今日はあたたかくて、いい日でした~
久しぶりに絵を描きました。
短いお話をつけますね。
【うさぎと王女】
いつのことか、もう誰も覚えていません。
ある時代の、ある場所の、ひとりの美しい王女は、幸せの時間に閉じ込められた、幸せの王女でした。
生まれた瞬間、彼女を取り囲んだすべての人の深い愛情を受け、もう一生苦労しないようにと、その人たちによって幸せの時間に閉じ込める魔法をかけられました。
王女は、ほかの者は一切は入れない幸せの部屋の中で、何の苦労もなくすくすくと育ちました。
何の苦労もなく。
王女は、ある時、考えました。
わたしは幸せの王女?-
素敵なお部屋、楽しいおもちゃ、おいしい食事。
ぜんぶあります。
でも、心の中はスカスカしていて、なぜか時々勝手に涙が落ちるようになりました。
そんなあるとき、誰も入れないはずのその部屋の中に、迷い込んだうさぎがいました。
こんにちは、うさぎさん、ようこそ。
こんにちは、王女様、すみません、お部屋を間違えました。
うさぎと王女は挨拶を交わしました。
王女はうさぎに聞きました。
うさぎさん、あなたは幸せの時間以外に生きているのでしょうが、不幸せですか?
わたしは、幸せの時間以外に生きてみたいので、わたしと入れ替わってもらえませんか?
うさぎは答えました。
わたしは幸せの時間以外で生きていますが、幸せでもあり、不幸せでもあります。
いいですよ、入れ替わりましょう。
うさぎが身代わりになってくれたことで、王女はやっと幸せの部屋の外に出れました。
不幸せの時間はどれくらい不幸せなんだろう…そんなことを考えながら城の外へつながる廊下を急ぎ足で進みました。
うさぎはひとり部屋に残り、そっと金ぴかな椅子に座りました。
10日経っても、なにも起こらず、すっかり飽きてしまいました。
もう部屋から出たいな…この幸せはこりごりだ…
王女はその後、どうなったかは誰も知りません。
でも、幸せの部屋には戻ることはありませんでした。
おわり
久しぶりに絵を描きました。
短いお話をつけますね。
【うさぎと王女】
いつのことか、もう誰も覚えていません。
ある時代の、ある場所の、ひとりの美しい王女は、幸せの時間に閉じ込められた、幸せの王女でした。
生まれた瞬間、彼女を取り囲んだすべての人の深い愛情を受け、もう一生苦労しないようにと、その人たちによって幸せの時間に閉じ込める魔法をかけられました。
王女は、ほかの者は一切は入れない幸せの部屋の中で、何の苦労もなくすくすくと育ちました。
何の苦労もなく。
王女は、ある時、考えました。
わたしは幸せの王女?-
素敵なお部屋、楽しいおもちゃ、おいしい食事。
ぜんぶあります。
でも、心の中はスカスカしていて、なぜか時々勝手に涙が落ちるようになりました。
そんなあるとき、誰も入れないはずのその部屋の中に、迷い込んだうさぎがいました。
こんにちは、うさぎさん、ようこそ。
こんにちは、王女様、すみません、お部屋を間違えました。
うさぎと王女は挨拶を交わしました。
王女はうさぎに聞きました。
うさぎさん、あなたは幸せの時間以外に生きているのでしょうが、不幸せですか?
わたしは、幸せの時間以外に生きてみたいので、わたしと入れ替わってもらえませんか?
うさぎは答えました。
わたしは幸せの時間以外で生きていますが、幸せでもあり、不幸せでもあります。
いいですよ、入れ替わりましょう。
うさぎが身代わりになってくれたことで、王女はやっと幸せの部屋の外に出れました。
不幸せの時間はどれくらい不幸せなんだろう…そんなことを考えながら城の外へつながる廊下を急ぎ足で進みました。
うさぎはひとり部屋に残り、そっと金ぴかな椅子に座りました。
10日経っても、なにも起こらず、すっかり飽きてしまいました。
もう部屋から出たいな…この幸せはこりごりだ…
王女はその後、どうなったかは誰も知りません。
でも、幸せの部屋には戻ることはありませんでした。
おわり