今年の桜開花は平年より一週間から十日早いと聞いてやきもきしています。
というのは、4月8日(土)に佐倉の桜を仲間に見せようと張り切って高校時代のアメリカ留学仲間のリユニオンを佐倉で開くことを提案し、幹事を引き受けたからです。
4月3日にゴルフ場で見た桜は満開でもなく、本日4月4日にこの目で見てきた佐倉城址公園の桜も八部咲きでした。花の開き具合が満開でも、散り始めていないのは八部咲きで、ハラハラ散り始める状態を「満開」と称するようです。微妙ですね。したがって、本日の状況は「八部咲き」との判定です。やれやれです。
「三日みぬまの桜かな」と詠われるように、この時季の気温変化の激しさ、季節固有の強風、長雨であっという間にその姿かたちを変えてしまいます。美しさを誇る花のはかなさ、栄耀栄華も一寸先は闇、人間社会の栄枯盛衰を象徴するような桜が永く愛され親しまれてきた桜に日本人の思考経路が見え隠れします。
日本から贈られたソメイヨシノが見事な花を咲かせるワシントンのポトマック河畔。
そこに咲く桜は、佐倉城址公園のソメイヨシノとは比較にならないほどの肉厚な花をつけ、とても「はらはら」散るシロモノとは思えまえせん。「ぽとんぽとん」と落ちる音が聞こえてきそうなくらいの勢いです。日本人とアメリカ人の食生活の差による、体力の差を思い起こさせてしまうような見事な咲きっぷりの写真を友達が送ってくれました。
この時季のワシントンは気温も安定していて強風も吹かないため開花した桜は2週間以上も満開のまま咲き続け、永い間「見頃」が続くそうです。でも、桜って、明日はどうなるか分からないから「なんとか今日のうちに見ておこう」、「今日相まみえずば明日の命は計り知れず」といった緊張感とともに楽しむのが日本的ですよね。
ただ単に「美しい花を見る」のとは違う「お花見」に馴染むのはワシントンのチェリーブラッサムではなく、日本の染井吉野ですね、間違いなく。
私は日本のソメイヨシノの方が好きです。はらはらと頼りなげに散る姿にこそ日本人の心情に訴える真の桜の良さが感じられると思うからです。