のほほんとしててもいいですか

ソプラノ歌手 佐藤容子のブログです。よろしくお願いいたします!

トゥーランドット

2006-07-26 | 『音楽のはなし』
愛することと、愛されることと、どちらのほうが幸せなんでしょうか。

オペラ、トゥーランドット、を調べてみました。

トゥーランドット、とは、ペティ・ド・ラ・クロワが出版した『千一日物語』の中の「カラフ王子と中国の王女の物語」に登場する姫の名前。

中国語では、『杜蘭朶』と書く。

「トゥーランドット」は、アラビアからペルシャにかけて見られる「謎かけ姫物語」と呼ばれる物語。

このトゥーランドット物語はオペラだけでも少なくとも12人の作曲家の作品がある。

有名なもの、その1.
カール・マリア・フォン・ウェーバーが作曲、1809年にドイツ・シュトゥットガルトで初演された劇。中国らしさを出すためにジャン=ジャック・ルソーの『音楽辞典』の巻末譜例から『中国の歌』を引用している。

有名なもの、その2.
アントニオ・バツィーニが作曲、1867年にイタリア・ミラノで初演されたオペラ『トゥーランダ』。

有名なもの、その3.
ジャコモ・プッチーニが作曲、彼の1924年の没後遺された未完部分にフランコ・アルファーノの補作加えた3幕物のオペラ。


一番有名なのは、プッチーニのオペラ『トゥーランドット』

日本での『トゥーランドット』初演は1951年6月「東京オペラ協会」の旗揚公演として日比谷公会堂にて行われた(日本語訳詞上演)。

主なキャストは関種子・大熊文子(トゥーランドット)、木下保・荒木宏明(カラフ)、加古三枝子・伊藤京子・福士蝶子(リュー)、管弦楽は東京フィルハーモニー、指揮は東京オペラ協会の指導者、金子登。

その公演の第3幕、3大臣がカラフを誘惑する場面でストリッパーを登場させ話題になった、と記録にある


中華人民共和国での上演は、オペラ『トゥーランドット』は長い間、西洋諸国による中国蔑視の象徴的作品とされ上演されなかった。

改革開放政策後は、タブー視は次第に薄れ、1998年9月、ズービン・メータ指揮で公演が行われた。

人民解放軍部隊をエキストラ出演させ、紫禁城内の特設ステージで上演された公演は話題になった。


登場人物。

トゥーランドット姫 (ソプラノ)
中国の皇帝アルトゥーム、トゥーランドットの父 (テノール)
ティムール、故国を追われた盲目の廃王 (バス)
名前の知れない王子(実はカラフ)、ティムールの息子 (テノール)
リュー、若い娘。ティムールと王子に仕え、王子に密かに想いを寄せる召使 (ソプラノ)
ピン、皇帝に仕える大蔵大臣 (バリトン)
パン、内大臣 (テノール)
ポン、総料理長 (テノール)
役人 (バリトン)
ペルシアの王子 (テノール)
プー・ティン・パオ、首切り役人(唄なし)
合唱


時と場所: いつともわからない伝説時代の北京

第1幕
紫禁城の城壁前の広場。

役人が群衆に宣言する「美しいトゥーランドット姫に求婚する男は、彼女の出題する3つの謎を解かなければならない。解けない場合その男は斬首される。」

今日も謎解きに失敗したペルシアの王子が、月の出とともに斬首されるべく、喝采する群衆の中を引き立てられてくる。

王子カラフは、リューに手を引かれながらさ迷う盲目の父、廃王ティムールを発見し、3人は再会を喜ぶ。

ペルシア王子処刑の様子を見にトゥーランドット姫が広場に現れ、カラフはその美しさの虜となる。

ティムール、リュー、そして宮廷の3大臣ピン、パン、ポンが思いとどまるよう説得するが、カラフは新たな求婚者となることを宣言する。

第2幕
カラフの謎解きの場面。

トゥーランドット姫は、なぜ自分がこのような謎を出題し、男性の求婚を断ってきたのかを言う「かつて美しいロウ・リン姫は、異国の男性にだまされ、絶望のうちに死んだ。自分は彼女に成り代わって世の全ての男性に復讐を果たす。」

第一の謎「毎夜生まれては明け方に消えるものは?」カラフ「それは希望。」

第二の謎「赤く、炎の如く熱いが、火ではないものは?」「それは血潮。」

カラフは2つまで正解を返す。

最後の謎「氷のように冷たいが、周囲を焼き焦がすものは?」カラフは悩むが、これも「トゥーランドット!」と正しい答えをいう。

謎を解かれてしまったトゥーランドット姫は父アルトゥーム皇帝に「私は結婚などしたくない」と哀願する。

カラフは姫に「それでは私もたった一つの謎を出そう。私の名は誰も知らないはず。明日の夜明けまでに私の名を知れば、私は死のう」と提案する。

第3幕
北京の街にはトゥーランドット姫の命令が下る「今夜は誰も寝てはならぬ。求婚者の名を解き明かすことができなかったら住民は皆死刑とする。」

カラフは「姫も冷たい部屋で眠れぬ一夜を過ごしているに違いない。夜明けには私は勝利するだろう」とその希望を高らかに歌う。→これが有名なアリア「誰も寝てはならぬ」

ピン、パン、ポンの3大臣は多くの美女たちと財宝を彼に差し出して、姫への求婚を取り下げるよう願うが、カラフは断る。

ティムールとリューが、求婚者の名を知る者として捕縛され連行されてくる。

名前を白状しろ、とリューは拷問を受けるが、彼女は愛するカラフのために口を閉ざし、衛兵の剣を奪い取って自殺する。

リューの死を悼んで、群衆、3大臣など全員が去り、トゥーランドット姫と王子だけが残される。

王子は姫にキスする。

姫はリューの愛情を目の当たりにしてからその冷たい心にも変化が生じて、彼を愛するようになる。

ここで王子ははじめて自分の名前がカラフであることを告げる。

「名前がわかった」と姫は人々を呼び戻す。

トゥーランドットとカラフは皇帝の玉座の前に進み出る。

姫は「彼の名は…『愛』です」と宣言する。

人々は愛の勝利を喜ぶ。


なんだか、リューはやさしいですね。

リュー、死ななければチャンスがあったかも。なあんて。

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サックス:木管楽器

2006-07-24 | 『音楽のはなし』
あまり触れたことのない楽器、サックスについて調べてみました。

サックス、かっこいいですね。

サクソフォーンは、金属製の木管楽器の一種で、1840年代にベルギーの管楽器製作者、アドルフ・サックスによって考案された。

一般には真鍮で作られるが銀や銅が使われることもある。

ラッカーで塗装されているものが多いが、銀・金・プラチナなどでメッキされたものや、艶消し仕上げのものもある。

木管楽器と金管楽器の橋渡しを目的に開発された楽器で、木管楽器の柔らかさ・金管楽器の壮大さを兼ね備えた楽器。

クラシック音楽からポップス、ジャズまで、いろいろな分野の音楽で用いられる。

代表的な形態は吹奏楽が現在多いが、その他にもジャズバンドやビッグバンド(スウィング・ジャズ)、またオーケストラにも曲によっては参加することがある。

縮めてSax と呼ばれることも多い。


ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種がもっともよく使われる。

クラシカルサクソフォーンにおいてはアルトが標準的な楽器として用いられているが、ジャズ、ポピュラーミュージックにおいては、アルト、テナーも使われる。

ソプラニーノ
サクソフォーン中で最も小さい。音域が高いために一般的に用いられる機会は少ないが、サクソフォーンのアンサンブルなどで用いられることがある。

ソプラノ
サクソフォーン四重奏においてはリーダー的存在になる。また、テナーと同じ調性であるため、ジャズなどではテナー奏者が持ち替えて演奏することが多い。

アルト
サクソフォーン中で最も標準的な楽器である。サクソフォーンのための協奏曲はほとんどがアルトサクソフォーンのために書かれている。

テナー
アルトの次によく使われる楽器。調性がトランペットなどと同じで男性的かつ豪快な音色を持つことから、ジャズミュージックなどをはじめとしてソロ演奏時の楽器として重用されている。

バリトン
アンサンブル用としてはクラシカルサクソフォーンにおいては、アンサンブル楽器としての性格が強いが、ジャズミュージックにおいては、ジェリー・マリガンのようなバリトンサクソフォーンのソロ奏者が存在する。

バス
サクソフォーンのアンサンブルなどで用いられることがある。

コントラバス
世界でも数台しかなく、背の高い成人男性以外は演奏時に脚立を必要とする。サクソフォーンのアンサンブルなどで用いられることがある。

チューバックス
コントラバスが携帯に不便である為、管長を折り曲げて作ったのがこの楽器。音域はコントラバスと同一だが、マウスピースはバリトンと同じ物が使用可能。

オーロクローム
通常の音色で同時に2つの音を出せる、二重ソプラノ・サクソフォーン。フィリップ・ボスマンがこの楽器のために「ファンファーレIII」という協奏曲を書き下ろし、2002年にパリのラジオ・フランスでの演奏会、次いで2003年にブリュッセルのアルス・ムジカ現代音楽祭にて披露された。



サクソフォーンは大小さまざまな楽器があるが、それぞれの楽器はほとんど同じ形をしている。

サクソフォーンの管は、マウスピースに近い方からベルに近い方に向かって、ほぼ一定の割合で太さが増しており、全体として円錐状になっている。

このためサクソフォーンは整数倍の倍音を出すことができ、物理学的には開管楽器に分類される。


ソプラニーノおよびソプラノは一般にほぼまっすぐの直管(ストレート)である。

アルトからコントラバスまでは管の長さが長いため、一般には何回か管が曲げられた曲管(カーブド)の形状をしている。

管の折り返し部分はその形状からU字管と呼ばれる。カーブド・ソプラノと呼ばれる曲管のソプラノやストレート・アルトと呼ばれる直管のアルトも存在するが、生産本数はそれほど多くない。

管が直管であるか曲管であるかは音色にも大きな影響を与える。

カーブド・ソプラノやストレート・アルトは、コンサートにおいて音色的効果・視覚的効果をもたらすために使われることが多い。



サクソフォーンは楽器の成立時期、あるいはその性格から、特にジャズやポップスで重用される傾向が強い。しかし、近代のクラシックでもサクソフォーンが主旋律を奏でる曲、あるいはサクソフォーンのために作曲された曲が多数存在する。



ジャズ
ポール・デスモンド:テイク・ファイブ
ビリー・ストレイホーン(デューク・エリントン楽団):A列車で行こう
リー・モーガン:サイドワインダー

などなど。



クラシック
ジャン=ジョルジュ・カストネル:ユダの最後の王(1844年初演、オーケストラに取り入れられた最初の作品)
ジョルジュ・ビゼー:『アルルの女』(1872年)
モーリス・ラヴェル:ボレロ(1928年)
モデスト・ムソルグスキー/ラヴェル編曲:展覧会の絵
クロード・ドビュッシー:アルト・サクソフォンと管弦楽のための幻想曲
ジャック・イベール:アルト・サクソフォンと室内管弦楽のための協奏曲
アレクサンドル・グラズノフ:アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲

などなど。


有名なサクソフォーンメーカー
ヘンリー・セルマーパリ(Henri Selmer Paris)
ヤナギサワ(Yanagisawa)
ヤマハ(Yamaha)
ビュッフェ・クランポン(Buffet Crampon&Cie A Paris)
ユリウス・カイルヴェルト(Julius Keilwerth)


こんなにたくさん種類があるとは知りませんでした。

演奏してみたいです。

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ジュピター、無事おわりました。

2006-07-22 | 『コンサート』

今日は、銀座ライオンで、新シリーズ1、ジュピターのコンサートをしました。

ご来場くださった方々ありがとうございました。

久しぶりに雨も降らず、よかったです。

わたしはとても楽しく歌わせていただきました。



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アベマリアたち。

2006-07-20 | 『音楽のはなし』
「アべマリア」は、多くの作曲家たちを魅了し、たくさんの「アべマリア」が生まれました。

ほんとにそれぞれが美しく、1曲となるとどれにしようか、迷ってしまいます。

カッチーニも美しい、シューベルトも捨てられない。。。

皆さんは、だれのアベマリアがお好きでしょうか。

     シューベルト 

     モーツアルト 

     バッハ&グノー 

     G・カッチーニ 

      ビゼー 

     ストラビンスキー 

     サン・サーンス 

     アルカデルト

     トスティ

     ブルックナー

     ロッシーニ

     ヴェルディ

     フランク

                    などなど。



イタリアの作曲家カッチーニ(1545~1618)のアベマリアは、神秘的で、官能的、無駄がない美しさ。

フィレンツェのメディチ家に引き立てられたカッチーニは 当時人気のあったカストラートという去勢された男性歌手のために、その澄んだ高い声を使う美しい曲をたくさん書きました。



バッハは1685年3月21日 - 1750年7月28日のあいだ生きたドイツの作曲家です。

グノーは、1818年6月17日- 1893年10月18日のあいだ生きたフランスの作曲家です。

バッハ&グノーのアベマリアは、いっしょに作ったのではなくて、バッハの作った原曲をグノーが編曲しました。

これも、人気の高い一曲です

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バロック音楽。

2006-07-18 | 『音楽のはなし』
ひさしぶりにお勉強に戻ります。

バロック音楽からでしたね。

バロック音楽は、17世紀初頭から18世紀中頃までのヨーロッパの音楽で、ヘンデル、ヨハン・セバスティアン・バッハ、テレマン、ラモー、クープラン、ヴィヴァルディといった作曲家たちがいる。

みなさんは、誰が好きですか?
わたしは、ヘンデルのアリアが好きです。
バッハのピアノ曲も緩やかな緊張が好きです。

ルネサンス音楽時代の終了する1600年頃から、J.S.バッハの死去した1750年代までの約150年間とすることが多い。

バロックという言葉は、ポルトガル語で「歪んだ真珠」を意味する「Barocco」という単語に由来する。

女性の方は、バロックの真珠のアクセサリーをお持ちの方も多いと思います。

丸くなくて、石みたいに、不ぞろいな形がしてますよね。

バロック音楽の時代に起こった音楽史的に重要なことには、オペラなどの劇音楽が誕生したこと、そして本格的な器楽音楽が完成したこと。

バロック音楽時代の開始を告げるオペラは、イタリアのモンテヴェルディによるものである。

声楽曲では、ルネサンス音楽で生じたカンタータという教会音楽が盛んに作られるようになった。

ソナタ、コンチェルトなどの形式が発達した。

バロック音楽を特徴づけるのは、ルネサンス音楽の理想だった、均整さを打ち破っていったこと。
人間の情熱や感情といった情緒性をあらわす「劇的」な表現。

フランドル楽派の国際的な様式が、フランス、イタリア、ドイツなどの民族様式に同化していき、民族性の高い音楽文化を発展させていった。

この時代の器楽の重要なレパートリーであった舞曲が数多く作曲、出版されるとともに、拍子やテンポの違う各民族の舞曲が組曲としてまとめられるようになる。

バロック音楽後期に、イタリア、フランス、スペインなどの音楽を積極的に研究し、統合したのは、ドイツのヨハン・セバスティアン・バッハ。

J.S.バッハの生前の18世紀中ばから、時代は息子カール・フィリップ・エマヌエル・バッハなどに代表される多感様式(ギャラント音楽)に移っていった。

美術史上のロココ様式と共通して、軽快・優美・繊細な音楽が好まれるようになり、J.S.バッハは晩年には時代遅れと評価されるようになっていた。

古典派期以降、時代とともに忘れられた作曲家が多いが、ロマン派期にはメンデルスゾーンらによるJ.S.バッハ復興運動など再評価が進み、クラシック音楽のレパートリーとして演奏されるようになった。

20世紀になって音楽史の時代考証が進むにつれ、古楽器を用いて作曲当時の姿に極力近づけて演奏されるようになった。

      

次回は、古典派の音楽にいきまーす。

ひさしぶりのお勉強でした。

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