月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO. 12 J・A・シーザー「国境巡礼歌」

2022-02-10 11:36:44 | J.Aシーザー、天井桟敷関連

もう一人、敬愛するアーチストであるJ.A.シーザーですが、

90年代の初めの頃は、文献でしか名前を見る事がない

幻のアーチストでした。

元々、寺山修司さんの右腕として天井桟敷の舞台の音楽や

映画のサントラを担当したりして、表舞台には出てこない人でした。

発表されたのは前述の音源が殆どで、

自分名義で発表されたのは、デビューシングルと

(当然ながら激レアです。後年になってオムニバス盤にてCD化してます)

ライブ盤であるこの「国境巡礼歌」ぐらいです。

 

1973年2月に日本青年館で開催されたJ.A.シーザーリサイタルを

編集した本盤は、寺山修司さんが構成、演出を担当し、

新高恵子さんや蘭妖子さん、昭和精吾さんらの

天井桟敷のメンバーも参加し、演劇色が強いリサイタルでした。

シーザーの紡ぐ音楽は、和風をベースとしながら混沌とした独特な音楽で、

この時は、初期のピンクフロイドの影響が若干感じられます。

しかしながら唯一無地の音楽は真似が出来ないものです。

確かに聴く人を選ぶ音楽ですが、興味があれば体験してみればと思います。

最後に収録されている「大鳥の来る日」は圧巻です。

 

国境巡礼歌 (full album) - J.A. Seazer & Tenjō Sajiki (1973) - YouTube

 

90年代の終わりになって、突如シーザーは一部で注目される事になります。

「少女革命ウテナ」というアニメで、劇中歌にシーザーの作品が使われたのです。

毎回の決闘シーンで使われたシーザーの曲が妙にマッチして、

アニメファンの度肝を抜く事になったのです。

それ以降、発表される事のなかった作品も世に出るようになりました。

そして「国境巡礼歌」も完全盤も発表されました。

まずは、5枚組の音楽作品集で発表、後にミックスとマスタリングをやり直した

単独盤も発売されています。

 

入手を考えるならこちらの方を勧めたいですが、残念ながら入手困難です。

公演最後に歌われる「山に上りて告げよ」には衝撃を受けました。

 

シーザー関連は、また少しずつ紹介していきたいと思いますが、

マニア以外には需要はないでしょうなぁ。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿