愛することと、愛されることと、どちらのほうが幸せなんでしょうか。
オペラ、トゥーランドット、を調べてみました。
トゥーランドット、とは、ペティ・ド・ラ・クロワが出版した『千一日物語』の中の「カラフ王子と中国の王女の物語」に登場する姫の名前。
中国語では、『杜蘭朶』と書く。
「トゥーランドット」は、アラビアからペルシャにかけて見られる「謎かけ姫物語」と呼ばれる物語。
このトゥーランドット物語はオペラだけでも少なくとも12人の作曲家の作品がある。
有名なもの、その1.
カール・マリア・フォン・ウェーバーが作曲、1809年にドイツ・シュトゥットガルトで初演された劇。中国らしさを出すためにジャン=ジャック・ルソーの『音楽辞典』の巻末譜例から『中国の歌』を引用している。
有名なもの、その2.
アントニオ・バツィーニが作曲、1867年にイタリア・ミラノで初演されたオペラ『トゥーランダ』。
有名なもの、その3.
ジャコモ・プッチーニが作曲、彼の1924年の没後遺された未完部分にフランコ・アルファーノの補作加えた3幕物のオペラ。
一番有名なのは、プッチーニのオペラ『トゥーランドット』
日本での『トゥーランドット』初演は1951年6月「東京オペラ協会」の旗揚公演として日比谷公会堂にて行われた(日本語訳詞上演)。
主なキャストは関種子・大熊文子(トゥーランドット)、木下保・荒木宏明(カラフ)、加古三枝子・伊藤京子・福士蝶子(リュー)、管弦楽は東京フィルハーモニー、指揮は東京オペラ協会の指導者、金子登。
その公演の第3幕、3大臣がカラフを誘惑する場面でストリッパーを登場させ話題になった、と記録にある
中華人民共和国での上演は、オペラ『トゥーランドット』は長い間、西洋諸国による中国蔑視の象徴的作品とされ上演されなかった。
改革開放政策後は、タブー視は次第に薄れ、1998年9月、ズービン・メータ指揮で公演が行われた。
人民解放軍部隊をエキストラ出演させ、紫禁城内の特設ステージで上演された公演は話題になった。
登場人物。
トゥーランドット姫 (ソプラノ)
中国の皇帝アルトゥーム、トゥーランドットの父 (テノール)
ティムール、故国を追われた盲目の廃王 (バス)
名前の知れない王子(実はカラフ)、ティムールの息子 (テノール)
リュー、若い娘。ティムールと王子に仕え、王子に密かに想いを寄せる召使 (ソプラノ)
ピン、皇帝に仕える大蔵大臣 (バリトン)
パン、内大臣 (テノール)
ポン、総料理長 (テノール)
役人 (バリトン)
ペルシアの王子 (テノール)
プー・ティン・パオ、首切り役人(唄なし)
合唱
時と場所: いつともわからない伝説時代の北京
第1幕
紫禁城の城壁前の広場。
役人が群衆に宣言する「美しいトゥーランドット姫に求婚する男は、彼女の出題する3つの謎を解かなければならない。解けない場合その男は斬首される。」
今日も謎解きに失敗したペルシアの王子が、月の出とともに斬首されるべく、喝采する群衆の中を引き立てられてくる。
王子カラフは、リューに手を引かれながらさ迷う盲目の父、廃王ティムールを発見し、3人は再会を喜ぶ。
ペルシア王子処刑の様子を見にトゥーランドット姫が広場に現れ、カラフはその美しさの虜となる。
ティムール、リュー、そして宮廷の3大臣ピン、パン、ポンが思いとどまるよう説得するが、カラフは新たな求婚者となることを宣言する。
第2幕
カラフの謎解きの場面。
トゥーランドット姫は、なぜ自分がこのような謎を出題し、男性の求婚を断ってきたのかを言う「かつて美しいロウ・リン姫は、異国の男性にだまされ、絶望のうちに死んだ。自分は彼女に成り代わって世の全ての男性に復讐を果たす。」
第一の謎「毎夜生まれては明け方に消えるものは?」カラフ「それは希望。」
第二の謎「赤く、炎の如く熱いが、火ではないものは?」「それは血潮。」
カラフは2つまで正解を返す。
最後の謎「氷のように冷たいが、周囲を焼き焦がすものは?」カラフは悩むが、これも「トゥーランドット!」と正しい答えをいう。
謎を解かれてしまったトゥーランドット姫は父アルトゥーム皇帝に「私は結婚などしたくない」と哀願する。
カラフは姫に「それでは私もたった一つの謎を出そう。私の名は誰も知らないはず。明日の夜明けまでに私の名を知れば、私は死のう」と提案する。
第3幕
北京の街にはトゥーランドット姫の命令が下る「今夜は誰も寝てはならぬ。求婚者の名を解き明かすことができなかったら住民は皆死刑とする。」
カラフは「姫も冷たい部屋で眠れぬ一夜を過ごしているに違いない。夜明けには私は勝利するだろう」とその希望を高らかに歌う。→これが有名なアリア「誰も寝てはならぬ」
ピン、パン、ポンの3大臣は多くの美女たちと財宝を彼に差し出して、姫への求婚を取り下げるよう願うが、カラフは断る。
ティムールとリューが、求婚者の名を知る者として捕縛され連行されてくる。
名前を白状しろ、とリューは拷問を受けるが、彼女は愛するカラフのために口を閉ざし、衛兵の剣を奪い取って自殺する。
リューの死を悼んで、群衆、3大臣など全員が去り、トゥーランドット姫と王子だけが残される。
王子は姫にキスする。
姫はリューの愛情を目の当たりにしてからその冷たい心にも変化が生じて、彼を愛するようになる。
ここで王子ははじめて自分の名前がカラフであることを告げる。
「名前がわかった」と姫は人々を呼び戻す。
トゥーランドットとカラフは皇帝の玉座の前に進み出る。
姫は「彼の名は…『愛』です」と宣言する。
人々は愛の勝利を喜ぶ。
なんだか、リューはやさしいですね。
リュー、死ななければチャンスがあったかも。なあんて。