ささかのブログ

雑多な思考整理のためにブログを活用中。
自分が生きやすくなればいいと思うけれど、教祖になるつもりはない。

マズローと欲求

2021-11-01 21:31:54 | Human
「マズローの欲求段階説」というのがある。

自己実現理論ともいう。


理論では下位の欲求が満たされ、上位の欲求に移行する。

しかし、下位の生理的欲求がなくなったらそもそも生きられないので、その欲求そのものはなくならない。

食事も睡眠も息も、その欲求がなければ死んでしまう。


愛情は身も蓋もなく言えば性的欲求でもあり、集団維持のための欲求でもある。

生き物は基本的に子孫を成す本能がある。

植物でさえも生き残りをかけて繁殖を行う。


人の場合、若年期には性的欲求が強いけれど、子供を成したあとは育成の義務が発生する。

単純な性的欲求だけで生きることはできない。

育成のための金銭や家を確保して、家庭を維持する必要ができる。

いわゆる、「社会の現実」が待っている。

子供を保護して育てるのが親の義務となる。

女性は家庭を守り、男性は会社に勤めて定期的な収入を得るというのが、今の日本の家庭モデルでもある。


問題は子供が自立する段階で。

子供が精神的・経済的・社会的に自立するとなると、親もまた自立する必要ができてくる。

保守的な家庭環境のままでいられなくなり、また新たな目標を立てて生きていく必要がある。

だがしかし、欲求の強さは若いほど大きい。

若いほど欲求が強く、それが満たされないから大量のエネルギーを発揮できる。

性欲が満たされ、それが夢見るような愛情でもなく、現実的な社会生活であった。

生きる目標が生活の維持であり、新たなことに挑戦することではなかった。

そのように歳を取ってしまい、新たな欲求による抑えきれない衝動エネルギーは、実のところすでにない。

というか、その衝動を抑えることが求められる。

若いときのエネルギーは、満たされない欲求から発揮される。

その欲求は、未知であるからこそ夢を見ることもあるし、絶望になることもある。

恋愛に夢見たりすることもできる。

現実を経験してしまうと、そんな夢見ることでもなかったりするのだけれど。

欲求が満たされてしまって、次を目指さなくなる。


一つの解決手段としては、絶対に満たされない欲求を持つこと。

性的倒錯も一つの手段で。

絶対に満たされない欲求であるからこそ、エネルギーを維持できる。

まぁ、実際にそれを実行すれば、確実に人生が終わるようなことを妄想するのも、モチベーションの維持にはなる。


そんなエネルギーの爆発を日本では漫画やアニメが吸収できる。

「魔法少女にあこがれて」
を読んで、そのエネルギーがどうしてすごいのか考えると、絶対に満たされない欲求があるからなどとは思った。

同性間の恋愛が達成されても、永遠に終わりはない。

逆に言えば、だからこそずっと夢を見ることもできる。

この前提には、バイ・セクシャルやトランスジェンダーは含まないけれど。

そしてこれはこのブログを書くきっかけなのだけれど。


恋愛対象としては、アイドルを好きになるということもあるなぁ。

偶像を好きになれば、ほぼ満たされることはない。

というか、イコンである偶像と生活の価値観が合うとも思えない。


ドラゴンボールでも、宇宙戦艦ヤマトでもいいけれど。

人類に惑星を壊すエネルギーはないよなぁ。
その前にそのエネルギーで、自分や自分たちが死ぬ。

だからこそ憧れるということはあるのだろうなぁ。

大人になって、現実と呼ばれる、世間一般常識を見るようになると、なかなか想像できない世界でもある。


そうだとしても、大人がそのような夢想を行なってはいけないわけでもなく。

創作の中では、馬鹿げた物語は作れる。

MARVELやスターウォーズシリーズや、それらの空想物語に大人も熱中できるし、そういったものを作っているのもやっぱり大人だったりする。


それでもクスリを使ってトリップするのは違うとは思うけれど。


理性的に原理原則を積み重ねて実現できる夢はあるけれど。

外乱が多くて、なかなか到達できないのもそれだったりする。

音楽や絵画など、芸術にも終わりはない。

それを追いかけているうちは、欲求は永遠に満たされないだろうな。

若くいるというのはそういうことかもしれないなと。