日本プレスセンタービル日本記者クラブで、創樹社様(東京都文京区湯島)創業40周年記念カンファレンスと感謝の会が行われました。
創樹社は住生活産業を主軸とする雑誌・出版社です。
『ハウジング・トリビューン』という住生活産業総合情報誌は、vol.678が令和6年3月8日に発行されます。
カンファレンステーマは『花びら産業を目指して』でした。
カンファレンスには、伊藤明子氏、松村秀一氏、佐藤淳氏が登壇されました。
伊藤明子氏は、2017年に国土交通省で女性として初となる局長(住宅局)に就任された方で、2019年7月より消費者庁長官を務められました。
現在は、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター顧問をされているそうです。
「消費者ニーズと住まいに求められるもの」というテーマで70分くらいのお話でした。
午前に横浜でカメラのイベントにご出席されていたようで「消費者」とはなにか、というお話からスタートしました。
新築戸数推移のデータを敢えて外してみる、など、俯瞰的な視点での「住生活」を話されました。
まとめとして「真のすまい as a service」を提言されました。
「生まれ変わっても住宅局」という言葉に、熱意を感じました。
松村秀一氏は、早稲田大学理工学術院総合研究所、研究院教授です。
東京大学でも教鞭を執っていらっしゃったようです。
「堅実なプロダクトから豊饒なプロセスへ」というテーマでした。
資料に写真が多く掲載されていて、昔の大手ビルダーの仕事を見ることができて、楽しかったです。
また、資料に「40年前のオリコンTOP18」を潜ませて、持ち歌を赤字にするなど、ユーモラスでチャーミングでした。
1982年の建設省住宅局住宅生産課監修資料など興味深く見ました。
「freedom to build」や「(環境設計の手引)パタン・ランゲージ」など、有益なお話でした。
資料の中にあった「『人の生き方』の実現に利用する構想力」という言葉が、印象的でした。
佐藤淳氏は、東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授で、スタンフォード大学客員教授もされているそうです。
「森に棲む月に棲む/月に即席で構築するベースキャンプ」というテーマでした。
月の「極域/南極」には地球の白夜のように太陽の沈まない「永久日照」があり、発電や極寒を避けられることから、滞在候補地とされているようです。
人が滞在候補地へ棲む準備をする「ベースキャンプ」作りをされている、とのことでした。
「極域/南極」の、極小型クレーターなどへのセットアップを動画でイメージを見せていただいたり、おもしろかったです。
壮大なお話で、世界の総力を結束し様々な支援を可能にするベースキャンプでした。
・Artemis計画の有人着陸、有人ローバーによる遠距離往来、索道の構築、大型永久影での水採取、推薬プラント構築、整地+無人遠隔施工+長期居住モジュール構築
滞在モジュールの展開の滑らかさにはびっくりしました。
机上での構想を常々実験していく必要があり、このようなお仕事をするには、人一倍の体力と根気が必要なのではないか、と、思いました。
資料もとても詳しく、おもしろく、興味深い内容でした。