名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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大山将棋研究(453); 四間飛車に左美濃

2017-03-09 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和53年12月、大島映二先生と第12回早指し選手権です。大島先生はまだ4段、ぱっとしませんでしたが19歳で4段に上がったのですから才能はあったはず。プロ3年目で早指し選手権は予選を突破したのですね。この年から年2回が1回になって参加者が増えたようです。


大山先生の四間飛車に大島先生は22玉型の左美濃。私も若いころはこれが好きだったのですが

角筋で攻められるとまずいのです。

堂々の作戦負け。こうならない工夫が必要でした。

これで銀が逃げられません。

普通は44歩なのですが、桂を打つのは勝負手。

大山先生は飛車を切り楽勝ムードですが

銀を逃げたらいけません。45歩と打って攻めを継続するところ。早く終わると番組が困るから緩めたのでしょうか、でも大島先生の勝負手が成功した形です。

55桂や48歩も入り、形勢不明になりました。

でも後手の攻め駒が少ないので、大山先生は落ち着いて55の桂を取り切り

角が手順に48の歩を払ったので有利になりました。大島先生は飛車をさばくためとはいえ、角をいじめたほうが良かったでしょう。

49歩を打たれたら2枚竜でも寄り付けません。

せっかくの晴れ舞台なので、竜を引き付けて粘ります。

端に手を付けて、もしかするとという感じが出てきました。

大山先生は後手玉を薄くして44の地点を狙います。これで優勢をキープ。

大島先生は54で金銀交換だと55金とかで負けだろうと王手。でも跳ねるなら左桂だったか。

結局手が戻って(48桂成は44金から寄せられる、だから左桂を使って44に桂があるほうが難しかった)銀を取ったら王手竜取りです。

最後の突撃も

ここまで。

大山先生がかなり余裕をもって戦っていた感じです。今は若手が強いのが当たり前みたいになっているのですが、当時は大山先生は雲の上の人。当たるだけでもラッキー、上がりまくって手が伸びなかった、というのが本当のところでしょう。
22玉型の左美濃が危険だというのがよくわかりますね。(私は身に染みていますが。)手厚い振り飛車の指し方は学べると思います。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:大島映二4段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 5四歩(53)
15 6七銀(78)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 3三角(22)
19 3八銀(39)
20 2二玉(32)
21 5八金(69)
22 3二銀(31)
23 4六歩(47)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 4四歩(43)
27 3六歩(37)
28 4三金(52)
29 4七金(58)
30 7四歩(73)
31 3七桂(29)
32 4二角(33)
33 6五歩(66)
34 3三桂(21)
35 5六銀(67)
36 5三銀(62)
37 4五歩(46)
38 同 歩(44)
39 同 桂(37)
40 4四銀(53)
41 3三桂成(45)
42 同 銀(44)
43 2五桂打
44 8六歩(85)
45 同 歩(87)
46 4四桂打
47 3三桂成(25)
48 同 銀(32)
49 6四歩(65)
50 同 角(42)
51 同 飛(68)
52 同 歩(63)
53 4五銀(56)
54 5五桂打
55 3七金(47)
56 4八歩打
57 3九金(49)
58 6九飛打
59 5六歩(57)
60 8九飛成(69)
61 5五歩(56)
62 7八龍(89)
63 5九角(77)
64 6九龍(78)
65 4八角(59)
66 8六飛(82)
67 2五桂打
68 8八飛成(86)
69 4九歩打
70 2四桂打
71 5四歩(55)
72 6五龍(69)
73 4六銀打
74 1五歩(14)
75 5三歩成(54)
76 同 金(43)
77 3三桂成(25)
78 同 玉(22)
79 7一角打
80 5二金(41)
81 5四歩打
82 同 金(53)
83 同 銀(45)
84 3六桂(44)
85 2九玉(28)
86 5四龍(65)
87 6六角(48)
88 4四歩打
89 8八角(66)
90 2八銀打
91 同 金(39)
92 同 桂成(36)
93 同 玉(29)
94 3六桂打
95 同 金(37)
96 同 桂(24)
97 3七玉(28)
98 投了
まで97手で先手の勝ち
コメント
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