久しぶりにPANTAの自伝「歴史からとびだせ」を読み返してみました。
JICC出版から出版されたこの書は、
PANTAが自分の事を赤裸々に語ったもので、なかなか読み応えがあります。
この本によりますと、自分自身と頭脳警察とのギャップが大きくなりすぎ、
この本によりますと、自分自身と頭脳警察とのギャップが大きくなりすぎ、
結局、頭脳警察を解散する事を決意します。
で、頭脳警察の末期にはすでにソロ活動の準備をしていたようで、
なかなかしたたかだったりします。
キティレコードに誘われたりしていたらしいのですが、
ビクターが新しく発足する「フライングドッグ」というレーベルの第1弾にと
いう事で残留となりました。
PANTAは、この時色々とコンサート巡りをしていたようです。
この時の日本のロックが軟弱にしかみえなかった様で、
ソロは「KISS」のようなラブバラード路線を考えていたようですが、
路線を変更し、まるでナタで切ったようだと称されるような
ハードなアルバムとなりました。
何といっても、まず1曲目の「屋根の上の猫」が最高にカッコイイです。
PANTAのソロの曲では、1.2を争う名曲だと思っています。
相手との同化という究極の愛の姿の歌で、
聴く者を圧倒する激しいロックです。
ライブで演奏された時のテンションの高さはハンパなかったです。
後に大槻ケンヂさんもカバーしています。
他にも「三文役者」や「ロックもどき」といった佳曲もありますが、
やはり圧巻は「マーラーズパーラー」。10分近い大作ですが、
意味のあるのかないのかわからない、一種の言葉遊びのような曲ですね。
意味があるようでないようで、もしかしたら深い意味があるかもだけど、
本当は全く意味がないのかもしれない。
まあそんな感じの単語の羅列が続きます。
ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリングストーン」に近いものかも。
橋本治さんが「秘本世界生玉子」という本の中で
「PANTAX'S WORLD論」というのを発表していますが、
その中で「私説マーラーズ・パーラー」という事で語っていたりします。
このアルバムでのアレンジは、ちょっとフォークっぽいものですが、
後にライブで演奏したロックバージョンはメリハリがあって、
こちらの方が好みです。
このアルバムの特徴は、多くの人が参加していて
分厚い音になっている事ですね。ソロデビュー前のチャー、
ウェストロードブルースバンドの塩次伸二さん、
サウストゥサウスの井上茂さん、元スモーキーメディスンの佐藤準さん、
元FTBの和田ジョージさん、
そしてメンフィスホーンズに対抗して作ったというパンタックスホーンズ。
総勢20人を超える人が参加しています。
(パンタックス・ホーンズに、後にライブで共演する事になる板谷博さんが
参加している事は、解説をみて知りました)
ホーンセクションは今回限りですが、ロック路線は次作にも続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます