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2月5日は、敬愛するPANTAの誕生日だった日です。この日は、PANTA、頭脳警察に関する事を何度か書いていますが、
今年もまた書かせていただきます。今回は、PANTAの音楽人生の後半における重要な曲である
「時代はサーカスの象にのって」についてです。
「時代はサーカスの象にのって」は元々は、寺山修司さん主催の天井桟敷のこけら落とし公演のタイトルです。
当初は「時には母のない子のように」がヒットしていたカルメン・マキさんも出演していたそうです。
観客参加型の演劇で、1年間のロングランとなっています。
寺山修司さんが亡くなった後、1984年に一周忌公演として「時代はサーカスの象にのって’84」が上演されています。
なお、この時の音楽担当は、ムーンライダースの鈴木慶一さんでした。PANTAと縁の深い人が、ここでもシンクロしています。
(後年、この時のサントラがCD化されたようですが、これは未聴です)
その後2002年に、高取英さんが主催の月蝕歌劇団により、「時代はサーカスの象にのって2002」が上演されます。
この時の公演は、高取瑛さんが元々の天井桟敷の演劇を編集し直したものとなります。
そしてこの時の音楽を担当したのがPANTAだったわけです。「時代はサーカスの象にのって」の曲は、最初は、
この時の演劇用の曲として作られたのでした。元々は色々な所に散らばっていた詩を、高取英さんが編纂し、一部修正した感じになりますね。
作詞に寺山修司、高取英となっていたのは何故かというのは、長年の疑問でした。しかしながら昔買っていたPANTAの自伝である
「歴史からとびだせ」のDVD付きの復刻版の追加のインタビューに経緯が語られていました。読んでいたと思うのですが、記憶に残っていませんでしたね。
この演劇では、月蝕歌劇団だけでなく、制服向上委員会のメンバーも参加しています。PANTAが月蝕歌劇団と、
どういった経緯で関わるようになったかはわかりません。制服向上委員会との関りも、この辺りから始まったのかもしれないですね。
制服向上委員会も、当時この曲を歌っていましたが、寺山さんの詩を若い子が歌うのは、何となく違和感を感じたりはしました。
この曲の出来が良くて、演劇だけで終わらせるのは勿体ないという事で、PANTAもライブで演奏してきたのですが、
2008年に頭脳警察としてのシングルとして発売されています。PANTAは自伝の中でヒットさせたいとは言っていましたが……。
実は、その前に映画「キャプテン・トキオ」の挿入歌として発表されていたりします。元々この映画は、頭脳警察の音楽をサントラに使用していて、
「さようなら世界夫人よ」を使う予定があったのですが、著作権の関係で難しいという事で、ならいい曲があると、PANTAが提供したものです。
ただ当時は、制服向上委員会が歌った音源しかなかったので、急遽、アコースティックギターのみで演奏したものを録音をして使用されています。
これが録音したものでは初のものとなりますね。
その後は、ライブ等でも演奏され続けていて、アルバムにも何回も収録されています。このライブアルバムでは、寺山さんの詩である「アメリカよ」を
PANTAが朗読してからの演奏となります。
頭脳警察以外でも、澤竜次さん(50周年頭脳警察のメンバーですが)とのユニットである隼での演奏もあります。
澤さんはPANTAのお気に入りだったようで、「ライブ葬」の元ネタでもある「会心の背信」でのライブにも
PANTA、トシのバックに参加してもいます。
頭脳警察最終作である「東京オオカミ」にも収録されてもいるのは、これからの世代にも歌い続ける事を願ったからでしょうか?
それはどうかはわかりませんが、これからも歌い継がれていってほしい曲であることは間違いないですね。
「時代はサーカスの象にのって」
頭脳警察が歌ったものは全然深みが違いますね。
PANTAさんのかすれた力強くそして温かみのある歌声、ロックですね。
ライラのバラード - 響
https://www.youtube.com/watch?v=b8I3kaGohZY
沁みますね
今の時代にこそ歌って欲しい曲ですね。
PANTAの歌に深みがあるのは、例え過ちだったとしても、その時の自分が正しいと信じてやっていたからだと思います。
そして自分がやってきた事には、その後の自分の行動で落とし前をつけると。
自伝でも語っていた事ですが、責任感の強さを感じます。
「時代はサーカスの象にのって」は、若い人にも歌ってもらい
受け継いでもらえればとは思っていますが、覚悟を持って歌う人は少ないだろうなと。
「ライラのバラード」ですが、元日本赤軍の重信房子さんの裁判の傍聴から話が始まります。
重信さんとの書簡のやり取りをしながら、PANTAが詩を書く事を勧め、その中で形になったのが
「ライラのバラード」ですね。パレスチナの為に動いたライラ・ハリドの半生について歌ったものですが、心を撃つような曲ですね。
罪を犯した事については償う事は必要ですが、
一度、罪を犯した人は喋る事も許されないような風潮も正さないといけないとは思います。
「ライラのバラード」そして「7月のムスターファ」を収録したアルバム「オリーブの樹の下で」は、いずれ記事にはしたいと思っています。
https://www.youtube.com/watch?v=MJ0vyr_466k