昭和52年9月、加藤一二三先生と第36期名人挑戦者リーグ（A級順位戦）です。
大山先生の向い飛車で
加藤先生は急戦なのですが、棒銀ではありませんね。
これはツノ銀中飛車に対する加藤流の袖飛車急戦の応用です。
研究にはまってはつまらない、と大山先生は寝技気味に金を守りにつけます。
戦いが始まります。5筋を突き捨てると攻め筋が広がるのがこの戦法のいいところ。
加藤先生は1歩かすめて気持ちよさそうに思えるのですが
金で歩を取って大山先生も十分指せます。
加藤先生は銀を活用し
先手を取って
歩をたらす。3歩持っていたのに歩切れになりました。57同金に65桂から踏み込もうということでしょう。
大山先生は銀を打って、飛角交換になります。
相変わらず歩切れですが両取りがあってまあまあか。
でもここに金を打つのでは後手よしとも思えません。
加藤先生は端角が狙いでした。これで4枚目の攻め駒です。
63の金は捨てて攻めかかります。
48同金同馬68竜は38金18飛39馬で29馬もあるので受けがないんですね。
大山先生は桂を取って
ぎりぎりの受けです。
加藤先生が十分に見えるのですが、65桂同竜同馬同歩ではなかったのかな。
守りに金を使うようでは大山先生が有利。
銀も使わせたので端を突いてゆっくり攻めます。
加藤先生も手をつなぎますが
いろいろ埋めていくと桂得の分だけ大山先生が指しやすいです。
加藤先生は端を工作して
銀を送る寄せの手筋
38の桂も取れるので手ごたえはあるのですが、端に嫌味が残っているので悪くしたかも。
端を破られました。
大山先生は85角を利かして左右挟撃です。
味よく桂を跳ねる手が出て優勢に。
駒を使わせたらまた手を戻し
田楽刺しを食らいましたが
攻防に香を打ち返してリードを保ちます。
投了図。33玉に詰めろで47香が入ればよしです。
加藤流の袖飛車は玉が堅くて攻められるので優秀です。それを向い飛車にも応用できるのか？はわからないのですが、大山先生がおとなしく対応したので仕掛けとしては十分でしょう。
飛角交換のあたりは互角、端角から加藤先生が優勢になったかというところを大山先生がぎりぎりでしのいで互角、いつの間にか（96手目58飛のあたり）逆転しました。いつの間にか大山先生が駒得になって、駒を埋めて受けているうちに有利になっていく、そういう流れになるのが不思議です。加藤先生もいろいろ攻め筋をひねり出して食い下がり、なかなかの熱戦でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割：平手
先手：大山棋聖
後手：加藤一二三棋王
手数----指手--
1 ７六歩(77)
2 ８四歩(83)
3 ５六歩(57)
4 ８五歩(84)
5 ７七角(88)
6 ５四歩(53)
7 ８八飛(28)
8 ６二銀(71)
9 ６八銀(79)
10 ３四歩(33)
11 ４八玉(59)
12 ６四歩(63)
13 ３八玉(48)
14 ４二玉(51)
15 ６六歩(67)
16 ３二玉(42)
17 ２八玉(38)
18 ５二金(61)
19 ３八銀(39)
20 ７四歩(73)
21 ５八金(69)
22 ４二銀(31)
23 ４六歩(47)
24 ５三銀(62)
25 ４七金(58)
26 ７二飛(82)
27 ６七銀(68)
28 ７五歩(74)
29 同 歩(76)
30 同 飛(72)
31 ７六歩打
32 ７四飛(75)
33 ５八金(49)
34 ７三桂(81)
35 ３六歩(37)
36 １四歩(13)
37 １六歩(17)
38 ５五歩(54)
39 同 歩(56)
40 ６五歩(64)
41 ５六銀(67)
42 ６六歩(65)
43 ７八飛(88)
44 ７六飛(74)
45 ５七金(58)
46 ６四銀(53)
47 ６六金(57)
48 ７四飛(76)
49 ６五歩打
50 ８六歩(85)
51 同 歩(87)
52 ７五銀(64)
53 ５九角(77)
54 ７七歩打
55 同 飛(78)
56 ７六歩打
57 ７五金(66)
58 同 飛(74)
59 ７九飛(77)
60 ５七歩打
61 ６六銀打
62 ５八歩成(57)
63 ７五銀(66)
64 ５九と(58)
65 同 飛(79)
66 ７七歩成(76)
67 同 桂(89)
68 ６八角打
69 ６九飛(59)
70 ７七角成(68)
71 ６四歩(65)
72 ５八金打
73 ７九飛(69)
74 ６八馬(77)
75 ７六飛(79)
76 １三角(22)
77 ６三歩成(64)
78 同 金(52)
79 ６一飛打
80 ４六角(13)
81 ３七銀(38)
82 ５七角成(46)
83 ６三飛成(61)
84 ２五桂打
85 ２六銀(37)
86 ４八金(58)
87 ２五銀(26)
88 ４七金(48)
89 同 銀(56)
90 ６七馬(68)
91 ４六銀(47)
92 ７六馬(67)
93 ５七銀(46)
94 ７五馬(76)
95 ６六歩打
96 ５八飛打
97 ４八金打
98 ５九飛成(58)
99 ４九歩打
100 ５六歩打
101 ４六銀(57)
102 ４四金打
103 ２六角打
104 ３三銀打
105 １五歩(16)
106 ５七歩成(56)
107 同 金(48)
108 ４九龍(59)
109 ３九金打
110 ７六馬(75)
111 ７三龍(63)
112 ５六歩打
113 同 金(57)
114 ５八龍(49)
115 ４八桂打
116 ６七馬(76)
117 ３八桂打
118 ２四歩(23)
119 １四銀(25)
120 １八歩打
121 同 香(19)
122 ５九龍(58)
123 ３七角(26)
124 １四香(11)
125 同 歩(15)
126 １九銀打
127 同 玉(28)
128 ３九龍(59)
129 ２八銀打
130 ３八龍(39)
131 ３九香打
132 ４九龍(38)
133 ５七金(56)
134 同 馬(67)
135 同 銀(46)
136 ４七桂打
137 １三歩成(14)
138 同 桂(21)
139 ８五角打
140 ６九龍(49)
141 １三香成(18)
142 ３一金(41)
143 １五桂打
144 ２二金打
145 同 成香(13)
146 同 金(31)
147 ５六桂(48)
148 １一香打
149 ４四桂(56)
150 同 銀(33)
151 ７二龍(73)
152 ６二歩打
153 ７一龍(72)
154 ５一桂打
155 ４八銀(57)
156 ３九桂成(47)
157 同 銀(48)
158 １五香(11)
159 同 角(37)
160 １一香打
161 １八香打
162 １五香(11)
163 同 香(18)
164 ４六角打
165 ５四桂打
166 ５三銀(44)
167 ４九香打
168 ５五角(46)
169 ４二桂成(54)
170 同 銀(53)
171 １三金打
172 ４七桂打
173 ２二金(13)
174 同 玉(32)
175 ６二龍(71)
176 ３一金打
177 １三金打
178 投了
まで177手で先手の勝ち
大山先生の向い飛車で
加藤先生は急戦なのですが、棒銀ではありませんね。
これはツノ銀中飛車に対する加藤流の袖飛車急戦の応用です。
研究にはまってはつまらない、と大山先生は寝技気味に金を守りにつけます。
戦いが始まります。5筋を突き捨てると攻め筋が広がるのがこの戦法のいいところ。
加藤先生は1歩かすめて気持ちよさそうに思えるのですが
金で歩を取って大山先生も十分指せます。
加藤先生は銀を活用し
先手を取って
歩をたらす。3歩持っていたのに歩切れになりました。57同金に65桂から踏み込もうということでしょう。
大山先生は銀を打って、飛角交換になります。
相変わらず歩切れですが両取りがあってまあまあか。
でもここに金を打つのでは後手よしとも思えません。
加藤先生は端角が狙いでした。これで4枚目の攻め駒です。
63の金は捨てて攻めかかります。
48同金同馬68竜は38金18飛39馬で29馬もあるので受けがないんですね。
大山先生は桂を取って
ぎりぎりの受けです。
加藤先生が十分に見えるのですが、65桂同竜同馬同歩ではなかったのかな。
守りに金を使うようでは大山先生が有利。
銀も使わせたので端を突いてゆっくり攻めます。
加藤先生も手をつなぎますが
いろいろ埋めていくと桂得の分だけ大山先生が指しやすいです。
加藤先生は端を工作して
銀を送る寄せの手筋
38の桂も取れるので手ごたえはあるのですが、端に嫌味が残っているので悪くしたかも。
端を破られました。
大山先生は85角を利かして左右挟撃です。
味よく桂を跳ねる手が出て優勢に。
駒を使わせたらまた手を戻し
田楽刺しを食らいましたが
攻防に香を打ち返してリードを保ちます。
投了図。33玉に詰めろで47香が入ればよしです。
加藤流の袖飛車は玉が堅くて攻められるので優秀です。それを向い飛車にも応用できるのか？はわからないのですが、大山先生がおとなしく対応したので仕掛けとしては十分でしょう。
飛角交換のあたりは互角、端角から加藤先生が優勢になったかというところを大山先生がぎりぎりでしのいで互角、いつの間にか（96手目58飛のあたり）逆転しました。いつの間にか大山先生が駒得になって、駒を埋めて受けているうちに有利になっていく、そういう流れになるのが不思議です。加藤先生もいろいろ攻め筋をひねり出して食い下がり、なかなかの熱戦でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割：平手
先手：大山棋聖
後手：加藤一二三棋王
手数----指手--
1 ７六歩(77)
2 ８四歩(83)
3 ５六歩(57)
4 ８五歩(84)
5 ７七角(88)
6 ５四歩(53)
7 ８八飛(28)
8 ６二銀(71)
9 ６八銀(79)
10 ３四歩(33)
11 ４八玉(59)
12 ６四歩(63)
13 ３八玉(48)
14 ４二玉(51)
15 ６六歩(67)
16 ３二玉(42)
17 ２八玉(38)
18 ５二金(61)
19 ３八銀(39)
20 ７四歩(73)
21 ５八金(69)
22 ４二銀(31)
23 ４六歩(47)
24 ５三銀(62)
25 ４七金(58)
26 ７二飛(82)
27 ６七銀(68)
28 ７五歩(74)
29 同 歩(76)
30 同 飛(72)
31 ７六歩打
32 ７四飛(75)
33 ５八金(49)
34 ７三桂(81)
35 ３六歩(37)
36 １四歩(13)
37 １六歩(17)
38 ５五歩(54)
39 同 歩(56)
40 ６五歩(64)
41 ５六銀(67)
42 ６六歩(65)
43 ７八飛(88)
44 ７六飛(74)
45 ５七金(58)
46 ６四銀(53)
47 ６六金(57)
48 ７四飛(76)
49 ６五歩打
50 ８六歩(85)
51 同 歩(87)
52 ７五銀(64)
53 ５九角(77)
54 ７七歩打
55 同 飛(78)
56 ７六歩打
57 ７五金(66)
58 同 飛(74)
59 ７九飛(77)
60 ５七歩打
61 ６六銀打
62 ５八歩成(57)
63 ７五銀(66)
64 ５九と(58)
65 同 飛(79)
66 ７七歩成(76)
67 同 桂(89)
68 ６八角打
69 ６九飛(59)
70 ７七角成(68)
71 ６四歩(65)
72 ５八金打
73 ７九飛(69)
74 ６八馬(77)
75 ７六飛(79)
76 １三角(22)
77 ６三歩成(64)
78 同 金(52)
79 ６一飛打
80 ４六角(13)
81 ３七銀(38)
82 ５七角成(46)
83 ６三飛成(61)
84 ２五桂打
85 ２六銀(37)
86 ４八金(58)
87 ２五銀(26)
88 ４七金(48)
89 同 銀(56)
90 ６七馬(68)
91 ４六銀(47)
92 ７六馬(67)
93 ５七銀(46)
94 ７五馬(76)
95 ６六歩打
96 ５八飛打
97 ４八金打
98 ５九飛成(58)
99 ４九歩打
100 ５六歩打
101 ４六銀(57)
102 ４四金打
103 ２六角打
104 ３三銀打
105 １五歩(16)
106 ５七歩成(56)
107 同 金(48)
108 ４九龍(59)
109 ３九金打
110 ７六馬(75)
111 ７三龍(63)
112 ５六歩打
113 同 金(57)
114 ５八龍(49)
115 ４八桂打
116 ６七馬(76)
117 ３八桂打
118 ２四歩(23)
119 １四銀(25)
120 １八歩打
121 同 香(19)
122 ５九龍(58)
123 ３七角(26)
124 １四香(11)
125 同 歩(15)
126 １九銀打
127 同 玉(28)
128 ３九龍(59)
129 ２八銀打
130 ３八龍(39)
131 ３九香打
132 ４九龍(38)
133 ５七金(56)
134 同 馬(67)
135 同 銀(46)
136 ４七桂打
137 １三歩成(14)
138 同 桂(21)
139 ８五角打
140 ６九龍(49)
141 １三香成(18)
142 ３一金(41)
143 １五桂打
144 ２二金打
145 同 成香(13)
146 同 金(31)
147 ５六桂(48)
148 １一香打
149 ４四桂(56)
150 同 銀(33)
151 ７二龍(73)
152 ６二歩打
153 ７一龍(72)
154 ５一桂打
155 ４八銀(57)
156 ３九桂成(47)
157 同 銀(48)
158 １五香(11)
159 同 角(37)
160 １一香打
161 １八香打
162 １五香(11)
163 同 香(18)
164 ４六角打
165 ５四桂打
166 ５三銀(44)
167 ４九香打
168 ５五角(46)
169 ４二桂成(54)
170 同 銀(53)
171 １三金打
172 ４七桂打
173 ２二金(13)
174 同 玉(32)
175 ６二龍(71)
176 ３一金打
177 １三金打
178 投了
まで177手で先手の勝ち
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