教科書に書いてあることは、80%合っていれば良い方です。
人類の長い歴史の中で、
「こう考えればかなり現実と合う」
と見つけられたのが、理論や法則です。
理論や法則を使えば、たくさん試したり間違えたりすることなく、時間もコストも労力も少なく、小さなエネルギーで物事を実現できます。
そのための知識が入る図書館は、無料でその方法を得られるわけですから、使わない手はないと思うのですが。
どのような出自なのかはわかりませんが、理論と理屈のシミュレーションだけ考えれば、現実がその通りになるし、間違えないと考える人もいます。
その人に言わせると、間違えない。
現実で間違えることを知らない。
現実で間違えるのが怖い。
ところがそのような人の指示を聞くと、現実問題を考えていないために、失敗が目に見えていたりします。
特殊なネジを回すには、特殊なネジ回しが必要だけど、それをどう調達するかわからないとか。
調べたら調達に2週間かかる。
1週間後には特殊なネジを使ってモノができていないといけない。
理論上はできても、現実にはできない代表例みたいなことです。
例外として数学があります。
数学の理論上であれば、100%の正解が存在する。
人の見つけ出した理論土俵です。
しかし、現実の問題は、物理学レベルで言えば、物体を構成する原子の電子は、光の速度で移動し続けているので、確率的にしか存在を論じれない。
80%を理論で正解や成功に導けたとしても
、残りの20%は、実際に試して失敗したり、試行錯誤して少しずつ正解が見えてくる。
これが、研究開発です。
間違えたことがない人は、そもそも何もやっていない。
万人が当たり前にできる、初歩的な教科書レベルのことしか、やっていないということ。
必ず失敗する領域に、一切触れていないということ。
研究開発をする者なら、恥じるべきこと。
しかしこれを逆手に取って、失敗しまくる人もいる。
これに対しては、もっと勉強してくださいと思う。
80%うまくいく方法があるのだから、まずそれを使ってください。
理論や理屈で考えて合理的な方法でやってみて、その先にある、理論化されていない現象を理論化する必要があるのです。
何が原因で失敗したのか明確にする必要があるのに、そもそも何をやっていたのかがわからないのでは、議論が展開できません。
他には、どこまでがOKで、どこからがNGかを探るという検証がありますが、これもまた研究領域であり、多くの人が知らない領域です。
失敗が必須の研究です。
多数の人間の感性領域のユーザーインタフェースでは、このようなNG領域が非常に大きい。
現場現物現実を原理原則で見て考える。
5ゲン主義とか言います。
これができないと、どんなに学校の成績が良くても、頭が良いことにはなりません。
頭の中の想像だけではなく、手足口目耳鼻舌が備わっているのなら、しっかりと使って五感で感じ取り、汗をかいて筋肉を収縮させて、やっとわかる領域がある。
非常に時間がかかるし、費用コストもかかる。
そのために、学校・大学がある。
日本では、大学が大学の役割を忘れてしまっている感じもするけれど。
勉強は、スマートではなく、とても泥臭い地道な努力です。
それが楽しいと思える奇特な人が勉強をするんです。
他人との点数競争ではないんですよ。
基礎は大切だし、個々人の各論には間違いが多い。
しかし私が義務教育中に、そのことを教えてくれる人はいなかった。
だから自分で考える必要があったのだけれど、自分で考えて間違い続けたから、色々調べる意味もわかった。
自分で理解することが一番学習効率が高い。