先日の夜に、家族で、どの国へ行きたいかと話していて、ふとノルウェーが浮かんだ。
そんなことから、夜、ノルウェーの作曲家グリーグの歌曲集を取り出すと、過去にはかなり勉強した時期もあったんだな、と思った。
グリーグの歌曲と言えば、組曲『ペール・ギュント』のなかの一曲である『ソルベイグの歌』や『ソルベイグの子守歌』など、良く知られている。
少し調べてみたら、興味深いエピソードがあったので、ご紹介します。
『ペール・ギュント』は1867年に劇作家イプセンが作ったレーゼドラマです。
レーゼドラマとは、上演を目的としない読まれる脚本形式の文学だそうです。
でも、この作品が上演されることになり、作品の不足を補うために、イプセンがグリーグに作曲を依頼しました。
この音楽は何回も改訂が繰り返されて、1875年に完成したのに、ペータース社から全部のパートが揃って出版されたのは1987年です。
グリーグは、ノルウェーの民族音楽のエッセンスを作品に取り入れていました。
このペール・ギュントのなかの「朝」という曲の冒頭にも、ハーディングフェーレという、ノルウェーの民族楽器が使われているそうです。
ハーディングフェーレは、ヴァイオリンよりやや小型で、4本の演奏弦のほかに、駒と呼ばれる弦と響板の間の、弦を保持し振動を伝える部分に、4~5本の響鳴弦が張られているそうです。
グリーグは従姉妹のソプラノ歌手、ニーナ・ハーゲンルップと結婚し、1867年以降の歌曲はほとんど奥様のために作曲しました。
また、音大で勉強したお兄様のためにチェロの曲を作りました。
では、ペール・ギュントのお話そのものも、おもしろいので、のせます。
あらすじは、以下のようになっています。
落ちぶれた豪農の息子ペール・ギュントは、母と暮らしている夢見がちな男。
かつての恋人イングリを結婚式から奪取して逃亡する。
イングリに飽きると、イングリを捨ててしまう。
その次に、トロルの娘と婚礼寸前まで行くが逃げ出してしまう。
純情な女ソルヴェイと恋に落ちるが、彼女を待たせたまま放浪の旅に出る。
山師のようなことをやって、金を儲けては無一文になったり、精神病院で皇帝になったりした後、老いて帰郷する。
死を意識しながら故郷を散策していると、ボタン職人と出会う。
彼は、天国に行くような大の善人でもなく地獄に行くほどの大悪党でもない「ふつう」の人間をボタンに溶かし込む役割の職人だ。
「末路がボタン」というのだけは御免だと、善悪を問わず自分がふつうではなかったことを証明しようと駆けずり回るが、トロルの王も「やせた男」もそれを証明してくれない。
最後の証人として会ったソルヴェイに、子守唄を歌ってもらいながら、死ぬ。
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