昭和52年6月、加藤一二三先生と第4回名将戦です。

大山先生の向い飛車、加藤先生はおとなしい受け方で、当時はこれが常識です。今はこの歩を突かないですませようという工夫があります。

57銀を見て加藤先生は桂を跳ねる、棒銀ではありませんね。

変わった仕掛けを狙います。

シンプルに桂を跳ねて

22玉の形が嫌ですが、67歩は気持ちよいです。ここで68角か69角か79角かと考えましたが、73角61飛62歩で桂馬を取られるのが嫌なんですね。

33角には55歩同歩73角。これで振り飛車が十分指せている感じがします。

56歩62角成66角53馬に57歩成。すごいことになりましたが、妥協はやりにくそうです。

その後大山先生は52馬同金41銀、22玉をとがめています。

角と金2枚の交換となり、大山先生がかなり得をした感じではあります。それで優勢かというと

88飛に56金が強い手で好手、と思ったら48飛成に66金は39銀同金同竜同玉48金で後手が勝ち?同玉57角47玉66角成36歩でまだ難しいのですか。
48飛成には同金同角成49金もあって、そこでどう指すか難しいです。57桂成は48金同成桂66角で抜かれます。角を打ってつなぐのですかね。

実戦は48角成同金89飛成で、これなら大山先生が良いでしょう。48同飛成に66角を見落としたというわけでもないのでしょうけど、不思議なやり取りです。

加藤先生は粘りに出ますが、駒損なのでこれでは不利です。

53同金にどうやるか見えないのですが、54歩なら52金同飛成41銀打で粘れます。

加藤先生はこの角打ちが攻防に見えたということでしょう。

この歩が敗着。73銀と打てば先手の勝ち方がわかりません。竜を逃げれば57歩です。

角を取らせたのでこの角が詰めろになって

投了図。
見たことのない仕掛けでしたが、振り飛車が良いのだと思います。でも終盤は何度か加藤先生にチャンスがあったはず。
後手をもって終盤を研究してみてください。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:加藤一二三棋王
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 3四歩(33)
11 4八玉(59)
12 6四歩(63)
13 3八玉(48)
14 4二玉(51)
15 6六歩(67)
16 3二玉(42)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 5八金(69)
22 4二銀(31)
23 5七銀(68)
24 7三桂(81)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 4六歩(47)
28 5三銀(62)
29 4七金(58)
30 6二飛(82)
31 6八飛(88)
32 6五歩(64)
33 同 歩(66)
34 同 桂(73)
35 2二角成(77)
36 同 玉(32)
37 6六銀(57)
38 6七歩打
39 4八飛(68)
40 3三角打
41 5五歩(56)
42 同 歩(54)
43 7三角打
44 5六歩(55)
45 6二角成(73)
46 6六角(33)
47 5三馬(62)
48 5七歩成(56)
49 5二馬(53)
50 同 金(41)
51 4一銀打
52 3一銀(42)
53 5二銀(41)
54 4八と(57)
55 同 金(47)
56 8八飛打
57 5六金打
58 4八角成(66)
59 同 金(49)
60 8九飛成(88)
61 4九金打
62 4二金打
63 8二飛打
64 3二銀打
65 5四歩打
66 6八歩成(67)
67 5三歩成(54)
68 5二金(42)
69 同 と(53)
70 6四角打
71 6二飛成(82)
72 5九と(68)
73 3九金(49)
74 5七歩打
75 6四龍(62)
76 5八と(59)
77 4七金(48)
78 3五桂打
79 5三角打
80 4七桂(35)
81 3一角成(53)
82 同 玉(22)
83 4二銀打
84 投了
まで83手で先手の勝ち

大山先生の向い飛車、加藤先生はおとなしい受け方で、当時はこれが常識です。今はこの歩を突かないですませようという工夫があります。

57銀を見て加藤先生は桂を跳ねる、棒銀ではありませんね。

変わった仕掛けを狙います。

シンプルに桂を跳ねて

22玉の形が嫌ですが、67歩は気持ちよいです。ここで68角か69角か79角かと考えましたが、73角61飛62歩で桂馬を取られるのが嫌なんですね。

33角には55歩同歩73角。これで振り飛車が十分指せている感じがします。

56歩62角成66角53馬に57歩成。すごいことになりましたが、妥協はやりにくそうです。

その後大山先生は52馬同金41銀、22玉をとがめています。

角と金2枚の交換となり、大山先生がかなり得をした感じではあります。それで優勢かというと

88飛に56金が強い手で好手、と思ったら48飛成に66金は39銀同金同竜同玉48金で後手が勝ち?同玉57角47玉66角成36歩でまだ難しいのですか。
48飛成には同金同角成49金もあって、そこでどう指すか難しいです。57桂成は48金同成桂66角で抜かれます。角を打ってつなぐのですかね。

実戦は48角成同金89飛成で、これなら大山先生が良いでしょう。48同飛成に66角を見落としたというわけでもないのでしょうけど、不思議なやり取りです。

加藤先生は粘りに出ますが、駒損なのでこれでは不利です。

53同金にどうやるか見えないのですが、54歩なら52金同飛成41銀打で粘れます。

加藤先生はこの角打ちが攻防に見えたということでしょう。

この歩が敗着。73銀と打てば先手の勝ち方がわかりません。竜を逃げれば57歩です。

角を取らせたのでこの角が詰めろになって

投了図。
見たことのない仕掛けでしたが、振り飛車が良いのだと思います。でも終盤は何度か加藤先生にチャンスがあったはず。
後手をもって終盤を研究してみてください。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:加藤一二三棋王
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 3四歩(33)
11 4八玉(59)
12 6四歩(63)
13 3八玉(48)
14 4二玉(51)
15 6六歩(67)
16 3二玉(42)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 5八金(69)
22 4二銀(31)
23 5七銀(68)
24 7三桂(81)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 4六歩(47)
28 5三銀(62)
29 4七金(58)
30 6二飛(82)
31 6八飛(88)
32 6五歩(64)
33 同 歩(66)
34 同 桂(73)
35 2二角成(77)
36 同 玉(32)
37 6六銀(57)
38 6七歩打
39 4八飛(68)
40 3三角打
41 5五歩(56)
42 同 歩(54)
43 7三角打
44 5六歩(55)
45 6二角成(73)
46 6六角(33)
47 5三馬(62)
48 5七歩成(56)
49 5二馬(53)
50 同 金(41)
51 4一銀打
52 3一銀(42)
53 5二銀(41)
54 4八と(57)
55 同 金(47)
56 8八飛打
57 5六金打
58 4八角成(66)
59 同 金(49)
60 8九飛成(88)
61 4九金打
62 4二金打
63 8二飛打
64 3二銀打
65 5四歩打
66 6八歩成(67)
67 5三歩成(54)
68 5二金(42)
69 同 と(53)
70 6四角打
71 6二飛成(82)
72 5九と(68)
73 3九金(49)
74 5七歩打
75 6四龍(62)
76 5八と(59)
77 4七金(48)
78 3五桂打
79 5三角打
80 4七桂(35)
81 3一角成(53)
82 同 玉(22)
83 4二銀打
84 投了
まで83手で先手の勝ち