☆ 昨日の復習
後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年5月、米長邦雄先生と第18期十段戦です。このときは米長先生が棋王のタイトルをもっています。
大山先生の四間飛車に米長先生は急戦のようですが、46歩は早いです。大山先生は様子見でもよいのですが、手堅く32金として受けるいつもの形へ。
これは中飛車に対する加藤流急戦に似ていますが
四間飛車に46歩と突いているわけですから、4筋からさばかれそう。
先手玉のほうが堅いので、これなら居飛車も戦えそうです。33角成とすべきかは悩みますが、37桂から飛車交換が普通でしょう。
米長先生はありきたりではつまらない、と55角を打っての飛車交換になりました。
ここで一段落。64角が働くかどうかです。
59金右と固めて37桂ですか。19飛成には45桂が好調子。
その筋を避けての46歩に48飛と合わせます。
19竜に46角。45桂の筋と73角成の筋があります。両方受けられそうなのは43香ですが、大山先生はもったいないと見たか、
17竜で73角成としてきなさい、という大胆さです。さてどちらが読み勝っているか。
桂も取り合って、大山先生は金と角香の交換で駒得。米長先生は攻め駒3枚ですが、うまく迫れるかどうか。
端攻めでなければ、55桂から攻めるのが自然な指し手です。
大山先生はあっさり清算して底歩を打ち、金銀だけなら攻めにくいでしょう、と主張します。
米長先生の44歩は、と金作りというより、角打ちの筋(44角や43角)を消す意味のほうが強そう。今度は大山先生が攻める番です。持ち歩がないのですが、飛び道具だけいっぱいあります。まずは84香。
75銀は攻防ですが、54角と据えて、87の地点を狙っています。
84の香を取って75香は反撃の筋。大山先生は構わず銀を打って76銀を狙い
実現させました。攻め駒が多いので、米長先生はかなり受けにくいです。
86金は唯一の受けですが、角を足されて困ります。
早逃げから桂を取ればうまく受けたか、という感じですが、
77銀と打たれるので角を取り返せません。
投了図。
この二人が指すと、意地を張り合うので、戦いが始まれば妥協しないことになりやすく、スリリングで面白い将棋が多すぎます。
米長先生が駒損ですが、玉が堅いので終盤まで互角です。大山先生があっさり受けて66手目の71歩なら、何かありそうだ、と思うでしょう。ところがそれで手がない、と知っているのが大山先生なのです。先手からの攻めが止まれば、攻め駒の多い(使いにくそうでも6枚ある)大山先生が有利になっていきます。
その66手目まで、67手目以降、二通りの視点で楽しめると思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄棋王
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 4三銀(32)
19 4六歩(47)
20 3二金(41)
21 6八銀(79)
22 7二銀(71)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 5七銀(48)
26 6四歩(63)
27 3八飛(28)
28 4五歩(44)
29 同 歩(46)
30 5四銀(43)
31 4八飛(38)
32 4五銀(54)
33 3三角成(88)
34 同 桂(21)
35 5五角打
36 5四銀(45)
37 6四角(55)
38 4八飛成(42)
39 同 銀(57)
40 4二金(32)
41 5九銀(48)
42 4九飛打
43 3七桂(29)
44 4六歩打
45 4八飛打
46 1九飛成(49)
47 4六角(64)
48 1七龍(19)
49 7三角成(46)
50 同 銀(72)
51 4二飛成(48)
52 7二金(61)
53 5三龍(42)
54 6三銀(54)
55 3三龍(53)
56 3七龍(17)
57 5五桂打
58 5四銀(63)
59 6三金打
60 同 銀(54)
61 同 桂成(55)
62 同 金(72)
63 同 龍(33)
64 7二金打
65 6一龍(63)
66 7一歩打
67 4四歩打
68 8四香打
69 7五銀打
70 5四角打
71 8四銀(75)
72 同 歩(83)
73 7五香打
74 8五銀打
75 7七銀(68)
76 6五桂打
77 6六銀(77)
78 7六銀(85)
79 8六金打
80 8五角打
81 8八玉(78)
82 6七銀成(76)
83 6五銀(66)
84 同 角(54)
85 7七歩打
86 7六桂打
87 同 金(86)
88 同 角(85)
89 7九桂打
90 8六銀打
91 投了
まで90手で後手の勝ち
後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年5月、米長邦雄先生と第18期十段戦です。このときは米長先生が棋王のタイトルをもっています。
大山先生の四間飛車に米長先生は急戦のようですが、46歩は早いです。大山先生は様子見でもよいのですが、手堅く32金として受けるいつもの形へ。
これは中飛車に対する加藤流急戦に似ていますが
四間飛車に46歩と突いているわけですから、4筋からさばかれそう。
先手玉のほうが堅いので、これなら居飛車も戦えそうです。33角成とすべきかは悩みますが、37桂から飛車交換が普通でしょう。
米長先生はありきたりではつまらない、と55角を打っての飛車交換になりました。
ここで一段落。64角が働くかどうかです。
59金右と固めて37桂ですか。19飛成には45桂が好調子。
その筋を避けての46歩に48飛と合わせます。
19竜に46角。45桂の筋と73角成の筋があります。両方受けられそうなのは43香ですが、大山先生はもったいないと見たか、
17竜で73角成としてきなさい、という大胆さです。さてどちらが読み勝っているか。
桂も取り合って、大山先生は金と角香の交換で駒得。米長先生は攻め駒3枚ですが、うまく迫れるかどうか。
端攻めでなければ、55桂から攻めるのが自然な指し手です。
大山先生はあっさり清算して底歩を打ち、金銀だけなら攻めにくいでしょう、と主張します。
米長先生の44歩は、と金作りというより、角打ちの筋(44角や43角)を消す意味のほうが強そう。今度は大山先生が攻める番です。持ち歩がないのですが、飛び道具だけいっぱいあります。まずは84香。
75銀は攻防ですが、54角と据えて、87の地点を狙っています。
84の香を取って75香は反撃の筋。大山先生は構わず銀を打って76銀を狙い
実現させました。攻め駒が多いので、米長先生はかなり受けにくいです。
86金は唯一の受けですが、角を足されて困ります。
早逃げから桂を取ればうまく受けたか、という感じですが、
77銀と打たれるので角を取り返せません。
投了図。
この二人が指すと、意地を張り合うので、戦いが始まれば妥協しないことになりやすく、スリリングで面白い将棋が多すぎます。
米長先生が駒損ですが、玉が堅いので終盤まで互角です。大山先生があっさり受けて66手目の71歩なら、何かありそうだ、と思うでしょう。ところがそれで手がない、と知っているのが大山先生なのです。先手からの攻めが止まれば、攻め駒の多い(使いにくそうでも6枚ある)大山先生が有利になっていきます。
その66手目まで、67手目以降、二通りの視点で楽しめると思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄棋王
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 4三銀(32)
19 4六歩(47)
20 3二金(41)
21 6八銀(79)
22 7二銀(71)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 5七銀(48)
26 6四歩(63)
27 3八飛(28)
28 4五歩(44)
29 同 歩(46)
30 5四銀(43)
31 4八飛(38)
32 4五銀(54)
33 3三角成(88)
34 同 桂(21)
35 5五角打
36 5四銀(45)
37 6四角(55)
38 4八飛成(42)
39 同 銀(57)
40 4二金(32)
41 5九銀(48)
42 4九飛打
43 3七桂(29)
44 4六歩打
45 4八飛打
46 1九飛成(49)
47 4六角(64)
48 1七龍(19)
49 7三角成(46)
50 同 銀(72)
51 4二飛成(48)
52 7二金(61)
53 5三龍(42)
54 6三銀(54)
55 3三龍(53)
56 3七龍(17)
57 5五桂打
58 5四銀(63)
59 6三金打
60 同 銀(54)
61 同 桂成(55)
62 同 金(72)
63 同 龍(33)
64 7二金打
65 6一龍(63)
66 7一歩打
67 4四歩打
68 8四香打
69 7五銀打
70 5四角打
71 8四銀(75)
72 同 歩(83)
73 7五香打
74 8五銀打
75 7七銀(68)
76 6五桂打
77 6六銀(77)
78 7六銀(85)
79 8六金打
80 8五角打
81 8八玉(78)
82 6七銀成(76)
83 6五銀(66)
84 同 角(54)
85 7七歩打
86 7六桂打
87 同 金(86)
88 同 角(85)
89 7九桂打
90 8六銀打
91 投了
まで90手で後手の勝ち