続・しっくりこないニュース

3月に馬券脱税裁判についてブログに書きました。
そして、公営ギャンブルファン注目の判決が23日に出ました。

外れ馬券　経費認定　所得税法違反は有罪　大量購入を重視(産経新聞) - goo ニュース

要するに、

ハズレ馬券は経費に認定します。
でも、脱税には変わりないので有罪です。
ただし、課税されるのは儲けから経費を差し引いた分のみです。

…ってコトです。
うん。
3月にブログに書いた時よりはしっくりきました。
そりゃそうでしょうよ。
当たり馬券にかかった馬券代のみ経費として認め、経費を差し引いた約28億円に対して課税！だなんて、そりゃ無茶ですやん。

例えば年収500万円のサラリーマン。
10年働いたら貯金は5,000万円ありますか？
答えは間違いなくNoでしょう。
だって、お金は常に動いてんですから。
それと同じやと思うねん。

今回の件はJRAと馬券口座との間をお金が行ったり来たりした結果、馬券口座の残高が1億4,000万円。
普通に考えりゃこれが「儲け」ですわな。
でも、国税当局が見たのは行ったり来たりのうちの「来たり」だけの部分。
今回のケースで言えば約28億円分がこの「来たり」に当たる部分やな。
確かに法律で「一時所得」ってのはそう規定されてるのかも知れん。
でも、現実問題その部分だけに課税だなんて、ちょっと庶民感情としてはとうてい納得できるものではないからね。
そういう意味では今回の判決はしっくりきました。

でも、新たにしっくりこない点が出たのも事実。
今回裁判長が下した判断。
「一般的に馬券購入費は『楽しみ賃』で、経費には含まれない」とし、今回の馬券購入方法を「娯楽より資産運用の一種と認められる。一般と異なり、利益を得ることに特化している」と指摘。当たり馬券の購入費だけが経費となる「一時所得」ではなく、先物取引や外国為替証拠金取引（ＦＸ）などと同様に損失を経費に算入できる「雑所得」と認めた。
…ってところ。

じゃあ聞くけど1日何レース買えば資産運用になるの？
1レースあたり何点購入していくらお金を使えば資産運用になるの？

今回の判決では、娯楽と資産運用との境目がハッキリせんやろ。

もし、同じようなケースで誰かが国税当局から課税されるようなことが起こり、それを不服として裁判を起こしたとしよう。
今回のケースより購入金額も、購入レース数も少ない。当然払い戻し額も少ない。
購入も不定期だったとしよう。
でも、被告は「これは資産運用だ！」と言い張ったらどうすんのよ？
ややこしい話になるで～。

だからね、今後もお上の屁理屈を押しつけられるようなしょーもない裁判に無駄な時間を割かない為にもオレはこう主張したい。

公営ギャンブルに課税はすんな！

オレは競馬しかしないから競馬限定で言うけども、馬券っつーのは買った時点でその額面の20％～25％が控除されてんです。
テラ銭ってヤツです。
分かりやすく言えばギャンブルの胴元に納める運営費みたいなもんです。
JRAにしても実質は国営。
要はテラ銭＝税金みたいなもんなのですよ。
その実質税金を購入時に2割も差し引いてんやから、さらに払い戻しにまで課税せんでもええやんって話ですよ。

「競馬でナンボ儲けても、もう課税はしませんで！」って話になってみ。
競馬ファンが増えるかも知れん。いや、確実に増えるやろな。
そうなると自動的にテラ銭も増えるやん。
実質税収増やん。
それではアカンの？って言いたいのですよ。

馬券の儲けは汗水流さずに得た収入だから非課税は認めん！なんて理屈は聞きたくないで。
ギャンブルなんて庶民のささやかな楽しみやないか。
もっと言うならギャンブルは「庶民のささやかな憧れの一攫千金の夢」やないか。
お上はそんな庶民の夢にまで課税すんのか！？って言いたい。
だったら宝くじの当選金にも課税しろよ。
同じ理屈やないか！

宝くじの収益金は公共事業に役立っているから当選金も非課税？
だったら競馬の収益も公共事業に使えばええやん。
それは法律上出来ない？
そんなこたぁお上の理屈であって庶民のオレらには関係ない！

…てな水掛け論になってしまうワケですよ。
こういう話をやり始めるとね。

税金の専門家、法律の専門家に言わせりゃ無茶な理屈かも知れん。
でも、庶民感情としてはこう言いたくもなるのです。

夢に課税はせんで下さい！

国民が税金を「納める」のではなく「取られる」という感覚にあるのは税金が国民が納得できる使われ方をしていないからだ。
それを棚上げしてこういう庶民のささやかな楽しみにまで目の仇にして課税対象にするのはこれまた庶民感情としてはしっくりきませんな。

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