遊んでばかりの7匹の猫は、今日も一緒だった。
この日重大な秘密を聞き付けて来たのは、みんなから『あか』と呼ばれている猫だ。
あかはみんなに言った。
『満月の夜、イワシ7匹の骨を月にかざすと、その時に唱えた願い事が一つ叶う。』
7匹の猫は1猫1匹、イワシの骨探しを担当して、力を合わせることになった。
とうとう待ちに待った満月の夜が来た。
イワシの骨は満月の夜に探し出されたものでなければならなかった。
この日のために周到な計画が立てられていた。
7匹の猫は異様な緊張と熱気に包まれていた。
満月が真上にと場所を変えた頃、あちらからこちらから、ポツポツと7匹の猫が戻って来た。
みんなそれぞれの手にイワシの骨を握りしめていた。
あかは言った。
『すばらしい!イワシ7匹の骨が集まった!』
『さぁ、願い事を考えよう』
あかはなかまの顔を覗き込むようにして見回した。
『ぼくの願いは今夜イワシの骨を見つけることだった』
一匹の猫が言った。
『ぼくも』
『わたしも』
みんなが口々にそう言った。
願い事は叶ってしまっていた。
この日を迎えるまで、とても充実していて楽しかった。
なかまと何度も会議を開き、議論を戦せて作戦を立てた。
あかは思いついた。
『そうだ、新しい宿題をもらおう』
子猫小学校の頃は宿題は嫌だった気がする。
でも新しい宿題が出たら、またみんなで力を合わせて解決したいと思った。
みんなも賛成した。
7匹の猫は『宿題をください』という願い事を唱えるために、月に一番近い丘に向かった。
《おわり》
〇猫が1匹多かった(笑)
○木の写真は、朝公園で。