星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(57) 油断

2007年06月28日 16時20分31秒 | Weblog

到着初日にやるべき事が自動車保険の更新とケーブルテレビの再接続(reactivation)であることは、長期滞在2年目ともなると、常識として身体に染み付いています。ケーブルテレビが開通すればインターネット、スカイプと「頭脳」にあたる情報インフラが整備され、自動車保険さえ更新されれば即刻「手足」が動き始めるのです。

留守中の面倒を見てくれているTさんが保険代理店に連れて行ってくれて、10分ほどで手続き完了。前回と同じ条件での更新であれば代理人による手続きも出来るのですが、今回は保険料セーブのため付保内容を見直したので、私と女房の両方の署名が必要でした。次回からはTさんに事前に代理手続きしてもらい、更新手続きに保険屋に行かなくて済む方法に切り替えられます。だんだん便利になります。早くも次回が楽しみです。

前回の経験から学習したもうひとつのこと。留守中はバッテリーのマイナス電極を外しておけばバッテリーが「あがる」のを防げるとのこと。これまたTさんのご協力を仰ぎ、到着直前に繋いでもらって充電したので、「手足」はスムーズに動き出しました。

滑り出し順調!さすが2年目! 次は「頭脳」の番です。これまた電話一本でOKです。なんてったってカナダですから。・・・・・そのはずだったのです・・・・。

顧客番号、住所・氏名を伝えて「中断してあったラインを即刻繋いでもらいたい」「なんでも承知してるんだい、こちとら長期滞在2年目のベテランだい、べらんめえ」てな調子で言ったわけでもないのですが、電話口からは「再接続の為にはエンジニアが現地に赴く必要があります。いまのところ一番早くて6月29日です」との落ち着いたお嬢さんの声。

これから十日ものあいだ頭脳無しで生活しろということ?取り付く島もなさそうなお嬢さんの口ぶり、頭をトンカチでガツンとやられたらこうなるんじゃないかと思うくらいに目の前が真っ暗になりました。「だ、だって、新規契約じゃないのよ。既に加入している者が、『解約』『切断』じゃなくて『中断』の手続きを事前にやってるじゃん!前回は即刻できたじゃん!」「はい。仰るように中断です。前回も中断でした。前回は再開日時を事前に連絡いただいていたので、間に合うように事前に現地に赴いていたのです。今回はこれが初めての連絡ですから、これからチェックして一番早くエンジニアをそちらに向かわせます。ただ現時点では一番早いのが29日なのです。もし早くなるようであれば連絡差し上げます。」このお嬢さん何処までも正しく、何処までも冷静なのです。

要するに、事前に電話一本、メール一本入れて「何月何日から再使用するので、それまでに再接続しておいてくれ」と言えば済んだ話でした。到着当日の電話一本で前回も再接続されたと思い込んだ「油断」があったとしか言いようがありません。今度という今度は完敗です。

その後の連絡で、二日早まり27日の夕刻までには開通するとの有り難いご案内。それまでは友達のパソコンを使わせてもらうか、Wireless LAN の看板の出たホテル、コーヒーショップなどにモバイル・パソコンを持ち込むかして、かろうじて他人さまの「頭脳」を使わせてもらうしかありません。

たかがインターネット、されどインターネット。無いと淋しく不便なものですねぇ!


ケロウナ便り(56) 一勝三敗

2007年06月28日 15時01分40秒 | Weblog

電気系統のトラブルにより出発便が約一時間遅れて成田を出発、バンクーバー到着が11時半を過ぎました。入国審査場はこれまで経験したことのないような長蛇の列で通過に一時間半を要す。税関の手荷物検査を済ませて表に出た瞬間に「あっ、もう一つ手荷物忘れた!」。冷凍した魚の開きと和食材を容れた保冷バッグが無いのに気づき、今通ったばかりの税関で係員に事情を説明するも、「航空会社の人間に言え。検査場への単独での逆流は一切ご法度。」と木で鼻をくくったような応対。たまたま通りかかった航空会社の職員に事情を説明して一緒に中に入ってもらい事なきを得たが、ケロウナ行きの国内線接続カウンターでまたひと騒動。

チェックインの係員が先ほどから銀色の外装の保冷バッグに盛んに視線を送っているのに気づいていたのでいやな予感がしていたが、「中身はスモークサーモンか?」と来た。「いや。半冷凍の魚である。ご覧の通りドライアイスも無ければ水漏れも無い。ノープロブレムでしょ?」と応じたら「手荷物として受け付けられるかどうか確認するから暫し待て。」「おいおい、いつも機内持ち込みしていて問題なしよ。匂いも無いことだしさ。」この最後の一言が余計だったみたい。「Oh, yeah!! It smells a lot. You must be used to it.」回りのカナダ人からも保冷バッグから魚の匂いが漏れている証言の連発。多勢に無勢と状況判断して一歩後退、「じゃ、どうすりゃいい?」とトーンダウンして係員の顔を立てる算段。

「上の階のチェックインカウンターで水漏れ防止用のシートに包んでチェックインするように。5個目の手荷物になるので超過手荷物料金が発生するかも知らないから、そのつもりで。カウンターには連絡しておくから」フライトの時間も迫ってきて、ゆとりをなくしつつある人の気持ちを逆なでするような最後の一撃。ムッとしながら無言でカートを押してチェックインカウンターへ。案の定下からの連絡は来ていなくて、再度事情を説明。「水漏れ防止シート??」何のことやらチンプンカンプンです。上司と相談して結局、大判のビニール袋に入れてチェックインし、「今回はOKですが、次回からは超過手荷物料金80ドルを申し受けます」で一件落着。心変わりしないうちに急ぎ足でゲートに向かう。

一難去ってまた一難!ゲート前でのセキュリティーチェックで「飲みかけの水?」「いや。あつ、しまったぁ!」機内で買った焼酎をそのまま持って歩いていたのでした。

「カウンターに戻って他の手荷物と一緒にチェックインしたら?捨てるのも勿体無いからさぁ。」階下のカウンターでチェックインした自分の手荷物に入れることは不可能と知りつつも、ただ捨てるのも勿体無いし、何らかの策があるかも知れないと、親切な保安検査員の忠告に従って先ほど離れたチェックインカウンターに戻って、先ほどの上司と相談です。

「機内持ち込みのバッグに入れてチェックインするより他に手は無いね。ゲートに戻って取って来たら?」さすがに、「その場合も追加料金見逃してくれる?」なんて悠長なやり取りをしている時間も無い状況でもあったので、「あんた、酒は好き?これ機内で買った超高級の酒なんだけどさ、今日はすっかりお世話になったからあんたにあげるから、なんかの時に使ってよ。じゃぁね。」と太っ腹のところを見せてやりました。「おいらの顔よく覚えておいてよ。次のときもまたヨロシクね!」と付け加えるだけの余裕が無かったのが悔やまれます。

おさらいしましょう。

出発遅れ1時間、入国審査遅れで1時間、手荷物のゴタゴタで1時間。合計3時間がつぶれたので、3時間半もある乗り継ぎ時間があっという間に過ぎ、退屈しないで乗り継げました。一勝三敗と負け越しにみえても物は考えようです。実は勝っていたのです。 負け惜しみかな?