「悪魔と11人の子供達」とほぼ同時期に発売されたのが、
「カルメンマキ/ブルースクリエイション」です。
カルメンマキさんは元々ロック志向が強かったようで、
「時には母のない子のように」以降のアイドル的な扱いには
納得していなかったようです。
それでも「アダムとイブ」というアルバムではコンセプトアルバムにも
挑戦したりしています。
当時は、アル・クーパーやジミ・ヘンドリックス、
ジャニス・ジョプリン等の影響が強かったとの事。
そんな中、ブルースクリエイションとの共演が多くなり、
一緒にアルバムを制作することになりました。
発売当時のライナーによると、レコード会社が押し付けたものではなく、
自主的な行動だったという事です。今後もレコーディングを
続けるという事が記載されていますが、残念ながら叶わぬ夢となりました。
アルバムはカバー3曲、オリジナルが5曲の構成です。
1曲目の「アンダースタンド」は、フォークジャンボリーでも歌われた
ハードなナンバー。当時から得意だったようです。
オリジナルナンバーは、メロウな曲が多いです。
個人的には、もっとハードなナンバーがあっても良かったと思いますが、
「空しい心」でしっとりと歌うマキさんもまた悪くないですね。
後半は、トラディショナルなナンバーをハードなアレンジに仕立て直した
「母のない子」が個人的にはお気に入りかな。
竹田さん、ギター弾きまくっています。
最後もトラディショナルなブルースナンバーの「セントジェイムス病院」で
締めくくられます。派手な曲は少ないですが、
聴きどころも多く、歴史的な共演としての価値も高いと思います。
オリジナル盤の帯付きは、かなりのレアものという事です。
そういうことで売れ行きとしては…だったようです。
残念ながらブルースクリエイションは、1972年に解散、
後にメンバーが変わってクリエイションとして再出発することになります。
そしてマキさんに竹田さんが才能のあるギタリストとして紹介したのが、
春日博文さん。これがきっかけで、カルメンマキ&OZが
結成されることになります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます