラマにはいりこんでいた。
ドラマのメイン舞台であった喫茶店「森の時計」がそのまま喫茶店として営業していると
知って、富良野に行ったら「森の時計」に寄って、豆をミルで挽いて、コーヒーをゆっくり飲もう、って楽しみに(勝手にだが)していた。と、びっくり!
「森の時計」には観光客が溢れ、カウンターは順番待ち。なんてみんなミーハーなんだ!と我が身を棚に上げてぶつくさ。勿論待ちましたよ!。おかげで、しのぶさん席を運良くゲット。ゴリゴリと豆を挽いて、ゆっくり優しい時間を味わってきた。
はるばる皆空窯も訪ねた。白樺とから松の林の中、さすがにここまで足を運ぶミーハー、いや熱意ある人は少なく、オーナー夫人(も陶芸家)と楽しいおしゃべりをさせてもらった。静かな本当の富良野の姿をかいま見た。30年前、富良野に来たときはどこもこんな景色だった。観光客もいなかった。そこが懐かしかった。