月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.3 裸のラリーズ ラストワンは陽の目を見ず

2022-01-13 23:53:43 | サイケデリック

裸のラリーズに関しては、日本のアンダーグラウンド界のラスボス的存在として、

もう少し後の段階で書くつもりでしたが、事情が変わり急遽先に書くことにしました。

 

年末年始の仕事の忙しさも落ち着いて、暫く行ってなかった本屋に顔を出す事にしました。

目的は、よく読んでいるレコードコレクターズ誌の記事を読む事。

表紙を見てみると下部の方に裸のラリーズの文字が。

レコードコレクターズ誌に名前が載るのは珍しい事なので、

もしかしたら発掘音源が発売されるのかと期待しながらページをめくると…、

 

「水谷孝が死んだ」

 

衝撃的な言葉から始まり、思考回路は停止しました。

記事によると2年前にすでに亡くなっていたそうです。

1996年にクラブチッタでライブを行ってから25年。

もう一度ライブを見たいという夢は、ついに叶いませんでした。

 

記事には意外な人物との晩年のやり取りが書かれていました。

一時期ラリーズのメンバーとして参加していた久保田麻琴氏です。

亡くなる半年ぐらい前に水谷氏から連絡があったようで、

やり取りをするうちに、最後に最高の作品を出したいという感じになったそうです。

作品を出したらアメリカでツアーをして、最後に武道館でラストライブをしたいと。

そしてベースは細野晴臣にやってほしいというリクエストも。

(何で細野氏と思ったのですが、南正人氏の「回帰線」で共演しているのですね)

久保田氏が細野氏に連絡したら、何と即答でやるとの事。

そのあたりで水谷氏の体調が急に悪化したようで、この話はこれで終わってしまいます。

何とも信じられない話で、どこまでが真実かはわかりません。

「信じるか信じないかは貴方次第です」っていう事だろうか。

もし実現していたらと思うと…。でもマスコミはガン無視だろうなぁ。

興味ある人がいましたら、レコードコレクターズ誌2022年1月号を読んでみてください。

 

そして水谷氏の遺族によって、裸のラリーズの公式サイトが開設されました。

Les Rallizes Dénudés (lesrallizesdenudes-official.com)

今後は、新しく立ち上げたレーベルから音源が発売されるという事で、

久保田氏がリマスタリングを担当するそうです。

リリースに関しては、春ぐらいにアメリカのレーベルから「OZ DAYS LIVE」が

タージマハル旅行団を除いてラリーズを増やした仕様で発売との事。

その後に公式に発売された3作品が再発されるとの事。それも久保田氏がリマスタリングするとの事。

30年ぶりに再発となりますが、当時結局、2種類を買えなかったので、無事に再発されたら

当然すぐに購入して、ずっと引きずっていたもやもやした気持ちをすっきりさせたいです。

今後の動向に注目したいですね。

 

 


NO.2 頭脳警察 幻の野で叫ぶ

2022-01-11 13:12:01 | 頭脳警察、PANTA関連

前回からの続きで頭脳警察に関しての紹介をしようかと。

自分にとっての出会いは、名前だけに関しては高校時代ぐらいから認識していました。

百貨店とかで時々行われていた中古レコード即売会、機会がある度に自分は顔出していましたが、

よく壁にレア盤が飾ってありました。その時に見かける事が多かったのが頭脳警察でした。

当時はネットなんかない時代、検索なんて出来ませんでしたので、

どんな音楽かはまるでわかりません。グループ名のインパクトの大きさや

「3」のアルバムジャケの睨みつけるようなPANTAの顔の印象が強く、心には刻み付けられましたね。

 

少し時は流れ、当時よく読んでいたミュージックマガジン誌で頭脳警察が再結成された事を記事で読みました。

再結成後に発売された「7」がレヴューで滅多につかない10点満点がついていた記憶が残ってます。

まだ貧乏学生の時だったので、CDもなかなか買えず、しばらくは存在を忘れていました。

しかしながら、ふとした切欠でレンタル屋で頭脳警察があるのを見つけ、喜んで借りていったわけです。

高い評価だった「7」を聴いてみたのですが、正直ヤバいものを聴いてしまったとしか言えなかった。

それ以降、色々な本とかで調べたりして、のめり込む事になるわけです。

 

頭脳警察、PANTA関連については、いいアルバムが多数ありますので、今後少しづつ紹介をしていくつもりです。

で、最初はどれを紹介しようかと考えました。

本来なら発売中止となり、一部のファンのみが入手出来た日本ロック界屈指のレア盤といえる

「頭脳警察ファースト」から紹介すべきでしょうが、このライブ音源、革命三部作やここでしか聴けない曲もあったり

貴重な音源には違いないですが、頭脳警察に対してイメージしていた鬼気迫るものが希薄だと思います。

(悪いというわけではないですよ)この当時はPANTAとトシの二人編成なのですが、

当時のライブ音源には、イメージに近いものがあるので、まず最初にこれを紹介したいです。

 

 

 

1971年8月に三里塚で行われた日本幻野祭の実況録音盤の「幻野 幻の野は現出したか」です。

空港反対闘争の真っただ中に行われたイベントの記録であり、今の日本では想像出来ないピリピリした空気を感じる

当時の空気を封じ込めた、資料としても貴重なものです。

当初は2枚組のLPとして発売されましたが、大手からの発売でないのですぐに入手困難に。

オリジナルは論争(ヤジや怒号)やフリージャズの演奏なども収録されていましたが、

80年代に「幻野 EVIDENCE」としてロック関連の音源を中心に集めて復刻されています。

そして2003年に待望のオリジナル盤でのCD化。さらに記録映像もDVD化されBOXに収められてます。

マスターテープがないため、レコードからの盤起こしなのは残念ですが。

それ以降は復刻されていないので現在は入手困難になります。

 

内容は、内部でも反対意見があったぐらいなので、いつ暴動が起きてもおかしくないようなカオス状態。

演奏中に石が飛んできたというし、日本刀を持った右翼がいたとの話も。(解説のインタヴューに書いてあった)

そんな中で演奏された「銃をとれ」は、荒削りながらも迫力のある、その時でないと出来なかったであろう

凄い演奏であったと思うし、自分では一番お気に入りの演奏ですね。

 

幻野祭については色々な逸話があるようで、完全版CDの解説によれば、

フラワートラヴェリンバンドの出演予定があったが混乱状態だったので演奏せずに帰ったとか、

加藤登紀子さんも出演の予定だったとか。

そしてかの阿部薫さんも出演してそれは凄い演奏をしたとの事ですが、前半は録音出来ず、

録音したという後半部分は所在不明だとか。どこかに残っていれば聴きたいものですがね。


NO.1 音楽状況の変化についての一考察

2022-01-06 19:01:29 | アラカルト

以前ブログをやっていた時期と比較すると、音楽状況はかなり変わりましたね。

CDは売れなくなり、街中からは音楽が聴こえなくなり、

代わりにYouTubeでは、色々な人の音楽、

聴こうと思っても聴けなかった音楽も手軽に聴けるようになりました。

気が付けば、ハイレゾ音源を含むダウンロード販売も一般的になりました。

これも時代の流れですかね。

自分としては、ジャケットも含めて作品と思いますので、

やはりレコードやCDの方が好きですけどね。

あと思うのが、昔と比べて印象に残る作品が少なくなった事ですね。

21世紀になってからどんなヒット曲があったかと聞かれても、

ほとんど出てこなかったりしますね。

まあ、ちょっと聴いただけでおしまいって人も多いと思いますしね。

じゃあ昔の曲はどうかと聞かれたら、これがかなり覚えているものなのですね。

例えばピンクレディーの「UFO」は?と聞かれたら、これが結構覚えていて、

人によっては、振り付けまでわかる人もいるでしょう。

それだけ街には音楽が溢れていて、テレビでは多くの歌番組等で

音楽が流れていたという事ですね。

自分はレコードプレイヤーとか当時は持ってなかったので、

ひたすらFMとかエアチェックをして録音したカセットテープを聴いていましたね。

今思い返すと暗い青春だなぁ。

 

近年のものは心に残らないとは書いたけど、もちろん心に響くような曲もありますね。

自分にとっては、ここ最近で一番印象に残ったのは、Adoさんの「うっせぇわ」ですね。

不満をぶつけるような歌詞は、近年あまりなかった感じなので新鮮に感じましたし、

歌っているのが若い女の子っていうのも意外性があっていい。

何よりサビの部分の印象が強く、頭に残るというか癖になるというか。

インパクトが強かったから、後世にも歌い継がれるかもね。

で、実を言うと、この曲を初めて聴いた時、

何故か頭脳警察の「ふざけるんじゃねぇよ」が頭に浮かんだんですよね。

そういう前振りで頭脳警察についての記事を続けようと思ったのですが、

ちょっと長くなってしまったので、続きは次回に書きます。最初からグタグタだなぁ。

                  


NO.0 ごあいさつ

2022-01-03 21:33:11 | アラカルト

久方ぶりにブログを始めたいと思います。

十数年前、音楽を中心としたブログをやっていましたが、仕事も忙しくなったりでいつの間にか中断。

ブログの場所を借りていた会社もブログを撤退したため、今は跡形もありません。

暫くの間は、音楽も以前ほどお金もかけなくなり、昨今のコロナ過でライブも疎遠となりました。

そんな中、いろいろな意味で整理することを考え、ブログをもう一度やろうかなと考えていました。

しかしながら、長年愛用してきたパソコンが突然壊れてしまい、データの復旧を試みましたが、復旧不可能で

データがすべて消失してしまうアクシデントが。ショックが大きく、立ち直るには少々時間がかかりました。

ようやく気持ちも落ち着いたので、ブログを復活させようと思います。

暫くの間は、週1回ぐらいのペースで更新出来ればと思います。

 

個人的に好きな音楽は、ヒット曲ではなくマイナーなもの。

特に好きなのは、頭脳警察、JAシーザー等。70年代の日本のロック、内外のプログレッシブロックですね。

殆ど需要がないジャンルですが、マイペースで書いていくつもりです。

それに加えて、以前はそれ程取り上げなかったフォークやニューミュージック、カルトGS、アニメやサントラ関連も書いてみたいかな。

時には気分を変えて、昔の自分の音楽の思い出話しとかもいいかも。

出来るだけ続けていこうかと思いますので、よろしくお願いします。

 

ちなみにブログのタイトルは、以前やっていたブログのタイトルを流用、

某超有名なプログレッシブロックの名盤の日本語直訳したものです。