絶対

「絶対に！」

と頭につけて話す人のことを、私は信じない。

「ぜってー！」

でも同じなのだが。

私の座右の銘は、

絶対に絶対はない。

だが、これとて論理矛盾はある。

絶対はない。
絶対にない。

絶対はないことが、絶対にないのなら、絶対はあるよね？


ラップでdisrespectを「disる」と使うようになった、「侮蔑する」という意味の言葉。当たり前に使うようになった。

若い頃は、人を完全否定することは簡単だった。

でも、何らかの形で関わり合った人は完全否定できなくなってしまった。

少なくともその人は生きているし、生きていた。
虚構であったとしても、その人と関わったことは記憶に焼き付いている。

生を否定するのは、死ぬことを求めることだが、そんな人間は自分も含めて存在しない。

完璧な人はいないだろうし、もしそんな人がいたら全くもって怖い限りだ。

人でも、組織でも、同じ。


毎年発表される、ノーベル賞の内容をすべて理解することは不可能だと思うし、ギネス記録は塗り替えられる。

不可能と可能の境は、現在進行形で変わっていくし、そうなると絶対的基準も変わる。

全ては相対的だと考えると、基準点が消える。


そうやって歳をとったせいか、全否定も全肯定もできなくなってしまった。

頑張って悪役を演じたり、善人を演じたりしようとするものの、頭痛でやってられなくなる。

降参せざるを得ない。

自衛隊や警察機動隊や教習所の教官は、それはまた全力だと思う。
死んでほしくないから、鬼になれると思う。

やっぱり最大の敵は自分だと思い、でもまぁ今日のところは許してやろう。と一服する。

まだタバコをやめられそうにない（笑）